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未来型サバイバル音楽論 USTREAM、twitterは何を変えたのか(中公新書ラクレ)

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未来型サバイバル音楽論 USTREAM、twitterは何を変えたのか

著者 津田大介 (著),牧村憲一 (著)

CDが売れない音楽業界、ライブ・フェスの盛況、双方向のコミュニケーションで生まれる音楽など、多岐にわたり徹底討論。アーティストが自由に発信できる時代の、音楽のあり方とは?...

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未来型サバイバル音楽論 USTREAM、twitterは何を変えたのか

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商品説明

CDが売れない音楽業界、ライブ・フェスの盛況、双方向のコミュニケーションで生まれる音楽など、多岐にわたり徹底討論。アーティストが自由に発信できる時代の、音楽のあり方とは?全てのジャンルが溶解しつつある今だからこそ問われるべき「未来型レーベル」の構想。

目次

  • 第1章 いま、音楽業界に何が起こっているのか(音楽はゼロ年代からテン年代へ
  • 普遍的なもの、そして未来型レーベル)
  • 第2章 過去のレーベル、未来のレーベル(レーベルとは何か
  • 最初のレーベル・ブーム
  • 「渋谷系」というムーヴメント
  • 散開、そして再生
  • もう一度レーベル作りから)
  • 第3章 コミュニケーション・マネタイズ(大量複製時代のビジネスの崩壊
  • 音楽ビジネス、その周りにあるもの
  • ライブハウス・フェスの盛況

著者紹介

津田大介 (著)

略歴
1973年東京都生まれ。メディアジャーナリスト。早稲田大学大学院政治学研究科非常勤講師。

牧村憲一 (著)

略歴
1946年東京都生まれ。音楽プロデューサー。昭和音楽大学講師。プロジェクト東京24区に在籍。

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みんなのレビュー61件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

音楽にとってこれからはいい時代になる

2010/11/22 21:56

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

 これは却々の良書である。音楽ビジネスの歴史書としても、現状分析としても、そしてその打開策の提言としても──。何故なら、そういうことがちゃんと解っていて、できる人が書いているからである。
 津田大介氏と言えば今や twitter を代表する人物というイメージが強いが、この人は元々音楽系のライターであり、そこから著作権やIT関連にフィールドを広げて行った人である。単なるリスナーとして積み重ねた経験に物書きとしての知見を重ね、音楽については依然として深い造詣を保持している。いや、と言うよりも、この本を読んで改めて「ああ、この人は音楽にこんなに詳しい人だったのか」と気づかされるのである。
 そして、牧村憲一という人は、ユイ音楽工房を皮切りに名だたる音楽出版社やレーベルの設立運営に参画し、フォークからテクノ、渋谷系までさまざまな音楽状況に関わり続けてきた人である。何と言っても、今日に至るまで常に音楽の最前線にいることに驚かされる。
 1973年生まれの津田大介氏と1946年生まれの牧村憲一氏という、世代的にはかなりズレのある2人が、音楽ビジネスに対して非常に近い感性で語り合っているのが面白く、また、だからこそ説得力がある。
 第1、3、5章が2人の対談、2章で牧村氏がレーベルの歴史を整理し、4章では津田氏が音楽ビジネスの現状を分析するという構成も非常に読みやすく、理解しやすい章立てになっている。
 そして、音楽関係者が往々にして語りがちな「…だからCDが売れない」みたいな愚痴のオンパレードには堕ちずに、程よい現実肯定と揺るぎない理想追求が楽観的に綯い交ぜになっているところが良いと思うのである。
 この本で2人が提案している「一人1レーベル」というのは決してひとりっきりで全部やれというのではなくて、意識の高い人たちが集まって創り上げて行こうということらしい。まさにその意識の高い人間のうちの2人がこの本の著者なのだ。
 本文最後のページで津田氏が「これからはいい時代になりますよ」と言い、牧村氏が「音楽は時間をかけて、ひょっとすると言葉と同じものになるかもしれません」と言うあたりに、なんか音楽の可能性を感じてしまうのである。
 音楽にとって本当に良い時代が訪れつつあるような気がする。

by yama-a 賢い言葉のWeb

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紙の本

ダ・カーポ―はじめに戻る

2011/02/25 17:06

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

仰々しいタイトルだが、中身は予想以上だった。というのが端的な読後感。「CD不況」なのはなぜか。なら、どうすればいいんだ。好きな音楽をより多くの人に聞いてもらい、願わくば直販でそこそこ喰っていけるには。

