- みんなの評価
11件
フレーベル館文学の森
図書室の本にみちびかれてやってきたのは、不思議ですてきな毛糸屋さん。そこには魔法使いのような編み物の先生と、みんながいた…。等身大の少女の思いをみずみずしく描いた、笑って泣けて心が温かくなる友情物語。
キャンドル
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キャンドル
2020/12/12 20:05
『キャンドル』
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
眠そうなキャラでぼんやりしている穂村螢一(ほむらけいいち)6年生
学校祭のおばけ屋敷でワニの着ぐるみを着たのが螢一なら、親友の皆本翔真(みなもとしょうま)はメイド服を着て登場
二人のボケとツッコミに幼なじみでしっかりものの石川瑠璃がからんで展開する典型的な友情と成長の物語、ではなくて……
翔真の願いはひとつ──自分らしくあること、ただそれだけだ。
翔真の“自分らしさ”を軸に、幻想小説風味に謎解きスパイスを加えて和え、生きづらい世界と対峙する子どもたちを描いた新感覚の児童文学……その実はやっぱり王道の友情と成長の物語
前作を読んだ子どもが「同じような本を読みたい」と司書教諭に頼みにきたという、その子たちに自信を持って薦めることができる傑作の登場
くすっと笑える小ネタも仕込まれて、おとなも楽しめる一冊に仕上がっている
著者は29歳の新人“ひよっこ”児童書作家
第2回フレーベル館ものがたり新人賞(2019年)大賞を受賞した『あの子の秘密』でデビュー、同作が第49回児童文芸新人賞(2020年)を受賞、本作が2作目、受賞後の初作品となる
遠田志帆の装画と挿絵、城所潤の装丁が子どもたちの内面を鮮やかに描き出す、ジャケ買い必至のハードカバー
粟船駅近くにある甘縄小学校を舞台に、青少年会館にコンビニに児童公園という場の設定は大船在住の著者ならではの地元感満載
以下、ネタバレにならない範囲で、名セリフ集
「おれがおれらしく生きることのじゃまなんか、だれにもさせるもんか」
「おとなになるって、あきらめることなのか?」
「だいじょうぶ。まあ、なんとかなりますよ、世の中」
「あきらめるって、すっげえエネルギーがいるんだよ。そのエネルギーがあればな、あきらめないことだってできるくらいに。闘うことができるくらいに」
「ちゃんと言えばよかったんだ。現実がどうだとか、世の中がどうだとかじゃない。ぼくがどうするかを、どうしたいかを、言わなきゃいけなかったんだ」
「今がいちばんだよ。残りの人生で今がいちばんはやい」
*まさ、いい本ができたね!
天地ダイアリー
2022/06/08 19:10
『天地ダイアリー』
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2〜3年に一度、父の転勤により転校を繰りかえしてきた木下広葉(きのした ひろは)
こんどは中学入学のタイミングで新しい学校に入学
小学校の苦い経験からクラスのカーストでは「下層」、どこかに居場所を見つけて目立たないように学校生活を送ろうとしている
そして広葉は
〈マスクをしないと、家から出られない──。〉
全員参加の委員会もカースト下位と目される栽培委員会を選ぶ
〈いつになったら、ぼくは学校で楽に息ができるようになるのだろう……。〉
しかし、活動を始めると委員会の同級生や先輩たちは個性的なメンバーばかり
いっしょに植物を育てるうちに広葉も少しずつ変わっていき……
〈もうマスクはいらない。〉
まわりの目が気になって生きづらさをかかえる中学生の成長物語
小学校高学年から読んでおきたいフレーベル館「文学の森」レーベルから、2018年11月刊
〈傷つくのを恐れて心をなくすより
傷つく心を抱えて生きていきたい〉──帯のコピー
心情の変化を象徴するマスク、呼称、花に着目して読み解くのも一興
タイトルに使われている「天地」も重要なモチーフになっている
※p.44〈オリエンテーリング〉⇒〈オリエンテーション〉か
あの子の秘密
2020/11/25 19:49
心の中
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やっほー丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
心の中が見える女の子と自分にしか見えない心の中に猫を飼っている女の子の話。重いテーマをすんなりと飲み込めるような形で描かれています。
明來ちゃんがめっちゃええ子やなぁと思いました。彼女は多分、心が読める読めないに関わらず他人のことを大切にできる優しい子なんだろうなぁと。だからこそ小夜子ちゃんも心を開けたのだろう。
個人的には、ラストがとても良かった。非常にスッキリして終わったので、大満足です。