搦め手から売り込む就活マニュアル本
2010/03/28 10:51
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あまでうす - この投稿者のレビュー一覧を見る
企業の公共性&社会正義感の欠如と悪徳人材派遣会社の終わりなき強欲陰謀が主因となって、そこに大学と学生の思惑が入り乱れ、史上最悪最凶の末期的症状を呈している現在の就職戦線ですが、この本はそのいっぽうの当事者である企業の人事担当責任者へのインタビューを敢行し、彼らが行っている求人活動の内幕を聞き出しています。やれやれご苦労なこった。
そして著者はこれらの企業が求めている理想の人材の基軸とは、1)グローバル2)多様性3)ストレスに対する耐性4)ビジネス感性5)自分と向き合う能力であると総括し、「これらの要件に着目しながら就活しなさい」、ともっともらしくアドバイスしているようですが、多くのあほばか学生は、「そんなごたくを並べたって、じゃあおらっちはいますぐにどうしたらいいんだ」と喚くのが関の山でしょう。
で、この本のタイトルである「就活って何だ?」という大仰な自問については、最後の最後にあっさり自答されていて「就職とは本来自分の一生を左右する一大事だ。そこでつきつけられるのは自分の人生をどう考えるかという真摯な問いだ。細かなテクニックや瑣末な情報に溺れていては、その一番重要な部分を深く考察しないまま就職活動に臨んでしまう危険性がある」と格調高い警句?を吐いて一巻の終わりなのですが、そんな当たり前田のクラッカーが、もしかしてなにか「答えのようなもの」になってでもいるのでしょうか!?
思うに、これこそは羊頭狗肉の類です。本来ならば、著者はこの結語からああ堂々の「著者独自のシュウカツ哲学ないし人世論」を一点突破全面展開すべきなのに、その本体内容なぞ影も形もなく、あるのは人事担当者の華麗な独白ととっておきの苦労話ばかり。
しかも登場するのは電通、フジテレビ、バンダイ、資生堂、サントリー、全日空、NTTドコモなどの大企業ばかり。彼らこそは就職協定を顧みず積極的に青田買いに狂奔し、前代未聞の就活地獄を招来している元凶なのに、そういう事実とそれが惹起する悲劇を直視し、それを克服しようとか、少しでも解決しようとする視点などほんのこれっぽっちもないのです。
それにそもそも日本の企業の98%以上は中小企業であり、大企業なぞは超少数派の異端児に過ぎません。こんな企業にはいずれも1万から5万人のエントリーが殺到し、それを4次、5次の面接でふるいにかけて、よりどり好みの最適人材?を採用するだけの話ですから、ここで披露されている「耳寄りな情報」なんて日本全国の学友諸君にとってはまるで縁もゆかりもない唐人の寝言でありましょう。
今回、大企業の人事部がこのインタビューに応じて「就活秘話」を特別に漏らしてくれたのは、別に著者のお手柄などではなく、これ自体が大企業の新手のパブリシティ活動であるということに、著者はどこまで気づいているのでしょうか。「森健って何だ?」と言わずにはおれません。
♪待ち兼ねた春が蝶よ花よとやってくるというのに 茫洋
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大手企業の人事部長が採用について語ったものをまとめてあります。
類似本がたくさんあるので、目新しさは正直あまり…。
マニュアル本との違いが強調されているけれど、結局こういう形で出版されてしまうと、これもマニュアル本の類に入ってしまうんだろうなっていうところが寂しい。
私は、採用そのものについて書かれているところより、それぞれの人事部長が最後に述べている「働くとは」という哲学的な部分が印象的でした。そこにこそそれぞれの会社の特徴が表れていたりして。
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著者による大企業数社の人事担当者へのインタビューまとめ。あとがきを除けば著者の言葉は一切ない。新書なのでサクッと読める点も魅力。
これを人事担当の「本音」として受け取るか否かは個々人の判断によるべきだが、就活するにあたって「相手を知る」には良書。あちらがどういう思惑で採用試験を設けているのかがわかれば、それにどう対応すればいいのかもわかるはず。惜しいのは大企業しか掲載されていない点。中小企業の視点も読みたい。
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就活について、15社弱の会社の人事担当が語った内容が載せられている。
友達がおすすめしていたが、一通り読んだ印象はまあ内容が薄い。
就活でよく言われる、「人事のホンネ」というのがウリらしいのだが、まぁそれも他の説明会でも聞ける内容の範疇である。
700円出す内容では無いように思われる。
掲載社数が多いためだろうが、それぞれの人事担当者が表面だけさらった様な話ばかりである。
シュウカツアンチに拍車がかかってしまった。
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(2009/11/4読了)改めて、やーっぱ私はこういう大手の就活なんて無理~(笑)無理と思って新卒当時も実際やらなかったのだが(爆)、今読んでもやっぱり無理!って思う。「しっかりとした当社への理解と仕事への価値観」「面接の場に具体的な提案やレポートを持参」「将来当社で何をしたいのか」えー、そんなの今でも困ってるのに、学生時代には到底無理!
