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投稿者:石田カエデ - この投稿者のレビュー一覧を見る
不会忘記ニ*(お前を忘れない)。
人として、いきなり相手の口から故郷の言葉で、そういう一言を聞いたら、泣くことほか何もできないだろう。たぶん、中国人の私であるからこそ、このシーンはそんなに深い印象を残っているかもしれません。
忘れない。楽しい過去も、厳しい過去も、愛も、罪も、何もかも、忘れない。すべてのものはすでに血に溶けて、遺伝因子まで刻んでいます。
あいつが生きるだけで、たとえ自分は別人になっても、風のように消えても、ずっと「生きた証」を残っています。
二人に対して、そういう運命の相手の存在は本当に重要であろう。
*そのまま中国語を使ったら文字化けは出てしまいますので、ここで「お前」という意味の単語の発音を使っています。
エス関連シリーズその2
2012/09/03 14:26
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投稿者:はにーとーすと - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作「デコイ 囮鳥」の続きです。
このお話は那岐と加賀谷、那岐と火野の関係性が主軸でした。
安見はもう火野に堕ちてしまっているので・・・
二組のカップルの同時進行のお話なのでやっぱりどちらかに比重がかかってしまいますね。
那岐と加賀谷は強い絆で結ばれたのでほっとしました。
が、火野と安見はちょっと中途半端な印象かなぁ。
この二人に関してはその後がとても、とても気になる終わり方でした。
あとは那岐と火野の過去からのしがらみ。
進む道は別れてしまったけれど心の奥深くはとても深く、どうやっても切れない絆。
二人はまた出会うことがあるのでしょうか?
ラスト近く、あの二人の会話中「出来のいいデコイも出来の悪いデコイも・・」
という件はちょっとだけ救いがあったような気がしました。
次、もう一作あります。
「最果ての空」もお読みください。
下巻 又は2、後編
2016/07/21 22:36
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投稿者:ふじのき - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻のカップルより、下巻のカップルの方がよかった。
でも火野と那岐との、深い絆がありながら、相いれなくて
決別するしかなかった二人の方がこの話のメインだと思う。
伏線も回収し、最後に以外な人物の正体有と、読み応えのある下巻でした。
安見がミイラ取りになって、取り残された人が一番哀れかも。
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今までに英田様作品ではエスとデッドロックを読んだ私ですが、今回のお話はなんだか雰囲気が違うなと感じました。
これまでに読んだ2作は、カプのどちらもが互いを常に見てるっていう印象が強いのですが、那岐くんはあんまりそんな雰囲気では無かったですし;
あと、小説内で2つのカプを書き切るというのも、私のなかで斬新でしたね。
でも、こういったちょっと変わったのを素晴らしく書き上げられる英田様は本当に尊敬ものなんですけれども。
・火野と安見カプについて。
記憶無くして頼るものがなく、火野にゾッコンな安見が凄く可愛くてたまりませんね。
こんなに甘いのか!と思わずウハウハしてしまいました。
でも火野は結局、安見の親の敵である…っていう事実を知って、葛藤していく安見の気持ちは切ないですね。
最終的にちょっと変わった結ばれ方をしてしまった2人ですが、こういう愛の形もありなんじゃないかなーと思っております。
火野カッコいいですよね。安見ゾッコンで。こういう何処か冷めてる人に一心に愛されるって、こんなに甘いんだ!と思いました。
・加賀谷と那岐カプについて。
那岐が最初ノンケなので、本当にこれ結ばれるのか…?加賀谷報われるのか?と心配してしまいました。笑
那岐くんは最高の誘い受でした!色っぽい、可愛い!今回のお話の中で、一番好きっ子です。
加賀谷の扱いが上手いし…こういう主導権を完璧に握るカッコイイ受はいい。
本当に那岐くんが幸せそうでよかったです。
あ、今回も攻2人が受にゾッコンなスタイルは変わってないですね。
お話的には、安見の記憶が戻っていかないとなかなか理解し辛いものがあるので、
どんどん展開を知ろうと先へ先へとページを捲る手がとまりません。
お話も今回も非常に凝っていて、素晴らしかったです。
