あと味はさわやか!甘いだけじゃありません。
2010/12/15 00:24
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーには、
書かれた当時のことを多少思い合わさずには
いられない展開も見られるが、逆に新鮮。
それでも現代に通じるものは多く、
場合によっては時代を先取りしているものを
発見できる。
ルームメイトである三人のヒロイン。
PR誌などを発行するちいさな出版社の編集者、彩子。
セミプロの歌手で喫茶店などで歌う、町子。
しっかり者で貯蓄が趣味のOL、美紀。
彼女たちの、仕事や恋に一生懸命な様子。
彼女たちを取り巻く、男たちのいい加減さ、誠実さ。
彼女たちが住む、大阪という街。
彩子は正義感がつよく、ちょっとおせっかいで情にもろい。
町子はいちばん年下らしく甘え上手の世渡り下手。
美紀は酸いも甘いも噛み分けた余裕を身に着けている。
町子は二十歳で、年相応に描かれているが
二十三歳の彩子にしろ、二十九歳の美紀にしろ、
とても大人だなと感心させられる。
親元を出て自活しているわけだから
当たり前なのかもしれないが。
彼女たちの職業意識だとか、人に対する気遣いだとか。
かなりしっかりしているのだが、
どういうわけだか、いい加減な男たちに振り回されてしまう。
「夜のラーメン」という章では、
三人の暮らすアパートに、町子の恋人の妻が乗り込んでくる。
たまたま部屋にいた彩子が妻の一部始終を聞く羽目になる。
妻は夫と町子のいる場所へ乗り込んで行き、彩子は追いかける。
ここで繰り広げられる修羅場の凄まじさ。
そして結局、妻をアパートに連れて帰る彩子にもおどろくが、
ふたりで帰りつくと、事情を知っている美紀が布団を三組敷いており、
深夜にラーメンをつくってふるまうというシーンがある。
しみじみと三人の女が啜るラーメン。
なんだかほのぼのとしていて奇妙なおかしみがあり、
美紀の調理する様子や【どんぶり三つ】という言葉、
麺を啜る音などに変なリアリティが感じられ、
思わずラーメンが食べたくなってしまうという不思議な場面だ。
そしてこの章では、状況を変えてまたもや美紀が
ラーメンを誰かにつくってあげることになる。
三人のすべてがハッピーエンドというわけではないけれど
読み終えたあとに、気持ちいい心地が残る。
そもそも三人のあれこれをずっと読んでいたら、
形式だけのハッピーエンドは、
この物語にはいらないのだ、と思えてくる。
唯川恵の「肩ごしの恋人」や角田光代の「対岸の彼女」など
が好きな人にお勧めしたい。
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1975年に出版されている本。35年も前のこととは思えないくらい、女性が考えていることには共通点がたくさんある。変わらないものの方が多いのか、変化はゆっくり進むだけか。。共感できるところがたくさん。年とるにつれ、こういふうに思うようにもなるんだろう、という点も見つけしゃんと・・未来のことを考えねば・・と反省。。
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共同生活(今で言うルームシェア)を送っている彩子、美紀、町子の3人の女のお話。35年前の彩子23歳、美紀29歳、町子20歳という設定なので、現在なら+5歳くらいで考えるとしっくりくるかも。
等身大の女性の物語。恋に悩んだり仕事に追われたり、男を振り回したり振り回されたり。
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大人の女って、いいなぁ。。。なんて思いました。私も素敵な大人の女性になって、仕事も恋も思う存分楽しみたいですね。関西弁のリズムや温かみも心地よかったです♪
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初田辺聖子さんでした。
読みやすくて面白く読めました。
最初は、妙に句読点多いな~って思ったけど、読み進めるうちにそんなの全然気にしてませんでした。
むしろ読みやすい文章に、あの関西弁が軽快ですらすら読めました。
内容もただの小説じゃ終わらない。人生の先輩から色々教わった気分になりました。
読むと、自分が女で良かったと思えます。
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大阪で共同生活を送る20代の女性3人が仕事や男に悩んだり、ときめいたりする姿に共感。時代は昭和にもかかわらず、ほぼ違和感なくすんなりと世界に入っていくことができた。
性格も仕事の仕方も三人三様だけれど、女だったら心情を理解できる場面が多かった。そして、共通して言えることは、仕事も男も、どんなに人に頼ろうとも結局は自分で道を開いていくしかないということ。
最後まで読むと、一人の女として、人間として自分の足でしっかりと歩むことは何より大切だと感じた。
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35年も前に書かれたとは思えない‼いまの女たちと、変わらないんだなぁとつくづく。宮木あや子さんの小説とだぶりましたー!
