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昭和陸軍の軌跡 永田鉄山の構想とその分岐

昭和十年八月十二日、一人の軍人が執務室で斬殺された。陸軍軍務局長永田鉄山。中堅幕僚時代、陸軍は組織として政治を動かすべきだとして「一夕会」を結成した人物である。彼の抱いた政策構想は、同志であった石原莞爾、武藤章、田中新一らにどう受け継がれ、分岐していったのか。満蒙の領有をめぐる中ソとの軋轢、南洋の資源をめぐる英米との対立、また緊張する欧州情勢を背景に、満州事変から敗戦まで昭和陸軍の興亡を描く。

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みんなのレビュー3件

みんなの評価4.3

評価内訳

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本書を読んで思ったのは「げに怖ろしきは人事の恨み。結局官僚にとって最大の関心事は昇格とポスト」ということである。まず人事上の不満があって、それを正当化するために理屈は後から付いてくる。

17人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「永田鉄山、大日本帝国陸軍の逸材。彼がもし生きていたら、帝国陸軍はあのような無謀な戦争に邁進することなく、別の道を歩んだであろう」。こんな話ばかりを私は聞かされてきた気がする。しかし、本書を読んで、こうした「日本陸軍が生んだ逸材としての永田鉄山」というイメージが大きく変わった。むしろ「永田鉄山が構想した戦争計画は、あたかもドイツ帝国を滅亡に導いた参謀総長シュリーフェンによる戦争計画シュリーフェン・プランに似て、それが日本を滅ぼした」と思えるようになってきた。つまり「日本を滅ぼした張本人は永田鉄山その人である」と。

本書は同じ著者による2書、『浜口雄幸と永田鉄山』 、『満州事変と政党政治』を再構成したような内容となっているが、本書の方が、永田鉄山という自分を軸にまとめてあるだけに、前掲の2書より読みやすい。話は長州閥が人事を壟断する帝国陸軍の改革を唱える中堅将校が「人事の刷新」を唱えて結束する1920年代に始まる。陸士15期から18期の若手青年将校が集まって結成した二葉会(中心人物は永田で、メンバーには岡村寧次、小畑敏四郎のほか、東條英機、山下奉文らもいる)と陸士21期から24期の少壮将校が集まって結成した木曜会(メンバーには鈴木貞一、石原莞爾らがいる)が合流し一夕会なる会合が組織される。彼らは第一次大戦を目の当たりにして「来る大戦は国家による総力戦となる」という、ある意味しごく当り前な軍事観を持ち、旧態依然たる組織を維持しようとする帝国陸軍の刷新、更には大日本帝国という国家組織そのものを刷新しようと構想する。しかし、彼らが具体的な行動として実行に移したのは「長州支配の打破」という目先のチマチマとした人事の話で、この辺りが、如何にも軍人といえども官僚らしい、品の下がる下世話な話になってくる。そもそも「国家総力戦に備えて軍隊を改革する」ということでは、宇垣軍縮を断行した宇垣一成陸軍大将率いる宇垣派と一夕会は共通する部分が多かったはずである。宇垣軍縮とは、一言でいえば水膨れした陸軍人員をカットして、浮いた金で兵器を買い弾薬を買うという話で、この結果、大量の軍人が路頭に迷ったという。ところが「陸軍きっての逸材」であるはずの永田は。ここでは「広い意味での世界戦略観の共有」という意味で宇垣派と結ぶことなく、あくまで反長州を貫き、反宇垣の立場を優先する。ここで奇妙なことが起きる。宇垣派で無かったが故に、宇垣体制の下で冷遇された「人の良いおじいさん」荒木貞夫と「根暗で権力欲の塊じいさん」真崎甚三郎と永田との奇妙な連合が成立するのである。荒木・真崎と永田らが率いる一夕会グループの唯一の共通点は「反宇垣・反長州閥」という一点のみ。永田ら中堅将校の強い押しで、荒木・真崎が陸軍のトップに上り詰め、根暗な爺さん真崎甚三郎が権力を掌握する。ここで、一夕会内で内紛が起きる。これが後に統制派と皇道派の抗争と言われるものだが、これも著者が展開する記述は従来のものと少し異なる。発端は二葉会の中心メンバー、小畑敏四郎と永田鉄山の対ソ戦略を巡る対立だ。ロシア通でもあった小畑は、満州を、日本をソ連の攻撃から守るため、ソ連一撃論を主張する。革命後の混乱で極東ソ連の軍備が整わない今のうちにソ連に痛烈な一撃を加え、日本にあだなすことがないように先制攻撃を加えようというわけだ。これに永田は猛反発する。永田は「次に日ソ間で戦争が起きた時は、国家の存亡をかけた総力戦になる。その為の準備が整うまではソ連との戦端を開いてはならない」という。そして日本は長期持久戦に備えるだけの資源に乏しいので、その欠陥を補うべく、満州はもちろん北支並びに中支までを日本は確保すべきだ、しなければならないと永田は主張する。この主張こそが、後に日本が支那からの全面撤退をためらい、アメリカのハルノート受諾を拒否することになった最大の理由であり、この永田の構想こそが日本を滅亡に追いやるのだが、そのことは後述する。

