サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

  1. hontoトップ
  2. 電子書籍
  3. エッセイ・自伝・ノンフィクション
  4. 早川書房
  5. これからの「正義」の話をしよう ―いまを生き延びるための哲学
  • みんなの評価 5つ星のうち 4 674件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2011/02/21
  • 販売終了日:2011/11/24
  • 出版社: 早川書房
  • ISBN:978-4-15-209131-4

読割 50

読割50とは?

読割50とは?

hontoネットストアおよび、丸善・ジュンク堂・文教堂の提携書店にて対象の紙書籍を購入すると、同一の電子書籍が紙書籍の購入から5年間、50%OFFで購入できるサービスです。
購入時点で電子書籍が未発売でも、紙書籍の購入時期にかかわらず、電子書籍の発売後5年間、50%OFFで購入できます。

または読割50のアイコンがついている商品が対象です。

一部、対象外の出版社・商品があります。商品ページでアイコンの有無をご確認ください。

  • ※ご利用には、honto会員登録が必要です。
  • ※書店店頭でのお買い物の際は、会計時にレジにてhontoカードをご提示ください。
  • ※hontoが提供するサービスで、販売価格の50%OFFを負担しています。

読割50について詳しく見る

一般書

電子書籍

これからの「正義」の話をしよう ―いまを生き延びるための哲学

著者 マイケル・サンデル (著) , 鬼澤忍 (訳)

日本で「正義」ブームを巻き起こしたベストセラー哲学書、電子書籍版が登場!哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の...

もっと見る

これからの「正義」の話をしよう ―いまを生き延びるための哲学

税込 1,676 15pt
販売終了

ほしい本に追加(値下がりすると通知がきます)

ご利用中のデバイスが対応しているかご確認ください

  • iOS
  • Android
  • Win

対応デバイスごとのコンテンツタイプやファイルサイズヘルプ

対応デバイス毎のコンテンツタイプやファイルサイズ

対応デバイス コンテンツタイプ ファイルサイズ
iOS XMDF 904.6KB
Android XMDF 904.6KB
Win XMDF 904.0KB

これからの「正義」の話をしよう いまを生き延びるための哲学

税込 2,530 23pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

商品説明

日本で「正義」ブームを巻き起こしたベストセラー哲学書、電子書籍版が登場!哲学は、机上の空論では断じてない。金融危機、経済格差、テロ、戦後補償といった、現代世界を覆う無数の困難の奥には、つねに「正しい行ないとは何か」をめぐる哲学の問題が潜んでいる。この問題に向き合うことなしには、よい社会をつくり、そこで生きることはできない。アリストテレス、ロック、カント、ベンサム、ミル、ロールズといった古今の哲学者たちは、これらにどう取り組んだのだろう。彼らの考えを吟味することで、見えてくるものがきっとあるはずだ。名門ハーバード大学史上最多の履修者数を記録しつづける、超人気講義「Justice(正義)」をもとにしたベストセラー、待望の邦訳。

著者紹介

マイケル・サンデル (著)

略歴
1953年生まれ。オックスフォード大学にて博士号取得。専門は政治哲学。ハーバード大学教授。コミュニタリアニズムの代表的論者。

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

小分け商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この商品の他ラインナップ

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー674件

みんなの評価4.0

評価内訳

紙の本

正義、平等、自由というものの定義の難しさに耐えていくこと

2010/08/31 19:19

16人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読後感は三点である。
 
 一点目。改めて、「正義」「平等」「自由」というものの定義の難しさを感じた。

 本書で繰り広げられる各種の事例に対して、何が正義で、何が平等で、何が自由なのかを一つに決めることは不可能だ。その「不可能さ」ぶりに、真実があると考えるしかない。つまり「正義」はいくつもあり、そのどれもが、誰かにとっては絶対に正しく、かつ全員にとって正しいわけではない ということだ。ここから学ぶべきは 更に「一つの正義」を追求することではなく、自分にとっての「正義」「平等」「自由」とは、他者にとってはそうではないと理解するという謙虚な姿勢を持つということだと僕は考える。僕らは自分の考える「正義」を誇ったり、強制したりする権利を持っているわけではない。



