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投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ナイロン・ザイルが切れた。」氷壁の中で一番印象に残っている。
冬の奥穂高。魚津とともに氷壁に挑んだ小坂はザイルが切れて死んだ。
山に登る前、小坂は人妻・八代美那子に振られている。それが原因の自殺ではないか。
また、ザイルの取り扱いが悪かったせいではないか。自分が助かりたいがために魚津がザイルを切ったのではないか。
最後は、魚津は山で死ぬ。美那子への想いを振り切って、小坂の妹・かおるのもとへ向かうため無理をして。
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一日が終わって床に着く前の読書は自分に戻れる瞬間。いったん熟睡したにも関らず続きが気になり夢にまで出てきて再び深夜に読書再開した程の内容。時代が変わっても機材が進化しても山の危険は同じですよね。
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友人同士の2人の登山家が大晦日に穂高の氷壁に挑むが、ザイルが切れて一人が転落死してしまう。彼は不倫関係にある人妻との関係に終止符を打つために自殺したのか、それとも本当にザイルが切れたのか。自殺をするはずがないと信じる主人公は、ザイルの強度実験も行うが結局真相は不明。やがて無くなった友人の妹と結婚することを決意した主人公は穂高で待ち合わせの約束をし、危険なルートを制覇することに挑むが、無茶な行動でその命を落とす。
上高地から梓川沿いに登る穂高へのルートの描写が懐かしく、よみがえって来た。
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神々の山嶺に続き山岳モノを勢いで借りて読んでしまいました。再読とは言えかなり前に読んでいたので、もうほとんど忘れていました。NHKでドラマ化されてましたねそういえば。そうか、そういうラストだったか。本当に忘れていました。時代設定としてはかなり好みの昭和30年代だし、山岳モノだし、その上恋愛小説なのかどうかは私にはわかりませんが、山に生きた若者たちの姿ってことでしょうかねえ。孤高の人、氷壁、神々の山嶺、これ以外にオススメの山岳小説ってありますか。
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仲間を信じる心を最後まで持ち続けた男(魚津)の話。「友は決して山で自殺などしない。」彼の情熱が周囲の人間を動かし、結果科学的な裏付けを得る。
しかしその裏付けに対して世間の関心が向けられることはなく、当事者らにとって不本意なままに事件は終幕を迎え、間もなく魚津は単独行にて命を落とすこととなる。ネオンに犯され赤く爛れてしまった空の下に生きる人間は、失意による自殺山行との見方を示す。
それでも魚津の人間性は、残された人に受け継がれ、その不名誉な濡れ衣を涙ながらに晴らすのだった。
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山描写より心理描写。時代のせいなのか、イマイチ理解出来ない心情多し。でもすごく近い感覚もチラホラ散見。
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冬山の絶壁登攀に挑む孤高の男たちの話・・・と思いきや、なんというか人間関係のしがらみの中で、どれだけ相手の思いを信じられるかを右往左往する人間ドラマでした。が、世間の俗さと登山の孤高さの対比に失敗して、最後は俗さが先行した感があり、主題がよく見えなかった。
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登山家の話。
女性問題を抱える親友を山で失ってしまう主人公がその原因と思われるナイロンザイルの検証と親友への義と女性への想いも交わり、悩みつつも山へ向かっていく。
職場の支店長の視点で登山とは何かを問いている。
描かれているものは何か?
山という絶対的なモノへの畏怖、憧れ、尊厳とそれに対照的な市井の人間味であろう。
ただ小説のなかに登山家のなぜそこへ向かうかの精神世界か描かれているとは感じない、また、ザイルをめぐる展開が話し全体のバランスからは多すぎると感じました。
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おもしろい。すぐに引き込まれて、すいすい読めた。本を読んで寝不足になるのも久しぶり。もっと井上作品を読みたくなった。
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山岳小説としてとても面白かった。穂高岳の地図を片手に読んでしまった。是非訪れてみたい。
ストーリーは冬山登攀と、その冬山登攀で起こった事件、その山男たちのを取り巻く人間模様。
グイグイと引き込まれていったが、登場人物の心理などとても昭和感じがした。昭和30年代?が舞台なんだから当たり前だが、少し理解できない部分もありそのような時代だったんだなと感じた。
山への憧れ畏怖は今も昔も変わらないもののように心に響いた。
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ミステリーなんだけど、人間ドラマ。
ナイロンザイルが切れたのは事件なのか自殺なのか…
山に関して無知なので、冬山登山に関する描写は「へぇ〜」と思う事が多く面白かった。
時代背景は古い。
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ナイロンザイル事件、松濤明の遭難など複数のモチーフがある小説。ナイロンザイル事件のことは知らなかったが、20年近くも危険性が黙殺され続けた上に今のPL法成立につながったこと、小説からそれほど間を開けず公開された映画のメガホンを取ったのが故・新藤兼人監督だったということに感じるものがあった。
山の話は最初と最後だけなので山岳小説という趣ではないし、松濤明という登山家の人生に触れるには「風雪のビヴァーク」のほうがいいけど、主人公とその上司「常盤大作」との関係性が魅力的で惹きつけられた。この時代の「カイシャ」全般がそうだったのか、小説のための脚色なのか。時代が違う、と言ってしまえばそれまでなのかもしれないけど、羨ましくもある。
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樋口明雄を皮切りに山岳小説に興味を持ち始めて、一度読んでみたいと思っていた本。山岳小説の傑作らしく、数年前はNHKでドラマ化されたのを見た。これは新装版で、初出は1957年。読めば一目瞭然。文体が古く、昭和臭の香り。といっても若干固いと思うだけで読む分には師匠はない。むしろこれも一つの味に見える。
結果的にはうーんというような小説だった。期待が大きすぎたか、全体的に冗長に感じた。また年代からして仕方ないかもしれないが、登場人物の価値観が理解しにくかった。主要人物の行動、思考が皆芝居がかったような印象を受ける。それでも何だかんだ言って最後まで読んでしまった。その意味では悪い作品ではない。でも結局ザイルは何で切れたんだろうか。置き去りなのが気になる。でも常盤大作は好き。
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期待した分、あっけなく、まあまあという感想。
結局、小坂の死は自殺なのか?事故なのか?
故意に切った後がないのだから、自殺ではないのだろう。
話の展開からして、魚津があっけなく死んでしまったのには驚いた。
もう一捻りを期待していたので、おいおい、死んじゃうのかよ?!という感じ。
時代が時代だし、私は登山家でないし、山に連れてくなら美那子!って言われたところで、魚津がどんだけ美那子を好きだったのか?伝わらなかった。(笑)
金持の後妻の若妻(和服)が、みんなの憧れの的で、主人公と惹かれあっちゃって。。。脇役の小坂兄妹がまとめて撃沈で。。。って最初の何ページかで内容予測できちゃう作品。
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昔読んだことがあるけど記憶に無いのと、山登りを始めた今だからこそ、と思い再読。
冒頭から山をやる人にとって、お!と思う描写。奥穂高、涸沢、徳沢と、馴染みの知名オンパレードで、山から帰ってきたばかりだったのに、胸がワクワクします。
ナイロンザイル事件が思いのほか早く起こって、そこからは、ドラマが展開するのだけど、山をやってる人には物足りないかも。
そう、もっと山のこと書いて欲しいと思ったのです。