無頼平野
孤高のカルト漫画家、つげ忠男の殺気あふれるアナーキーな作品世界。「無頼平野」「無頼の街」「与太郎犬」「旅の終わりに」など代表作7編を収録。――発作的にというか、衝動的にというか、これまでわたしは、無頼漢・与太・チンピラ等といった手合いを主人公に据えた漫画を時々描いている。多分それは、なんとなく宙ぶらりんで不安定な生活情況からの唯一の逃げ場であり、放蕩無頼・気ままに遊べるフィールドではなかったかと、今ならそういうふうにもいえる。(つげ忠男)
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本無頼平野
2016/03/29 23:33
社会
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る
売血をめぐる人々の、あるいは流れ者の、持たぬ人たちの暮らしを、シンプルに強く、描く、描き切る短編集。表題作『無頼平野』は、本来500ページほどの大作になるはずが中断、諸短編で切り取ってきたものが組み合わさり、大きなうねりをなどとつい想像してしまうが、もう40年以上前の作品。なんとか完結させて欲しい。『与太郎犬』はとかく暗いと言われる(最初は兄に言われたそうな)つげ忠男作品で、はっきりとユーモアを打ち出した作品。(もちろんそれは元々持っていたもの)この、グロテスクで、幻想的で、リアルなユーモアは、実におそるべきものだ。マジックリアリズムないし神話のような噺。