 二点目。本書がベストセラーになっているということに驚く。

 どう読んでも本書は決して易しい本ではない。いや、かなり難しい本である。その本がかように話題となり売れているという現象をどう考えるのかは興味深い。
 リーマンショックが齎したものは金融危機だけではない。本質的には新自由主義への重大な疑念の発生であり、それの反動としての社会民主主義の再興だ。
これは僕らの日常レベルでの問題である。日本の格差社会問題や貧困問題も、基本的には同じ地平線にある。その状況を踏まえて、多くの人たちがもう一度考え始めているということが、本書のブームの背景だと僕は信じる。



 三点目。本書は、結論を出しているわけではない。まず僕らに反省を促している本だ。その反省に立った上で、僕らが新しい哲学を作っていくしかない。それが、地球という星の、今後百年程度といった比較的短い将来に大きな影響を与えていくはずだ。僕らがそういう知的作業に耐えられるかどうかが試されているのではと最後に考えた。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

あの番組で見られた白熱がそのままこの本の中にある

2010/10/13 21:52

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

 NHKの『ハーバード白熱教室』という番組でご覧になった方も多いだろう。そう、あの先生の、あの授業の本である。もちろん、巻末の「謝辞」で著者も触れているように、本を書くのと講義をするのは同じではない。本にするためにまとめなおした点は多々あるに相違ない。とは言え、あの番組で見られた白熱はそのままこの本の中にあるのである。
 しかし、その前に私が感心したのは、何を措いてもこのサンデル教授の一糸乱れぬ論理性である。徹底的に冷静で、可能な限り網羅的で、一貫性は揺ぎない。書かれている内容の当否を云々する前に、読者が学ぶべきはまずこの論理的思考力なのではないかと思った。
 決して相手の発言を遮るような論の進め方はしない。感情に駆り立てられて結論を急ぐ様子もない。一つひとつ物事の問題点を洗い出し、整合性と論理性を繋ぎ合せ、充分に遠回りした上で暫定の結論を据え、そこから更なる高みに我々を導いてくれるのである。
 そして、TVをご覧になった方なら本を読まなくても解ってくれるだろう、こうやって冷静に議論することが何と愉しいことか!
 我々がまず学ぶべきことは、この論理性と、議論することの楽しさである。日本人はそこから何と遠いところにいるのだろう!
 「正義とは何か」そして「正義とは何であるべきなのか」──サンデル教授はそのことを歴史を追って、論理の道筋に従いながらゆっくりゆっくり明らかにして行く。
 まずは正義とは最大多数の最大幸福を実現するためのものであるという功利主義的な考え方である。しかし、そこには何が「幸福」なのかという非常に難しい問題が放置される。
 それに対抗して、何が幸福なのかはそれぞれの人が決めることであって、正義とはその自由を保証することであるという自由主義的な考え方が出てくる。しかし、それは皆がてんでばらばらに好きなことを追求する無政府状態でもある。
 この2つの考え方の欠陥を正すために、サンデル教授は、正義とは美徳を涵養して共通善というものを成立させることを含むのであると解く。その結論に到るまでの道筋は非常に長いが、読んでいてとてもスリリングであり説得力に富んでいる。
 しかし、多分私が求められていることは、教授の論に容易に納得することではないのだと思う。これを読んで、ここから考え始めることであり、生活の中で不断に考え続けることなのだと思う。350ページの大著はそのためのほんの入口でしかないのである。
 最初のページに出てくる、ハリケーン災害直後の水の便乗値上げの例から、いきなり我々は引き込まれてしまう。読み始めたら止まらない。さあ、これから一緒に考えて行こうではないか。

by yama-a 賢い言葉のWeb

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

現実的な平衡点は果たして存在するか

2010/07/23 19:47

15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 近年の出来事を抽象化して道徳と正義の要素を抜き出し、その問題に対してあるべき政治的対応の姿を、ジェレミー・ベンサム、ジョン・スチュアート・ミル、イマヌエル・カント、ジョン・ロールズ、アリストテレスといった過去の哲学者の主張を引き合いに出しながら考えていく。
 一つの物事に対する様々な側面からの解釈を学べるという意味で教育的だと思うが、著者自身が示すあるべき姿がないため、この日本語タイトルが適しているかは疑問に感じた。