やはりエスを読んでから、デコイに進まれるのをお勧めします。
じゃないと、宗近や刑事(笑)や佐藤さん(仮)の正体が分からないので。
あの3人を知っていることで、より面白みが増すと思います。
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いやー、めちゃくちゃ面白かった。
シリーズ前作(兄弟編?)の「エス」とは違って、登場人物たちは人を殺すことに迷いがない。
(「エス」は再生の物語だから、人を殺さないポリシーが正に働いててよかった。)
ドライ、でも人間くさい。矛盾してるけど、この矛盾をナットクさせてしまうのが英田サキ。感服です。
今作は「エス」読んだ人間なら絶対読むべき。
「エス」エンディングから2年後くらいの物語ですが、宗近や椎葉がちょろっと出てきたり。
お義兄様に惚れ直した。
メインカプは2組。
囮鳥表紙の火野x安見と、迷鳥表紙の加賀谷x那岐。
前者はヤンデレ系、後者はもうすこしノーマルな愛の育て方をしてます。
この二組のカプの動きが、物語の動きでもあります。
しかし火野と那岐には過去に因縁(としか言いようのない関係)があり、この「過去」こそが要です。
「エス」シリーズとも共通して言えることは、屈折した過去・愛しかたの男たち。
よくBLだと、「愛してる」「俺はお前だけのものだ」みたいな台詞を白々言っちゃうけど、
このシリーズはそういう、恋愛的な非現実要素がない。
私は特に、そういう歯の浮く台詞を読んじゃうと白けるんですが、
英田サキは甘い台詞のあとにちょっとふざけた台詞を言わせてみたり、内心では相手を騙してたり、愛の台詞の裏側をしっかり描いてるので安心して読めます。
それに、登場人物の行動理念(善し悪しは別にして)もしっかり描かれていて、
一見不可解な行動にもきちんと裏づけがある。
だから表面的には矛盾があるようでも、そこを説明してもらうと納得できる。
物語の完成度、特に感情の描写はBLという枠を超えて高く評価されるべき。
桐野夏生よりは物語全体がいい意味でライトなので読みやすいし。
延々恋愛について語ってみたけれど、この話はサスペンス要素十二分。
ひとつの事件を多角的に捉えていて、
ある人の見解ではただの私怨による殺人でも、ある人の見解では別の人間が仕組んだ計画的な殺人示唆だったり、
宮部みゆき・東野圭吾にも並ぶのでは。
というか物語を追う興奮が「白夜行」「幻夜」のようでした。
しかも奈良千春さんのイラストつきなら文句ないでしょう。囮鳥と併せて2000円近い金を支払ったことに後悔はしていない。
柴田よしき思い出したなー
もう一回「聖なる黒夜」読みたい
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DECOY下集
配对:杀手(户籍年龄32岁)X 失忆卧底刑警(28岁)
?道干部(34岁)X ?道干部(户籍年龄32岁)
星:4.8
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★4
読了日:June/09 出版日:August/08
【outline】デコイシリーズ完結!!
「俺はお前を信じてる。
お前は俺を裏切ったりしねぇよな?」
関東侠和会の那岐には誰にも言っていない過去があった。
それがある高仁会元会長の殺人犯を探す最中、
過去の亡霊ともいえる男と再び顔を合わせることに・・・
一方、記憶を失っていた安見は、自分の上司と名乗る男と会い、
思いがけない事実に戸惑っていた。
自分には火野が必要だ。火野がいなくてはならない。
しかし、その関係は偽りのものだった!?
裏切りと真実。希望と絶望。
縺れ合う憎悪と愛情。そして絆。
男たちの想いの行方は・・・!!
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前半は安見がぐるぐるしているところが多いんで、
後半のこちらの方がテンポがいいかな。
BLだけど、作者なりに地に足の着いた(というのも変か?)話を書こうとしていった結果、
こういう形になっていったのねと思いました。
多分そういう重さのある密度の濃いところをぐんぐん煮詰めて
突き詰めてぎゅううっとしていくと高村薫になるのかな?
ま、それと比較するのはちょっと違うんですが。
那岐は男らしい受ですごい好きです。
こっちカップルはとてもいい感じなんだけど、
やはり暗鬱系カップルの方は感情移入しにくいなー。
ゲイでもない安見が任務のためとはいえ、
男と寝るっていうのがどうがんばってもありえねーな気がしちゃう。
敵なのに惹かれちゃうっていう説得力は今ひとつでした。
どうしようもないギリギリ感が足りないっていうか…?
