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我もまたアルカディアにあり
著者 江波 光則
「我々は世界の終末に備えています」そう主張する団体により建造されたアルカディアマンション。そこでは働かずとも生活が保障され、ただ娯楽を消費すればいいと言うが……創作のために体の一部を削ぎ落とした男の旅路「クロージング・タイム」、大気汚染下でバイクに乗りたい男と彼に片思いをする不器用な少女の物語「ラヴィン・ユー」など、鬼才が繊細な筆致で問いかける、閉塞した天国と開放的な煉獄での終末のかたち。
我もまたアルカディアにあり
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2015/08/28 23:30
重厚にして軽妙
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙絵の防護服とロードバイクの組み合わせに惹かれてなんとなく購入しました。世界の終末に備えて作られた超巨大シェルター、アルカディアマンションの中と外で生きる人間を数百年単位で描いた重量級SFです。
働かずとも生活が保障されるアルカディアの在り方とその中で生き方を模索する人間の描き方が軽快で巧いと思いました。また、短編集の形をとりつつ、一族の歴史を軸にしてアルカディアの歴史的背景とアルカディアに関わる人達のショートストーリーを絡めた複雑な構成なのに読みやすかったです。重厚にして軽妙って感じで、さすがはライトノベル出身の作家さんだなーと納得しました。