 この本で語られるのは、正義とは何か、という問いに対する人類の思索の歴史だ。

 功利主義において正義とは、最大幸福の実現だという。この場合、自動車のリコールにかかる費用と不具合により発生する事故後の補償を比較して、後者の方が安ければリコールをしない判断を下すのが正しい判断ということになる。このような考え方は、犠牲になる誰かを具体的に考えない場合には正しい気もするが、その犠牲が自分や身内になる場合は許容できないだろう。ここでは個人という視点がごっそりと抜け落ちている。
 この個人の自由を最重要視したのが自由至上主義(リバタリアニズム)だ。ここでの正義は、他人にも同様の権利を認めることを前提として、自由に自分の行動を選択できることだ。だから、大金持ちと貧乏人に分かれるのも自然なこと。そこには両者の選択の違いがあったのだから、ということになる。

 しかし、この自由だけでは何をやっても良いのか、ということになってしまう。それはあまり道徳的という気がしない。そこでカントは、外的要因に左右されず選択できる自律的自由を定義し、自律的自由を持つ人々が仮想的に同意した契約により、道徳的な社会が築かれると説いた。
 そこに平等という概念を加えたのがロールズである。人は生まれながらにして平等ではない。金持ちの家に生まれる者もいれば、足が速い者、頭の良い者がいる。それぞれの才能を利用して個人が自由に選択して得られた結果は、全て本人の功績ではないと説くのだ。だからこそ、自分の才能を利用して富んだ者は、他者に分配する義務があることになる。

 一方、アリストテレスは、社会の目的を達するためになされることが正義だと説く。人間は集団に属して生きるものなのだから、集団を良い方向に進める人が優遇されるべきだという。ここで許される個人は、共同体に属するものとしての個人だ。

 正義や道徳は個人から導かれるのか、共同体から導かれるのか。著者の考えは後者に近い。何故か。
 例えば、日本は過去の戦争について謝罪を要求される。正義や道徳が個人に基づくならば、自分は直接関わっていないのだから過去の戦争について謝罪をする必要がない、という見解が成立してしまう。しかしこれは何かおかしい。ゆえに著者は、個人は共同体に埋め込まれた存在であり、共同体の歴史の影響を受けると考えるのだ。

 では、具体的に政治はどんな正義や道徳に基づいて行わるべきなのか。それについては著者も未だ答えが見つかっていないらしい。ただ、国家の役割について改めて考えさせられた。
 仮に共同体の割合を大きくすれば愛国心の様な価値観を押し付けられることになる。こんな正義がまかり通る国家は息苦しくて生きづらい。一方で、才能や所与の条件、個人の環境や努力による結果を受け入れるだけで、この種の感じにくい不平等が捨て置かれる国家には、共同体の意味がない。
 どこまでを国家が面倒見るべきか、何を目指して政治を行うべきか。そして、外に目を向けた場合に、他国との格差を放置することは正義にもとらないのか。現実的に取り得る平衡点を探求するにしても、果たして存在するのかもよく分からない。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

「正義を考える本」がこんなに注目されるのは不幸かもしれない。

2010/09/12 09:54

11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書がなぜベストセラーになるのかという驚き、そして正義を定義することの難しさを改めて感じたこと。本書への感想は「くにたち蟄居日記さんの書評」にあげられていた三つのポイントに近いものである。