・・・そんな体たらくなので、私は薄給人生なのでした。
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それぞれの企業のカラーがちょいちょい出てるのかなぁ。
結局みんな言ってることは同じかも。
そして人事の人みんな「自分が今受けたら受からない」って言ってる。
就活って大変そぉ…内定もらえる気がしない…
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「マニュアル本漬けの学生の言うことはみんな同じ」と不満を漏らしつつも、殆どの企業や採用サイドの言うことは口を揃えた様に似通っていたり・・就職難と呼ばれる時期、現代の学生の就活はますます厳しくなっているなと読みながら実感。
ほんとうに大切なものはなにかを、学生の良い所を引き出しながら成長させていくあたりはさすが人事担当の腕前。学生サイドの戦略がいかに見透かされているかも分かって、マニュアル本だけでは見えなかったものが垣間見えた。
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「自分を出すこと」
これが共通していることです。
あとは自分を出す中で自分の性格がわかってくる。
その性格と会社の性格を照らし合わせる。
たった10数社でもこれだけカラーが違う。
カラーが違ければ落ちるのも当たり前。
今就活は大体12月~5月までかかるから、息抜きが必要。
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言い方は違えど皆同じようなことを主張していて、それが今の自分が表現しようとしていることとマッチしてる、といいなぁ。
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大企業15社(東海旅客鉄道、全日本空輸、三井物産、資生堂、東京海上日動火災保険、三菱東京UFJ銀行、サントリーホールディングス、明治製菓、武田薬品工業、日立製作所、NTTドコモ、バンダイ、フジテレビ、ベネッセコーポレーション、電通)の採用責任者の話。エントリー数、内定者数、選考工程、求める人材、こんな人が印象に残っている、どんな会社か、なぜ自分が入社したのか、学生へ…といったことが各社書かれている。
奇をてらう必要はないらいしが、記憶に残る採用された人はやはり一味違うなと思いました。やはり企業によって求めているものが少しずつ違う気がしました。どの企業の話も参考になることが書かれていて読んでいておもしろかったです。そして、採用担当者の印象に残っている人は自分をうまくだせていてうらやましいなぁと思いました。
大企業は社会貢献も大切だが、ボランティアではないのだから利益も考えねばならない。志望動機ってやっぱり難しいなと思いました。
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有名企業の面接担当者に、どんな面接・選考をしているのか?と聞いて、企業別に載せている本です。企業がどんな面接をしていて、重要なのはどこを見ているのか、ということが載っているので、就職する方は役に立つかと。企業のカラーがあっておもしろい。そんなところを観ていたのかーと。面接は本音を話すところだったのね、あなたが知りたいことを全てさらけ出すということなのね?という感じです。
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なんとなく人事部の人の採用活動に対する考えが分かってきたかも。というか人事部の仕事って、採用に関して言えば結構面白いのかもしれない。とりあえず大事なのは、素の自分でいくことなのかな。
この本に関して言えば、有名人気企業ばかりのせて、ちょっとずるいと感じた。
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どこの会社の人事部長さんも、何も難しい、特別なことは言っていない。
あたりまえのことをあたりまえにやればいいのだ。
ただ、多くの部長さんが言っていたけれど、「学生はマニュアルをもとめすぎだ。マニュアル化しすぎだ」ということだった。
これは自分も就活をしていて、多くの学生が「情報を。情報を」となりがちなのを感じる。
それじゃあ自分を見失っちゃうよなー。
この本を通して、それぞれの会社がどんなことをしているのか、またここに出てきた部長さんたち、というかそこの会社の一社員がどんな会社員生活を送ってきたのかを垣間見ることができる。
それだけでも、興味深い本だった。
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仕事柄、読んでおくべきと思い手にした一冊。
これだけの名だたる企業の人事責任者が
コメントしている本は珍しい。
就職活動をする学生は読んで損のない本だが、
大学3~4年生が読んでも「今から修正効かないよ」ということも
多いので、1~2年生のうちから読むと良いかもしれない。
仕事の関係上、★の数で評価をするのは控えさせていただきます。
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言っている事はみんな一緒。
マニュアルではない就職活動だ、ということはよく分かるのだけど、ここまで問われる事が一緒=必然的なマニュアル化だと思う。
そこを押さえてこそ問われるコミュニケーション力なのだろう。