CDは売れてないけど、ライブに行く若者が増えているそうだ。知らなんだ。その現象を津田大介は、こう述べている。

「デジタル技術やインターネットの普及により、音源はコピーで済ませることができるようになった分、ライブのようにコピーできない「体験」の音楽ファンがお金を払うようになっている」

「コピーできない「体験」」とは、まるっきりベンヤミンの唱える「アウラ」だ。前にどっかで読んだんだけど、レンタルしたCDをマザーと呼ぶとか。ギョーカイ用語だけど、マザーからコピーする。で、交換ファイルで大量に複製される。だとすれば、ありがたみはない。

CDになって容量がLPレコードより大きくなって、収録される楽曲が増えた。リスナーは喜ぶかと思ったら、なんだか、水増しされたような気分というのもある。てなことも書いてあり、だよねえ。

牧村の音楽プロデューサー個人史は、懐かしく。いい時代だった。MIDIか。大貫妙子や坂本教授などLPレコードで結構持っていた。ノンスタンダード、ピチカートVのデビューアルバム。CDで持っている。彼の唱える「一人1レーベル」も、納得した。お手本がピエール・バルーのサラヴァとは。

インターネットを活用すれば、自分のレーベルを立ち上げることができる。旧来の大所帯のレコード会社は、巨大化し過ぎた滅亡前の恐竜の如く。
ただし、「一人1レーベル」とは、

「「一人ぼっちでしなさい」という意味ではなく、一人でもできるくらいのノウハウを持って、そしてなおかつ複数の人数でレーベルを運営しましょう」

という意味合いだとか。

さらに商いのネタを拾うなら、ライブでは音源もいいが、Tシャツなどグッズを売るべしと。利ざやがいいそうで。

この本を読んでいて「出版不況」にも、ぴったし当てはまると思った。「一人1レーベル」は、言い換えれば「一人1出版社」。電子書籍か有料メルマガかはわからないが。

原点に立ち返るってことなんだろう。じゃあTシャツはどうする。

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紙の本

いずれも過渡期的なものであることも免れない

2011/10/30 17:39

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 音楽には比較的疎いが大変勉強になった。感想は二点だ。

 一点目。インターネットが、音楽業界を液状化してきていることが良く分かった。特に音楽業界のビジネスモデル、特にレコード会社が「権力」化していた状況が根底から崩れつつある点に興味を覚えた。

 考えてみるとネットの影響で旧来のビジネスモデルが壊れたり、新しいビジネスモデルが出てきたという事態は音楽業界だけの話ではない。むしろ音楽業界もネット社会の変化の一例として本書で語られている程度なのかもしれない。本書の著者たちも、自身の仕事が音楽だけに限定されるとも思っていないだろう。

 その意味では本書で紹介される事例はいずれも過渡期的なものであることも免れないと思う。例えば今猛威を振るっているI podも、例えば10年後はどうなっているかは誰にも分からないだろう。音楽を携帯するにおいて、現段階ではI podが一番ポピュラーであろうが、考えてみると「携帯する」という圧倒的な不便さもあるからだ。I Podを無くして泣く泣く買い替えた人がいるとしたら、それは「携帯する」ことによる弊害なのである。10年後のI podはハードとしての存在は無くなっているかもしれない。



