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7件
春宵十話
著者 著者:岡 潔
「人の中心は情緒である」天才的数学者でありながら、思想家として多くの名随筆を遺した岡潔。戦後の西欧化が急速に進む中、伝統に培われた叡智が失われると警笛を鳴らした、氏の代表的名著。解説:中沢新一
春宵十話
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春宵十話 改版
2018/10/28 12:39
情緒の風景
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まな - この投稿者のレビュー一覧を見る
岡潔の口述を松村洋(当時毎日新聞奈良支局勤務)がまとめあげたのが本書。
本書を読んで湯川秀樹を私は思い出しました。どちらも科学者であるけれど、芸術・古典への造詣や仏教観など、内的世界がとてもゆたかな科学者がいたのだなと思うと同時に、おそらく、市井の人の中にも、言語化できない部分に内包されていた豊かさがおなじようにあったのではないかとも考える。現代にも通ずる未来への示唆に富む本です。
春宵十話 改版
2018/05/10 07:29
教育
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
天才と言われていた人でも忘れられてしまう。こんなに早くから教育問題について懸念を表していたが今も教育に問題は残されたままだ。教訓はあちこち残っていてこの本もその一つと言える。
春宵十話 改版
2015/12/26 10:26
源氏物語のような風情を
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数学者の文章であり、澱みが無い。理性か論理どころか情緒を語るのである。
日本の失われていくものを惜しむだけでなく、失われるのは日本人の心にある情緒の調和だと説く。
このかたの日本の花鳥風月を愛でる心映えの美しさは流れる文章によって存分に効いてくる。あたかも源氏物語の風情をつくりだしている。
心を整え、まっすぐにして、日本人らしくと。