 沢山の具体例を挙げながら説明するので、「どちらが正しいのだろうか」「なぜそう考えるのか」と考察しやすい。たとえば「線路問題(ポイントを切り換えれば1人は犠牲になるが5人を救うことができる時、あなたはポイントを切り換えるか?というもの)」がある。これを考えることは「より多数を救うために少数を犠牲にする論理の是非」である。原爆を落とすという行為にも通じるだろう。具体的な問題を考えつめていくと、結構その人の考える「正義」が明確になっていくというところではないだろうか。
 例の中には元大統領の醜聞など、特にアメリカ国民には一般人でも興味を持つだろうというものもおおい。アメリカの「正義」というと、私などはどうしても他国への軍事介入などの行動をどう考えるのかが興味があるのだが、そういった「正義」については直接的な説明はほとんど出てこない。そのあたりが歯がゆくもあり、仕方ないのかもおもったりしたところである。

 あとがきにもあるとおり、「講義」として、哲学を紹介する手段としてこのような形をとったということであるから、明確な結論はなくても当然なのかもしれない。最終章では第一章でとりあげた正義の定義に関する三つの論点を少しまとめてある。最大多数の幸福も、自由も不十分だとし、「美徳の涵養」を著者は支持する(P335)としてはいるのだが、同時に「正義にはどうしても判断が関わってくる(P336)」ともある。文化や習慣で、「美徳」も全く同じではないだろう。矛盾を孕む「徳」もある。その中で苦しみながら選択をしていかざるを得ないのが複数の人間が共存するための必然の過程なのかもしれない。・・・というのが、本書を読んでの一応の読後に考えた結論である。
 著者の専門に関係する哲学者の紹介が中心のような部分もけっこうあるのも、もともと哲学紹介の講義であるせいだろう。そういう詳しい部分ではなれない法律用語などもあり、ある程度哲学の基本用語がわからないとつらいかもしれない。やはり「大学講義」なのである。
 「正義」という語の翻訳もなかなかきわどいものを含んでいる気がした。What's the Right Thing to Do?という原題にあるRight Thingというところから日本語の「正義」の語感(あくまでも私の個人的な)には少し隙間があるからかもしれない。私的な日本語の「正義」のニュアンスに近いものは最後のほう、アリストテレスの論議のあたりからでてくる。それまでは「正しい」に近い気がする。Rightには「権利」の意味合いもある、と考えないと分かりづらいところもあるだろう。翻訳の難しいところでもある。

 しかしほんとうになぜこんなに本書がベストセラーになるのか。「礼儀が軽んじられているから礼儀がうるさく言われる」と言ったのは孔子だったろうか。今「正義」に関心が高いというのはそういう意味なのだろうか。
 「英雄がいない国が不幸なのではなく、英雄を必要とする国が不幸だ」というブレヒトの戯曲「ガリレイの生涯」をも思い出されてならなかった。「正義を考える本」がこんなに注目されること。それが不幸なのかもしれない。いや、そんなこと議論している閑があるだけ幸福なのか?

 本書には「訳者あとがき」や「解説」はない。余計な注釈なしに読め、という方針なのかもしれないが、Rightの翻訳の仕方や、原著者の立場など、少しは翻訳・出版側からの言葉があってもよかったのではないだろうか。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

これからも「人」として話をしよう。

2010/08/22 23:34

10人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kc1027 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「正義」について語る。
そんなこと、この自分がしていいんだろうか?
かなり小市民な自分にとって、「正義」なんておこがましい。
第一、「正義」について考えたこともないし。
という方は多いはずで、その裏にあるのは、イラク戦争以降の
「正義」の凋落だ。「正義」が振りかざすものになってしまい、
カッコつき注釈つきでしか「正義」は語れなくなってしまっている。
まるで、1世紀半くらい前の「神」のように。

本書は大学の講義が元になっていて、その模様が番組化されて
テレビで白熱授業が流されてからベストセラーとなった。
この日本で「正義」といえば、テレビに出てくるヒーローモノの
「正義の味方」みたいなもので、それもいまやどうなのかよく
分からないが、アメリカではバットマンにしてもスパイダーマンに
しても、すでに結構怪しくて、正義っぽいのはたいがいアンジー
だったりするので、「正義」の凋落とは「男」の凋落と対をなして
いるのかもしれず、そういえば「義」の世界のはずの任侠の世界を
描いた北野武の『アウトレイジ』では何だか男は腐れ切っていた。