さてここで著者は皇道派と「皇道派青年将校」を明確に区別する。皇道派とは、あくまで小畑を筆頭とする「ソ連一撃論」を唱える一夕会内の一派で人事の都合から、この永田小畑の反目を利用して漁夫の利を得た真崎らがこれに加わったグループ。これに対し、「皇道派青年将校」とは、「娘の身売り」に象徴される出身地農村の窮状に悲憤慷慨し、北一輝らの影響を受けマルクス主義的農村改造を含む国家改造計画に賛同する連中で、真崎ら「皇道派」は北ら「アカの思想」を何よりも憎んでいたので、皇道派と皇道派青年将校は氷炭相容れないグループだと著者は両者を区別する。一方、エリート将校主導による整然たる統率の元に軍主導で国家改造を目論む永田らも、これら皇道派青年将校らによるクーデター計画を「軍の統制を乱す行為」として忌避する。そして2.26事件が勃発すると、永田ら統制派は反乱分子の鎮圧に乗り出し、真崎荒木らを今度は追放してしまう。これに憤った相沢なる狂信的軍人が陸軍軍務局長室で抜刀し永田を斬殺。ここに「陸軍の逸材・永田」の人生は終わる。

しかし、永田の死後も永田の戦争計画は生き残る。日本が将来臨むであろう戦争は、国家の命運をかけた大戦争で、その為には北支・中支の資源を確保することが日本の生存にとっては絶対条件で、だから満洲のみならず支那を占領し支配するのは日本にとって絶対に必要という永田構想は、永田後を継いだ陸軍エリートの間でも絶対修正不可の不磨の大典として生き残るのである。そして、この永田構想こそが日本を滅亡へと追いやる。北支の資源確保は日本の生存のために絶対に必要だが、ナショナリズムに目覚めた生意気な支那はこれに抵抗する。なぜ支那は日本の北支支配を認めないかと言えば、背後にアメリカの影があるからで、このアメリカの影を吹き払うには西太平洋上において帝国海軍は米海軍に対し圧倒的優位を確保する必要があるという発想が出てくる。ロンドン海軍軍縮条約時には加藤友三郎のように「戦をするにはおカネがいる。日本におカネを貸せるのは世界ひろしといえども米国だけ。アメリカからおカネを借りつつアメリカと戦争なんか出来るわけがない。つまり日本はアメリカとは戦争なんか出来ない」と喝破する常識人がまだいた。しかし、こうした先立つものから逆算するという柔軟な発想は陸軍の逸材永田にはない。とにかく生死をかけた最終戦争は必定という歴史観がまずあって、その生存戦争に勝つには北支の資源が絶対に必要で、その北支の資源確保を邪魔する勢力は蒋介石、張学良、アメリカ、イギリス、みんな排除すると、こういう風に永田的論理は展開するのである。陸士陸大の成績で永田神話に及ばない武藤章や田中新一は最後まで永田構想を否定できない。乗り越えられない。

満洲事変は石原・板垣ら関東軍参謀の独走というのも神話で、実は止めようとしたのは宇垣派に属する陸軍省と参謀本部のトップのみで、永田ら中堅将校は石原莞爾らと呼応する形で満洲占領を積極的に支援したというのも新しい発見だった。

