少年計数機 池袋ウエストゲートパーク2
著者 石田衣良 (著)
池袋の街は眠らない。そこには、あらゆる人間がうろついている。インターネット上で私生活を見せるアイドル。計数機ですべてのものを数えつづける少年。秘密の風俗業者と、みかじめ料...
少年計数機 池袋ウエストゲートパーク2
商品説明
池袋の街は眠らない。そこには、あらゆる人間がうろついている。インターネット上で私生活を見せるアイドル。計数機ですべてのものを数えつづける少年。秘密の風俗業者と、みかじめ料をとる組の男たち。カリスマデザイナー。女子高生監禁事件の未成年の犯人。ホームで余生を送る老人たち。家業である池袋西一番街の果物屋を手伝いつつ、ストリートファッション誌で人気コラムを書くマコトのもとには、今日もさまざまな事件がふりかかってくる。リアルな読みごたえの短篇4篇。
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IWGPシリーズ第二弾
2020/10/11 09:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:gunners - この投稿者のレビュー一覧を見る
この中に入ってるエピソード「水のなかの目」。マコトの仲間になるミナガワは魅力的ですきな話なのですが、めずらしく後味の悪い終わり方の気がします。でもおもしろいですよ。
因果律は何も見逃さない。魔術師の方程式へ向かう、行き場のない想い。
2003/10/24 22:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る
|「ああ、マコトか。今月号のコラム読んだぞ。
| おまえは汚いものを美しく書きすぎる癖があるな」
(——P115)
池袋の王様、タカシが苦笑する。
|「くそっ、あるよ。おれが自分でまとめたやつだ。おまえ、
| ただのちんぴらのくせに、なんでそう要領がいいんだ。
| おれは怒るぞ」
(——P143)
顔なじみの刑事、吉岡もわめく。
役割分担を済ませた脇役たち。彼等も読者も知っている。
マコトと石田衣良さんが、自分のスタイルを見つけたことを。
シリーズ第二作目の安定感。
マコト。家業の店番で汗する毎日。
トラブルに巻き込まれる名手で、駆け出しコラムニスト。
・「書く視点」
・「動機としての取材」
マコトがこの二つを得たことで、主人公と作者の想いは、
おおらかににシンクロ出来るようになった。
彼等のスタイル、魔術師の方程式。
式に代入するのは、新聞社会面の常連。
例えば、「ストーカー」「引ったくり」「監禁」。
方程式の働きは、「もし、たら、れば」。それは、やるせない想いの受け皿。
罪の重さで決まる、片道切符。作品の底を流れる、因果応報の大河。
出会う、傷つく、血を流す、命も落とす。蓄積される経験。
マコトたちが育つ姿から、目を離せない一冊。
こういうかっこよさ
2002/06/09 19:08
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投稿者:REN - この投稿者のレビュー一覧を見る
池袋ウエストゲートパークの続編。このシリーズどんどん続けてほしいなあと思います。何故か。それはキャラクターの成長が楽しみだから。
主人公のマコトは相変わらず母親とともに果物屋を営みつつストリート誌にコラムを連載中。一見、なんの変化もない平坦な日常を想像してしまいますが、彼の生活の波乱万丈なことと言ったら! 様々な人に影響され、自分の価値観を確立してゆくマコトは格好いいなあと思いました。
それからこの文体も相変わらず素晴らしい。このノリ、このリズム!
この作品を読むと無性に池袋に行きたくなる。まさに“石田マジック”なんでしょね。
2003/12/28 14:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作は前作『池袋ウエストゲートパーク』同様、暗い題材ながらも爽やかな読後感が味わえる石田さんの代表シリーズ第2弾です。
前作の時とは違ってストリート雑誌のコラムを書いている設定となっている。
少し成長したマコトが登場する。
前作より周りの信用度が増している感じかな。
彼の魅力はズバリ“人間臭さ”と“平和主義者”である点だと思う。
全4篇からなるが、今回はどの話も脇役が充実している点が目についた。
脇役と言っても、従来のマコトの脇を固める人物(タカシやサルなど)じゃなく、各篇に新たに登場する人物が本当にしっかりと描けている点が一番印象的だ。
とりわけ、表題作「少年計数機」の少年ヒロキと「銀十字」の老人コンビのキャラ設定は最高。
ラストの中篇「水のなかの目」は一番ハードボイルドなんだがちょっと話が辛かったというか考えさせたられたかな、石田さんらしくなく(笑)
石田衣良が描くと、本当に非行少年も爽やかだ。
その要因として体言止めの多用と場面の切り替わりのテンポ良さがあげられる。
ただ、個人的にはタカシ(Gボーイズ)やサルの活躍が予想外に少なかった点は少し残念だった。
そこはマコトの成長物語だと割り切って読むべきだろうか?
少し評価の分かれる点かもしれないですね。
でも無性に池袋へ行ってみたくなったのは私だけじゃないはずです。
池袋に行った事のない読者も、マコトの好キャラによって上手くイメージ化された点は称賛に値する。
まさに石田マジックなんでしょうね。
トラキチのブックレビュー
甘いマコトにヤられてください。
2004/11/12 11:44
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投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1作目から少し時間が空きましたが、3作目が文庫になったので、
まとめて読んでみました。面白かったです。
マコトに会うのが懐かしく、そして嬉しく感じてしまったり。
どうしてこんなに感情移入できるんでしょうね。
たぶんそれは、甘いから。
でもその甘さが、私には合ってるんだと思います。
読むほどに、気持ちも若返って、乗せられて読み進める作品って
(しかもミステリーで)、あまりないかも。なんだろうなあ。
私の中には、まだ青臭い部分があって、
そこがたまに少女小説のようなものを 求めるんですよね。
自分でもつくづく成長してないなあ、とか思ってるんですけど、
でも、やっぱりこの手のものは、何度読んでもはまる。
そういう風にできてるらしいです。
「妖精の庭」「少年計数機」「銀十字」「水のなかの目」の中編(短編?)4作を収録。
最初っからマコト、甘いです。
なんだか胸を鷲掴みにされるくらい切なくなったのは、表題作。
数を数えるとこでアイデンティティを保っている10歳の少年・ヒロキと
マコトの友情の物語(大ざっぱにいえば、こんな感じ?)。
ヒロキの一途さ、一生懸命さが切ないんですよねえ。
そこにマコトもヤられます(笑)。
違った意味で印象深かったのは「水のなかの目」。
“それはマコトさん的にはアリなんですかっ”という結末。
ただ、何もしなかっただけ。なので、何かをしたわけではない、と。
そういうことですか。いいんですかそれで。とか思っていたのですが、
マコトが選んだ結末“だから”いいんです。そういうことです。
そんな風に、今までとはちょっと違う風を呼んでおいて、次巻へ続きます。
紫微の乱読部屋
マコトの敗北
2022/01/02 16:18
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編は三話でいつも通りだが、最後の「水のなかの目」は他の倍の長さがあり中編といったところ。途中から本当の犯人がマコトにはわかっていたのに、決め手がないからと連絡を取り合っていたのは明らかにマコト自身の失策。実際読んでいても、あれマコトそいつやばくないか?っておもったし。なんか色々モヤモヤが残った話だった。