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古い文庫が新装なって出たというのは知っていて、こないだ図書館でふとあったので借りてみた。「ワリカン独立」の同居生活を送る女3人が描かれる。6帖と3帖、台所、よく故障する水洗便所がある、アパートの一室が3人の城。
▼家はそれぞれ、大阪近郊にあるのだが、居辛い、というより独立したほうがお互いに気やすい状態なので女同士で部屋をもつことを考えついたのだった。
いまの若い女のサラリーでは、一人で暮らせるほど余裕はないし、部屋もひどい場所しか当らない。しかし、二、三人で組むと、ちょっとした部屋にありつけるし、生活も何かと便利になる。「ワリカン独立」とでも、いうべきであろうか。(pp.44-45)
雑誌編集の仕事をする彩子は23。20になったばかり、歌手志望の町子は惚れっぽい。小金を貯めてる美紀は29の会社員。それぞれに、仕事のうえでの苦労はそれなり、職場の人間関係でのいらいらもやもやがあり、あるいは惚れたはれたはらんだの当事者になり、日々は、淡々とはいかない。ときには憔悴しても、それでも機嫌よく暮らしていく女3人に、また笑う日もやってくる。
アパートの間取りや、電話を一本かけさせてと公衆電話の前でクルマをとめるとか、そういうところは"時代"を感じるが、ココロの機微のようなものは、今読んでも古くささはなくて、3人の言動にちょっとはらはらして、わかるな~と思ったりしながら読める。
私がうまれるより前に書かれた小説の、この主人公たちがリアルタイムで生きていたとしたら、町子は団塊の世代、彩子は戦争が終わる少し前の生まれで、美紀は国民学校に入る頃に戦争が終わっている。美紀は、ちょうど母と同じくらいの歳で、そう思うと、母たちの世代やそれより少し若い女たち、とりわけ学校を出て勤めに出ていた「若いころ」をもつ女たちは、こんな風でもあったのかもしれない、と思った。「ワリカン独立」はめったになかっただろうけれど。
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昔ながらの大阪弁が懐かしい。。。
ちょと情けない男の人と、しっかり?してる女の人の組み合わせていうのは、この時代からも定番なのか?と思ったりもした。
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これが30年以上前に書かれた本だなんて。しょうもない男とそれに惚れてしまう女はいつの時代にもたくさんいるのね。
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昭和40年代に書かれたとは思えない!会話のテンポの良さ、多彩な登場人物、おいしい食事、ところどころにちりばめられた深い洞察...恋愛小説だけど、それだけじゃない、わたしも明日からがんばろうと思える「おいしい言葉」がいっぱい詰まってました。おもしろかったー!
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最近はまっている田辺聖子。装丁がどれも可愛く再発行している。
3人の働く女性が「ワリカン同棲」している。
いまでいうシェアハウス!
OL(もそろそろいわないけど)のことを
BG(ビジネスガール)としていることも時代を感じて面白い。
考え方の根底や若い女性の気持ちでいえば現代とそう
変わらないのだと思うけれど、言葉がきれいというか
大阪弁なんだけど女性らしく語尾が可愛かったりするのが
最近なんか読んでいて気持ちいい理由なんだろうなぁ。
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今も昔も男と女は変わらんのだね、と妙に納得して、すっきりとした読後感でした。
ほんと30年前に書かれたとはねぇ。当時としては、刺激的な内容だったんじゃないかと思う。たまに読みたくなるかも。
男の人、たくさん出てくるけど、楠センセに一票!
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今年28冊目。
田辺聖子さんの小説を初めて読んでみました。
この小説は、
1975年頃のお話。
今で言うルームシェアをしている、
19歳,23歳,29歳の3人の働く女性が主人公。
それぞれの恋愛や仕事、
女性から見た男性感が
テンポ良く素直に描かれている。
こういう切り口のお話は今でも、
ドラマや小説でもよくありますが…。
半世紀とはいかないけれど、、、
40数年経っているのだから、
時代背景や、
女性全体の平均的な考え方は変わってきている。
けれど、
どの時代も、
恋愛や、それ以外の人間関係の中での
自立の仕方や、弱さや、ずるさ、
理想と現実のギャップ…
そういう葛藤は変わらないなぁと
感じました。
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「女はそれぞれ爆弾を抱えている。」
中でも紅谷に捨てられた妻がひときわ心に残った。無償の愛、ということは簡単だけど、尽くしていることが自分の幸せだと勘違いしているうちは、それはほんまもんじゃないんじゃないかなぁと。自分を愛し、好きなことして、自分を構ってあげられてこそ、コップは溢れて愛せるんかなぁと思った。
この本読んで、田辺聖子の本が好きな理由がなんとなく分かった気がする。それは、登場人物の女の子に心があるからだ。人に感情がある小説は数あれど、なにかあたたかく座っている心を感じるからだ。そしてみんな腹の底では透明な流れをそれぞれ持っている。