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戦争に至った経緯が良く分かった

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アトリエ - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本とアメリカが戦争をしたのはイギリスをめぐる戦いであったというのが本の趣旨でなるほどと思った。
日本の戦争指導者が皆アメリカとの戦争を避けたがっていたというのも意外であったしきちんとした計画を持っていたことも初めて知った。
今まで知らなかった戦争へ至る経緯が分かる良書である。

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構想の破綻―軍官僚たちはどこで誤ったのか

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yjisan - この投稿者のレビュー一覧を見る

満州事変から太平洋戦争に至るまで、日本の進路を決定づけた最大の政治勢力は昭和陸軍であった。一般的に昭和陸軍は、確たる見通しもなく功名心から野放図に戦線を拡大して日本を滅亡に追いやった猪突猛進の単細胞集団、という印象が強い。不毛に映る幾多の派閥抗争も彼らのイメージを悪くしている。しかし彼らには、次期世界大戦の勃発に備えて総力戦体制を構築するという明確な戦略目標があり、それを実現するための遠大かつ「合理的」な構想を用意していた。石原莞爾の世界最終戦論は有名だが、永田鉄山や武藤章、そして短慮無謀の典型と評されることの多い田中新一でさえ、次期大戦から日本を守ることを意図して、それなりに筋の通った構想を抱いていたという事実には意外の観がある。

満州事変における陸軍中枢=宇垣系(不拡大派)と中間幕僚=一夕会(拡大派)の対立、皇道派・小畑敏四郎(対ソ戦優先)と統制派・永田鉄山(対支戦優先)の対立、支那事変における石原莞爾作戦部長(不拡大派)と武藤章作戦課長(拡大派)の対立、日米交渉における武藤章軍務局長(交渉継続)と田中新一作戦部長(開戦決意)の対立。これらは単なる陸軍の内輪もめ(人事に起因する感情的対立)ではなく、各々が独自の構想を抱いていたがゆえの政策的対立であった。本書はこの点を具体的に明らかにした労作と言えよう。

ただし、著者は昭和陸軍を主導した代表的軍官僚たちのグランドデザインを復元することに重点を置いていて、彼らの“一見すると”理路整然とした構想のどこに問題があったのかを詳しく説明してくれていないので、昭和史に一定の知識がないと本書を十分に理解することは難しいと思う。彼らの構想は短期的・局所的には「合理的」でも、全体として見ると御都合主義に陥っているのである。以下に昭和陸軍の構想の主な問題点を挙げる。

1.米英との対立の可能性を想定して軍需資源の自給自足を目論むが、そのための大陸への軍事的進出(侵略)が米英との対立を招き寄せるという本末転倒(軍事重視・外交軽視の「国防自主権」論)、2.中国のナショナリズム昂揚への甘い見通しに基づく楽観論(対支一撃論)、3.ドイツがイギリス、ソ連に勝利するという希望的観測を前提に戦略を立てるという他力本願(ドイツに対する過大評価)、4.日独伊軍事同盟+日ソ中立条約によってアメリカが対日戦を諦めるだろうという誤解(アメリカに対する過小評価)。

対米開戦決定の際に企画院総裁として御前会議に参加し、資源確保の観点から開戦を主張した鈴木貞一は、戦後になって「もし永田鉄山ありせば太平洋戦争は起きなかった」と語ったという。しかし、事実はむしろ逆ではないか。昭和陸軍が「アメリカとの政治的対立を回避しつつ大陸に日本の自給圏を作る」という永田構想に最後まで縛られたことこそ、太平洋戦争が起きた最大の原因であろう。日米友好と大陸進出。この互いに相容れない命題を両立可能と考えたところに彼らの最大の錯誤があったのである。


部分最適を追究することで全体の視野を見失った彼らの過ちを、日本は「ガラパゴス化」という形で再び繰り返そうとしている。モノ作りのモジュール化が進み、世界最適調達が求められる現代において、「日の丸半導体」にこだわり救済したものの結局はエルピーダを破綻させてしまった経済産業省の産業(保護)政策は、昭和陸軍のコストを無視した自給戦略に重なる。

官僚の「もっともらしい作文」に振り回される悲劇を根絶するためにも、日本政治における「官僚主導」の排除は不可欠だ。それこそが、我々が昭和陸軍の失敗から得るべき最大の教訓だろう。

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