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投稿者:ぽにょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
情報が世の中の流れを作ることもあるし、世の中の流れが情報に価値を持たせることもある。何よりも、今は収束型の情報が増えている分、これからはどうやって上手に情報と付き合っていくかが大切になってくるということか。
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マーケティング/人材育成プランナー・山本直人氏による一冊。やや刺激的なタイトルが付いているが、業界の黒幕の正体を暴くといった類の本ではない。「発散志向広告」と「収束志向広告」を導いてきた二社の成り立ちを振り返り、これからの消費を模索するという、志の高いテーマである。
◆本書で紹介されている、電通とリクルートの対比
・発散と収束
・意味の書き換えと検索性
・変換スキルと編集スキル
・買う人の納得と稼ぐ人の納得
・マスメディアの元栓と事業主への毛細血管
◆本書で紹介されている、二社の共通点
・情報の流れの元栓をしっかり押さえてきたこと
・ネットによって企業ポジションに揺らぎが見えること
・人々が情報を得るコストを大きく下げてきたこと
・「いかに働き、いかに消費するか」ということを考えつづけてたこと
前作「マーケタ―を笑うな」同様、目先の変化に泳がされない、足腰のしっかりした論旨である。今の変化だけを追っていては、見えてこない本質というのがある。様々な領域において、時代の流れは移り変わっていく。マスメディアからソーシャルメディアへ、紙の本から電子書籍へ、物資的な豊かさから精神的な豊かさへ。その中で、移り変わる以前の状態を、嫌悪するでもなく、礼賛するでもなく、謙虚に学びを得ることこそ、今、求められている姿勢ではないだろうか。
情報の受け手が主役の時代。これまでに、送り手側が行ってきた”意味の書き換え”や”編集”は、受け手に委ねられた。電通やリクルートのこれまでの営みに個人が学べることは、さぞや沢山あることだろう。
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現代日本において電通とリクルートの二社は、多くの陰謀論に象徴されるように、りゅーこぅやこぉーこくりょーなる悪魔を召喚すべく日夜奮闘している黒魔術師のようなイメージすらある。では、かれらは一体どのような存在なのか。元博報堂社員、つまりは「業界の人」である著者が、その歴史から戦後マーケティング戦略の変遷まで幅広く扱う。基本は教科書通り、理屈通りで目新しいような内容はないが、実際に現場で修羅場をくぐってきた人の言葉だけにそれなりの重さは感じる。
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電通とリクルートという2社の比較の話かと思ったが、もちろんそういう部分もあるが、この30年の広告、マーケティングの変化についての筆者なりの解説。この30年というものは、私もナマに体験していることでもあり、「分集」など、古い言葉もありなつかしい。
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戦後の日本の情報産業を代表する二社について掘り下げた考察。それぞれの成り立ちから来る比喩、元栓を握った電通と、毛細血管を押さえたリクルートとの喩えが非常にうまい。二社の比較から始まって現在の広告が抱える問題点をえぐり、混沌の中に新しいコミュニケーションのあり方を考えている様子が窺える。興味深い内容。
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2社の広告展開と情報と人々の関わりを、1950年からの30年(発散と全体化)と、1980年からの30年(収束と個別化)と、大きく二つの社会的潮流を絡めながら解説。
人々が何を目的に情報を求めていたのか。
その情報に対して自己をどのように投影してきたのか。
これから人々はどのように情報と付き合っていくのかを考えさせられる。
【キーワード】
・発散志向広告と収束志向広告
・意味の書き換えと規格の統一
・元栓と毛細管
・「physical reality」「pseudo reality」「virtual reality」
・事前情報と現実との答え合わせ
・情報は未来を約束しない
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広告の役割は「人々の辞書の書き換え」
電通=マス志向=発散型
リクルート=個志向=収束型
モノを買う理由
1 新規性
2 合理性
3 ストーリー性(ふさわしさ)
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[20100109読了]電通を「発散志向広告」、リクルートを「収束志向広告」として対比しながら、戦後から現在に至るまでの消費者心理を解いている。
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電通とリクルートが歩んできた道やそれを取り巻く日本経済の状況や日本人の趣向の変化などが分かりやすく書いてある。
電通は「発散志向広告」であり、リクルートは「収束志向広告」であったが、現在はそれらを合わせていく必要がある。これは広告業界全体に言えることである。