リーマン以降の世界で「正義」を語ることはイコール、経済だけでは
生きていけないことに気づいた人間が、経済原則を乗り越えて
より深く人間について語ることで、それは、生から死に至るまでの
人間観の共有がグローバルに必要になってきたことに一因があり、
更に言えば、人間が今後もこの地球の万物の霊長として生きて
いけるのかどうかを自問することとも重なってくる。

昨年のコペンハーゲンのCOP15の決裂以降地球温暖化対策も
停滞しているようで、アリストテレスを生んだギリシャは破綻して
しまい、その間にも日本では脳死法によって臓器提供は進み、
100歳の老人が消えたりして、太陽に焼かれて人が倒れていく中で、
「正義」をめぐる議論にこれからの人間像を生み出せるのだろうか?
それは言い換えれば、わたしたちの魂は、いま自らが有するカラダと、
複雑すぎるほどに絡み合ったカネに伍していけるのかを問うことでも
ある。

本書を読み終えた今も、「正義」という言葉にまとわりつく負の
イメージは払拭できなかった。ではなぜこの本は話題になったのだろう。
私が思うにそれは、己の身一つで小生意気な学生と対峙するサンデル
教授の立ち姿にヒントがある気がする。その後姿は2008年のオバマの
ように見えなくもなく、ライブパフォーマンス中のロッケンローラーに
見えなくもない。わたしたちはきっと、議論やルールより、パルテノンや
コロシアムを求めてしまいがちだ。人には何が出来るのか、その限界を
見せつけてくれる人を、求めてやまないのが人間であるとしたら、
「正義」が死んだ後も、芸としての人間のパフォーマンスの極限を、
人間に出来る最高度の手術のようなオペレーションを、老若男女が
日々の生活の中に見出し、求めるだけでなく、それぞれがちょっとずつ
与えられる何かを模索していけばいいのだと、私は思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

NHKで放送していたのを見ていて

2016/04/11 13:02

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:テック - この投稿者のレビュー一覧を見る

最後まで起きてみていることもあれば寝落ちしてしまう・・・
何回か再放送も含めてそうだったので
本を見て手に取ってしまった。
ただ値段は高いから躊躇する。

この人の授業は多分きっとAだBだというはっきりとした結論をだすものではなく、この講義を聴いている人ひとりひとりに議論させ考えることなのかもしれない。

この人はどちらにも自分の強い主張はなかったからどちら側の意見の持ち主なのかはわからない

哲学に正解の回答があるのだろうか・・・・

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

分かりやすい

2013/09/16 10:02

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もぐらくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

テレビで見てからの方が分かりやすい

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

難しい

2022/08/03 10:59

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫苑 - この投稿者のレビュー一覧を見る

どれをとって正義ととるか…過去の差別により優遇策があることで結果的に差別的待遇を受ける人、嘘は全てだめか1部は許されるか。難しいと思いますし、個人的な考えでも違ってくると思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

これからの「正義」の話をしよう

2016/09/16 23:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:NAOKI - この投稿者のレビュー一覧を見る

政治哲学の一冊。功利主義・自由主義(リバタリアニズム・リベラリズム)・美徳や共通善の判断などを概観する。著者は共同体主義(コミュニタリアニズム)の立場から美徳の涵養と共通善についての判断が大切だと主張する。功利主義について、福利の最大化を唯一の価値基準としている点を、自由主義について、道徳的問題に中立であること、ロールズの正義の原理(手続き)は「負荷なき自我」であり存在しないと批判している。共同体による犠牲の共有・市場の道徳的限界を理解し、道徳の政治の必要性を説く。共同体という正義の考え方を知った。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

現代的論点まで

2019/12/31 14:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ただの人間 - この投稿者のレビュー一覧を見る

かつての話題の書を今更ながら読了。さすがに親密圏や連帯などリバタリアンの先の現代的な問題にも触れられており、もっと早くに読み通しておけばローでの講義もよりよく理解できたのかな、とも思った

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2012/02/09 20:22

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/05/27 14:43

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/07/19 13:49

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/06/06 22:24

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/06/25 21:28

投稿元:ブクログ

レビューを見る

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。