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銃姫
かつて神は人間たちの愚かさに怒り、彼らから魔法の力を奪ってしまった。ところが、人は魔法を弾丸に封じ込め銃器で操ることを思いつき、ふたたび「力」を手に入れることに成功する。世界は殺伐とした戦争の時代へ突入した。少年セドリックは、姉のエルウィング、テロリストの少女アンブローシアと共に世界の命運を分けると言われる銃「銃姫」を探して旅に出る。銃姫の引き金をひくものはいったい誰なのか。そして、銃姫の秘密とは。
銃姫 1 ~Gun Princess The Majesty~
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紙の本銃姫 1 Gun princess the majesty
2011/01/30 22:59
骨太のファンタジー小説
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
MF文庫の傑作ファンタジーです。
いわゆる「剣と魔法」のファンタジー小説ではありますが、文明水準についてはファンタジー世界と聞いて想起されるそれよりも高く、タイトルどおり「銃」が存在します。
物語は主人公の生い立ちや、「銃姫」と言われる兵器を巡り陰謀が繰り広げられており、ライトファンタジーらしからぬ展開が繰り広げられます。物語の焦点は「銃というものが存在しなかった時代から、既に存在していた『銃姫』とは何か」というところにあてられています。
読む人は、銃姫を巡るドラマに時に興奮を、時に感動を覚えることでしょう。
挿絵イラストや巻末の著者後書きからは「萌え全開」の空気が漂っているものの、作品自体は萌えからはほど遠いです。萌え好きの人には期待はずれかもしれませんが、ライトファンタジー好きには垂涎だと思います。
数々の困難・苦難に直面し、心がへし折れそうになりながらもなお、前進する主人公の姿が涙を誘いますし、ヒロインであるアンブローシアについても、最終巻に至るまで、命運がどうなるのか全く読めない、目の離せない展開が続きます。
私自身、主人公についてはともかく、ヒロインの落ち着きどころについて、最初の巻では全く読めませんでした。もとい、最終巻を読み終えるまでは全く分かりませんでした。
物語を最後の最後まで楽しませてくれる、王道のファンタジー小説の一つと言えるでしょう。
bk1ではない、別のネット系書店の評を引用するわけではありませんが、「MF文庫ではなく、富士見ファンタジア文庫や電撃文庫から出版されていればもっと売れた」作品だと思います。
講談社からコミック版も発売されましたが、内容は小説版の前夜祭のような内容であり、外伝的位置づけなので、小説版を読まないとあまり内容が分からないと思います。全ての始まりは小説版第1巻から。
メジャーブランドからの作品に少し飽きが来ている人。王道のファンタジーを楽しみたい人には一押しの作品です。