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ニルヤの島
著者 柴田 勝家
人生のすべてを記録し再生できる生体受像(ビオヴィス)の発明により、死後の世界という概念が否定された未来。ミクロネシア経済連合体(ECM)を訪れた文化人類学者イリアス・ノヴァクは、浜辺で死出の船を作る老人と出会う。この南洋に残る「世界最後の宗教」によれば、人は死ぬと「ニルヤの島」へ行くという――生と死の相克の果てにノヴァクが知る、人類の魂を導く実験とは? 新鋭が圧倒的な筆致で叙述する、第2回SFコンテスト大賞受賞作。
ニルヤの島
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紙の本ニルヤの島
2017/04/29 19:52
死後の世界が否定された世界で、人は何を信じるのか
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コスモス - この投稿者のレビュー一覧を見る
死後の世界という概念が否定された近未来を描いた本小説。
私は死後の世界というものを信じていないし、科学の発展に伴いそのような概念は否定される運命にあると考えています。したがって、本小説が描いているのは確実に到来するであろう未来なのだと思います。
紙の本ニルヤの島
2016/12/29 13:25
後書きから読もう
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
よく、小説の解説に、「後書きから読む方は…」というのを目にするが、この本に限ってはぜひ解説から先に読んで貰いたい。
この小説の読み方がよく分かると思う。
私は残念ながら頭から読んでしまったので、「ただ単に分かりにくい、難しい話」としか印象を持てなかった。
解説を先に読んでおけば、この小説の魅力を、もっと深く、美しく感じられただろうに。誠に残念なことをした。
もう一度言おう。「この小説に限っては、解説を先に読むべし!」
紙の本ニルヤの島
2016/11/14 09:46
ニルヤの島
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る
すごい!これはすごい!!すごくおもしろかった!!なんだこの興奮!!
『宗教と死後の世界を否定する』とは何だ。
まずはそこから、作者が描こうとする世界を掬い上げるために読み進めた。
叙述された今があれば、記憶の断片化がなければ。
『帝王の殻』のPABの廟にも似て。
「利他的なことこそマクロな意味での利己的行動」ミームはミームのために。
人間は、遺伝子を運ぶ機械であれば、ミームを運ぶための入れ物であるのか?
地獄も天国も、すべて人間の頭の中にあり、でもだからこそ、死者の国は頭の中に作り上げられた概念。
何度も意味づけが覆されたり上書きされたり、驚き息をのむ瞬間があったり…すごい本だった。
ぜひ再読したい。