一方、情報を受ける側の人間は、情報への期待値を自ら考えなおさなければならない。なぜなら「隠れ家」のように、本来教えられない店情報が平然と出回っているからである。また、インターネットに探したい情報がすべてあると思い込むのはよくない。情報に踊らされずに、自ら自分自身のストーリーを書くことに価値がある。
また、p.97からの幸福の方程式への作者の考えにはなるほどなぁと思わされた。
流して読んだからじっくりまた読んでみたいと思う。
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広告の話。
主に広告と消費者の関係から社会の変化と広告の影響を著している。(広告の手法ではなく)
p.133
かつては大衆は自ら判断できる幅が狭かった。しかし、判断する力は一朝一夕に身につくものではない。
団体旅行の一群が旗を持ったツアーガイドの後をついて歩いている。そして、ある場所でガイドが言う。
「ここからは、皆さんご自由にどうぞ」
この時を待っていたとばかりに、歩き始める人はごく少数である。多くの人は、周りと相談したり、ガイドにおすすめを尋ねたりしている。誰かがどこかに歩き始めるのを待つ人もいる。
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2011年40冊目。
「企業の情報を加工して届ける」という共通点を有する電通とリクルート。
両者のビジネスの違いや、その中でも補完し合っている部分を紐解きながら、
歴史の中で動いてきた人々の広告に対する意識を辿っていく。
電通のビジネスを「農耕的」「発散志向広告」「収益の高い元栓をおさえる」と表す一方で、
リクルートのビジネスを「狩猟的」「収束志向広告」「毛細管を張り巡らす」と表すなど、
ワーディングも非常に興味深く、記憶に残るものとなっている。
広告業界に興味ある人はぜひ読んでみて欲しいです。
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電通とリクルートを題材に日本人の価値観を論じた本。
電通を発散型、リクルートを収束型と定義づけ、それぞれの盛衰とともに、働き、稼ぎ、消費してきた日本人の変異を描いている。23歳の自分にとっては戦後からバブル期までとは何だが昔の話の気もするが、面白い観点ではある。書いているのが、博報堂出身者で目線が見上げ気味なのも面白い。
「情報通信業界」で働く上では見逃せない点であるし、広告の教科書として勉強になった。とりあえず、著者が日本大好きなのも評価。
たしか新宿紀伊国屋で購入。したはずだ。
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題名にこの2社の名前が並んでいたことに違和感があったから読んでみた。どちらも名の通った超優良企業だけど、例えばトヨタとホンダ、最近ではyahooとgoogleみたいに、一緒に語られることはあまり無かった気がする。なぜだろうと考えてみると、それは世代による認識の違いではなかろうかと思う。
リクルートを知ったのは大学生の頃で、未上場だけれど十分な知名度があった。元気な新興企業だなんて勝手に思っていたけれど、実は歴史があると知った。にもかかわらずあのアグレッシブさなのかと驚いた記憶がある。
その頃のリクルートはリクナビのシェアも独占的ですでに今の地位を築いていたから、なんとなくリクルート=情報と思っていた感じがする。一方で電通=広告と漠然と考えていた。
この認識があったから、2社を一括にすることがなかったんだと思う。
著者は本の中で
電通=農耕的=発散志向広告
リクルート=狩猟的=収束志向広告
というわかりやすい整理をしてくれている。耐久消費財のようにいくらでも売れるし買えるといった商品ではなく、家や結婚、就職など1つをチョイスする。そのための情報を扱っているのがリクルートで、そんな情報を掲載することを収束志向広告と表現している。これまでリクルートが手を出してきたのは、というかゼロから作り上げてきたのは電通が捉え切れていなかった草の根的な部分だった。それは強力なマンパワーをもつリクルートだから出来たことでもあった。「家が欲しい」と思わせる広告と、「この家にしよう」と思わせる広告。2社は互いに補完しあう形で人々の欲望を引っ張ってきた。そして、この2社の成長の推移から、人々の欲望の変化がわかると言う。
最後に今後の展望として、広告は「辞書の書き換え」とう機能に特化して、より広告的になることによって続くだろうとしている。この展望には、広告の売り上げは今後減少していゆくということが暗に含まれている。広告=パルコ的なものしかないと思っていたから、広告と欲望について整理できてよかったと思う。
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淡々とした内容ながら、さらっと読めた。
マス広告⇒小衆•分衆⇒情報誌⇒Web•ターゲッティング という世の中と広告の移り変わりが、理解できた。
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広告という、人にモノを売るための動きについて、電通とリクルートという全く異なるアプローチで考えて行く。
しかし、メインは広告業ではなく、それを受け取る消費者の考え方がどの様に変わってきたか、それに応じて広告業はどう形を変えてきたのか。
広告業に興味があれば、読んで損はない一冊。わかりやすい論調で書かれているので、1時間ちょっとで読めてしまいますが、たくさんのことを考えさせられる一冊です。