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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2011/03/01
  • 出版社: 文藝春秋
  • レーベル: 文春文庫
  • ISBN:978-4-16-717413-2
一般書

電子書籍

灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパーク

著者 石田衣良 (著)

池袋は安全で清潔なネバーランドじゃない。盗撮画像を売りさばく私立小学校の5年生が、マコトにSOSを発してきた。“まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手に、マコトの打つ...

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灰色のピーターパン 池袋ウエストゲートパーク6

税込 700 6pt

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灰色のピーターパン (文春文庫 池袋ウエストゲートパーク)

税込 704 6pt

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商品説明

池袋は安全で清潔なネバーランドじゃない。盗撮画像を売りさばく私立小学校の5年生が、マコトにSOSを発してきた。“まだ人を殺してない人殺し”マッドドッグ相手に、マコトの打つ手は? 絶好調な表題作ほか、“この男の足を片方壊して”とブティック店員に依頼される「野獣とリユニオン」、タカシの先代のキングが意外な姿をみせる「駅前無認可ガーデン」、この街を浄化しようなんて止めてくれ!「池袋フェニックス計画」を収録したIWGPシリーズ第6弾。

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みんなのレビュー105件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

作品のテーマを再認識~やっぱ名作。

2009/02/04 10:29

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る

池袋ウェストゲートパークも、外伝の「赤・黒」(ルージュ・ノワール)を加えれば、本作までで7作。1作目から大ファンになり、本作に至るまで発刊の度に楽しく読ませて頂いて来た。主人公は池袋で家業の果物屋を手伝う、自称トラブルシューターの真島誠。彼の元に持ち込まれる、地元池袋だからこその色々なトラブルを、彼の機転と絆で解決していくのだ。と、こう書けばやけに浅く感じるのだが。いやいやさにあらず。本作品は池袋の街のずっと深い部分、人間たちのずっとずっと深い部分を描き出した作品である。
東京在住の私は池袋にも良く出向く。もちろん池袋西口公園も良く知っているので、この作品の楽しさはまたひとしおだった。けれど以前の書評でも書いたのだが、このところちょっと、マンネリな感があった。すなわち、トラブルを抱えた者がマコトの元に転がり込み、マコトは義の名の下に池袋の「少年少女のキング」タカシの力と、地元暴力団の交渉部長で幼馴染のサルの力を借りてそのトラブルを解決し、悪い奴を懲らしめるという形。正直「またか」的な感があったし、もうこの物語はこれ以上成長はしないのかな、とも思ってしまったのだが。
石田さんが変わったのか作品が変わったのか、いや読み手の私が変わったのかはわからない。がしかし、確かに読感が以前とは確かに違うのだ。以前は何だろう、数ある東京の街の中でももっともディープな池袋の街の風俗を通して「若者たちの今」や「世俗の今」を描いている感だった。ああ今の若者たちはもう、こんな事になっちゃってるのか…的な。それが段々と変化してきて、今回のIWGPでは色んな面から子供たちを、子供たちの未来を守ろうという意識が感じられたのは私だけだろうか。
作品中で起こる事件は、今回もやはり池袋のディープサイドの事である。表題になっている「灰色のピーターパン」では、盗撮した携帯写真をDVDに焼いて、違法に販売している名門小学生の物語。
ここで訴えかけられているのは、決して「こんな世の中になっちゃったんだよ」という事ではない。そんないたいけな子供たちが、そんな事が出来てしまう、危うい世の中に警鐘をならしているのだ。その小学生に金の匂いを嗅ぎつけてたかる、悪しき少年たちが象徴的に描かれている。そしてやはり守ってやるのもまた大人。守ってやらねばならないのだ、と。そう作品は訴えかける。
また兄の膝と夢を壊され、復讐を依頼してきた少女には、「そんな事をすれば、お前もケダモノになっちうまうぞ」とマコトは話すのだ。作品を通して、世の中の子供たち全員にそう語りかけているように感じたのは、私だけだろうか。目線が一つ上、大人の目線になっている。そして、以前の作品より暴力的なシーンが極力削られている感。マコトの解決方法も、力技ではなく、知恵と工夫でといった感が強い。本作品では決して直接拳を振り上げたりはしない。悪意に憤ることもあるけれど、ぐっとこらえてスマートに事件に対峙していく。いやマコトは決して弱腰でもなく、ケンカが弱いわけでもない。過去の作品には何度か直接戦うシーンもあったはずだ。
・・・いやそうか。主人公のマコトが変わったのだ。第一作では高校を卒業したばかりの少年だったマコトも、本作ではハタチを超えていた。視線が少年から大人のそれに変わっていたのだ。なるほど、さすがである。主人公の成長に合わせて、性格はそのままに、立場と目線を変えたのだ。
池田小学校での惨劇を耳にした石田さんは、涙ながらに「約束」を書いたという。また「4TEEN(フォーティーン)」では14歳の少年たちの、大人との戦いと成長を描いていた。考えて見れば、いつもいつも石田さんの作品は子供たちの為に書かれていたように思う。拙いからこそ迷いも失敗もする。でもそうやって成長していくんだ、手を貸してやろう救ってやろうよというメッセージが、強く流れ出てくるのだ。そしてふと思い出す。あの頃の自分を。拙かった自分を。何をエラそうな事を、と自分を笑いたくなってしまう。
池袋ウェストゲートパークシリーズ。目を覆いたくなるような現実を描いた作品もある。でもそれが今で、現実なのだ。目をそらしちゃいけない、知らなくちゃいけない。そして守ってやらねばならない。この作品から得られるのもは、老若を問わずに大きい。誰にも読んで欲しい、現代の名作である。

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グレーゾーン

2022/01/02 16:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る

今回はいつもの紋切り型ではなく、何が正しいのか、誰が悪なのかとかはっきりしない感じの話が多かった。その意味ではIWGPシリーズとしてはちょっと異色の一冊といえる。

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