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2016/12/28 10:41
娯楽小説を「司馬史観」と置き換えた罪は大きい。
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投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
実に、爽快に読了した一冊だった。
山田風太郎の仕組まれた小説の妙味の解説には、時間を忘れてしまうほど。
さらに、司馬遼太郎の歴史小説を一刀両断に切り捨てた事に、快哉を叫んだ。まさに、「司馬史観」などというマスコミが仕立て上げた言葉に、いかほど多くの日本人が躍ってしまったことか。
文芸春秋出身のコメンテーターが、堂々と、講演会で乃木希典批判をするが、それは、すべて司馬遼太郎の受け売り。聞きながら、「アホか。自分の頭で考えて、調べてから言わんかい」と突っ込みをいれたくなるほど。滑稽の何物でもない内容だった。
そんな軽薄短小の日本人を大量生産したことが、現代日本の稚拙な外交を展開する結果ともなっている。
書き手もさることながら、読み手も、受け売りではなく、自身で考えることをしなければ。そう警鐘を鳴らす一書であると感じた。
ただ、内村鑑三の章は、さらなる工夫があっても良かったのではと思った。