でもそこまで言っちゃうとBL界が崩壊しちゃうから、
好みの問題ですねきっと。
英田さんはバッチリはまるとすごくいいので、
つい期待とともに辛口になってしまうのかも。
ラストはちょい甘な感じで読後感良かったです。
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下巻。まさか…の展開ばかり。那岐と加賀谷、火野と安見。純愛と狂愛が混じりあい、交錯する。
エスからとても好きなシリーズだった。
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【あらすじ】 「俺はお前を信じてる。お前は俺を裏切ったりしねぇよな?」関東侠和会の那岐には誰にも言っていない過去があった。高仁会前会長の殺人犯を探す最中、過去の亡霊ともいえる男と再び顔を合わせることに…一方、記憶を失っていた安見は、自分の上司と名乗る男と会い、思いがけない事実に戸惑っていた。自分には火野が必要だ。火野がいなくてはならない。しかし、その関係は偽りのものだった!?裏切りと真実。希望と絶望。縺れ合う憎悪と愛情。そして絆。男たちの想いの行方は…。
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子安x近藤<三宅x鳥海 うわー…わー……こういう結末かぁ…予想もつかなかった。ただひたすら集中して聞いた〜ながら聞きできる類のCDではないですド!シリアス。この迷鳥は加賀谷那岐がサスペンスの中で光っていたような。でも恋愛<話重視。視聴後の余韻に浸った〜
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【あらすじ】
「俺はお前を信じてる。お前は俺を裏切ったりしねぇよな?」関東侠和会の那岐には誰にも言っていない過去があった。高仁会前会長の殺人犯を探す最中、過去の亡霊ともいえる男と再び顔を合わせることに…一方、記憶を失っていた安見は、自分の上司と名乗る男と会い、思いがけない事実に戸惑っていた。自分には火野が必要だ。火野がいなくてはならない。しかし、その関係は偽りのものだった!?裏切りと真実。希望と絶望。縺れ合う憎悪と愛情。そして絆。男たちの想いの行方は…。
【感想】
デコイシリーズ下巻。
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エスシリーズのスピンオフ作品・デコイ二部完結。
<シリーズ紹介>
デコイ(囮鳥ーかちょうー)・デコイ(迷鳥ーめいちょうー)
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記憶をなくした男と殺し屋。ヤクザの二人。
それぞれが、大物ヤクザが殺された事件をめぐって葛藤する。
デゴイとは、水鳥の模型で、囮に使うものだそうで。いいタイトルだ。も、すべてが凝縮されてる。
と、毎度いってる気がしますが、キャラ造詣がいいっすね、英田センセ。
斜めいっちゃってる火野、最高です。完全に歪んでる人物なんだけど、その歪みを自分できちっと受け入れてるのが強い。いや、弱いのかな。普通に強かったり弱かったりする人間は、歪みゆえに正しい像を結ばない自分自身に怯えたり嫌悪したりするのにね。
ああ、火野の根底にあるのは、強烈な自己愛なのかもしれない。
自己愛が強すぎて、常に保護の対象を必要としているのかもしれんなぁ。
で、その火野をかつて拒絶した那岐。
火野とともにハードな生い立ちなんだけど、火野とは違ってなんだかんだとまっすぐです。まっすぐだけど、ここって時の選択がゆがんでいる。
でも、それが普通だよね。
ともあれ、なんつーか、まさに愛憎劇でしたな。
でもって、愛すること、憎むことの責任、つか、見届けることの意味、みたいなものを考えたですよ。
うん。
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エスのスピンオフながら、多分エスを越えたかな、って思った。話の設定の細かさと上手さが。エスは回収しきれてない伏線が目立ったけどデコイはもう完璧な感じ。個人的にはエスのがすきだけどね。
日野カップルの方が好きだったはずなのに途中から加賀谷カップルの方が気になって気になって気になって気になって加賀谷すきだーー!
そして最後のネタばらしに唖然。上手すぎて怖い。篠塚さんはエスからもう悲しくて寂しくて大好き。ビーエルじゃなくて最早ひとつのエンターテイメント。