 二点目。改めて音楽とは何だろうと考えさせられた。

 僕の理解では音楽の起源は宗教である。神への祈りがメロディーを持ち、メロディーを持ったことである種の陶酔を齎すものになったのではないかと想像している。

 現在にも、他にもさまざまな芸術はある。美術、文学等だが、それに比べても音楽の人気度は飛びぬけて高いと思わざるを得ない。例えば本書で知った事実としてはライブの人気が高くなってきたことがある。ネットを通じていくらでもバーチャルに音楽を楽しめる環境が整備されつつあるなかで、人は全く逆に、自ら足と金を使って、音楽の「現場」に行く。そこまでさせる音楽の麻薬性というものは何なのかを考えることは実に頭の体操になると思う。

 僕の思いつきとしては、音楽が「目」ではなくて「耳」を媒介とする点に何かがあるのではということだ。人間は情報処理の大部分を視覚に頼っているように思ってきた。その視覚を通じてアクセスできる美術や文学より、聴覚を通じた音楽の方が人気があるということにはきっと何かがあるはずだ。今の段階で気のきいた仮説は出せないが、今後ゆっくり考えてみたい。

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紙の本

ツールが見せる可能性

2012/02/26 21:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 メディアジャーナリストと音楽プロデューサーのコラボレーションを通じて、今後の音楽業界のあり方を考えていく試みのようだ。

 かつて音楽メジャーは、レコードやCDの売上と、著作権・著作隣接権の管理の仕組みを以って莫大な利益を得ていた。彼らがその仕組みを維持できた理由は、かつて音楽を消費者に届けるためには、レコーディング、プレス、流通、マーケティングなどに対する主にコスト面での参入障壁が高かったためだ。
 この仕組みも悪い面ばかりではなく、莫大な利益の一部を使って新人育成や、メジャー内の小レーベルの維持などを行っていた良い面もあり、一概に否定できることではなかった。しかし、バブルが崩壊しCDの売上が落ちていくに従って、この、暗黙の仕組みは崩壊し、利益を優先した音楽作りが業界の主流となってしまった。

 そうした中で、音楽メジャーは、CDや音源の販売だけでなく、ライブにおける物販や、コミュニティの運営による利権にその手を延ばしつつあるらしい。その一形態が、360度契約という考え方だ。
 これは、ライブ活動のコストを折半する代わりに、その音楽活動から得られる全ての利益も折半するという形態の契約だ。これからのアーティストは、こういった選択肢も含めて自身の音楽活動をデザインしていかなければならない。

 こういったやり方に馴染めない場合には、他の方法もある。インターネットの普及と、USTREAM、twitterの開発、収録機材のコモディティ化は、レコーディング、プレス、流通、マーケティングなどに対する参入障壁を格段に低くした。アーティストと周辺の少数で、音楽のための音楽作りをすることが可能な環境は整ってきつつある。
 だがこのやり方にも、まだまだ問題も多い。こうしたインターネットにおける音楽利用には、著作権、特に著作隣接権の管理の仕組みが出来上がっていないのが現状だ。このため、原盤権を侵害しかねない音楽利用には慎重にならざるを得ない。音楽を普及させたいという意志があっても、古いタイプの業界慣習がそれを邪魔しているのだ。

 著者それぞれの立場から、自身の経験などを交えつつ、今後の音楽業界のあり方を考えていくわけだが、現実はなかなか彼らの考えるように素直には進まないようだ。音楽がオイシイという考え方は廃れるといっても、現実を見れば、CDに付加価値をつけてひとりに何枚も売るというようなやり方が、ひとつの完成を見つつあるのだから。
 しかしツールの発達は、音楽を広めたい人間にとっての選択肢を増やしていることは間違いない。これを現実社会の仕組みに落とし込むまでの活動を誰がやっていくのかを、これからは考えていく必要がありそうだ。

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2010/11/21 18:05

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2010/11/20 13:06

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2011/02/07 23:30

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2011/06/13 23:56

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2011/04/25 09:27

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2011/02/05 22:58

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2012/06/19 22:20

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2010/11/22 00:16

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2010/11/30 23:24

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2010/12/08 22:09

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