相変わらずの福井節だが分かっていても面白い!
2012/09/28 23:38
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投稿者:sleeping lion - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い!
ちょうど上巻を読み終えたばかりだが、もう、どうしようもなく面白い!
いつもの如くやはり若手工作員とおじさんが出てくるし、市ヶ谷だの桜田門だの、相変わらずの福井節。
でもね、それでも、分かっているけど面白いのである。
上巻では「敵」にやられまくる。裏をかかれまくる。
トコトンやられて、これから中巻に続くのです。
あぁ、続きが読みたくて仕方がない。
そして、今回は誰が黒幕なのか、今の時点では、まだ信じ切れない点が面白い。
明らかに犯行グループは明記されているんだが、途中でわずか一行、気になるセリフが一言あったんだよね。
本当にわずか一行。
この後の展開が非常に楽しみである。
軍事オタクと活字中毒に贈る、超大作。
2009/05/15 22:01
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語は、とても叙情的な雰囲気で始まる。寒風吹きすさぶ中崖下ではじける波涛を眺める、二人の青年と一人の少女。岩場で砕け散った波が作る泡が風でちぎり取られ、崖を上がって三人の前にふわりと現れた。自然がおりなす、不思議な現象。それを見た一人の青年は、「薔薇のようだ」と言い、もう一人の青年は「綿埃じゃねえか」と言った。二人のその言葉を聞いた少女がつぶやいた「ローズダスト」。少女が作ったその「新しい言葉」が、全ての始まりだった。
美しくさえ感じる物語の始まりだけれども、「嵐の前の静けさ」どころかトンでもない事態勃発の前触れをひしひしと感じてしまう。そして物語は、一発のセムテックス爆弾で一気に加速する。プラスチック爆弾の中でも超強力な威力を発揮するそれは、巨大グループ企業の重役を文字通り灰燼に帰してしまう。そして起こる、第二の爆弾テロ。ネット財閥「アクトグループ」を狙ったそのテロが三人目のターゲットを無に帰したとき、三人の共通点が明らかになる。果たして犯人グループは北朝鮮の工作員なのか、それとも三人の被害者に恨みを持つ人間なのか。ところが・・・その犯人像は、思いもよらぬ者たちだった。
「亡国のイージス」や「終戦のローレライ」といった、傑作というか超傑作を世に産み出した福井氏が紡ぎ出した最新作は、そのどれよりもはるかに、濃く深い。警察機構に自衛隊組織、日本外交の歴史や政治・経済そして戦争と。とにかく深く研究され、物語に信じられないほどの重厚感を与えている。作品中描かれる軍事作戦や兵器は、きっとその手のオタクもうむうむとうなずくに違いない。うすっぺらな言葉の羅列にうんざりとしている活字中毒も、この重厚感には100%満足するに違いないと思う。ただ正直、この上巻だけでは大きすぎるこの物語のスケールを掴みきる事は難しい。「一体なんなのだこの大きさは深さは!」と戦きながら、中巻へと突入されればそれで良い。そこできっと、全てが見えてくる。
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待望の文庫版登場!!
ハードカバーでも上下巻になる大作ですが、「終戦のローレライ」のように文庫版4冊にならなかったのは買う方としてはありがたいところです。
内容はこの本棚のハードカバーの方の紹介を参考にしてください。
通勤、通学、授業中のお供に最適な文庫版の紹介しでした。
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おっさんと青年(+妙に影の薄い女子)の組み合わせは鉄板なんでしょうか…好きですが。お台場破壊が妙にリアルに身に迫る…。
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2009/2/14 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。
2013/2/28~3/5
久しぶりに読む福井作品。いやいや、相変わらず硬派な展開で、登場人物の設定も魅力的。続きが楽しみ。
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待ちに待った福井さんの新作文庫。
相変わらずのハードな展開とちりばめられたハートウォーミングな雰囲気。
絶妙なバランスですね。
まだ中巻を読み始めたところだけど充分面白いです。
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珍しく人から借りた作品。
もともと最初の作品のTweleve Y.O.が
凄い苦手で、かなり苦労して読んだのに
なんだか良く分からない作品だったという
トラウマがあり(解説の北上次郎氏も書いてた!)
それ以降の作品もイージスさえも避けていました。
借りた手前読まなきゃ...という大前提で
まずは上巻終了。
...やっぱり...読みにくいー(笑)。
なんだろうスピード感を感じないのに
場面転換も多く、いまいちどこを追っていけば
いいのか分かりにくいっす。
あと中巻、下巻もあるんだよなー(苦)。
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上中下、結構な分量。1ヶ月弱かかっちゃった。
途中、説明的な部分が多すぎて辟易する部分もあったが、それでもカタルシスの描写がすごい。ぐいぐい引き込まれる。
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福井晴敏さんの本です。
福井さんの書く登場人物ってみんなどこか不器用で、憎めない人が多いんですよね。
ローレライの登場人物も、川の深さの登場人物も、亡国の人達も。
どこか人間らしい歪みと人臭い感情と、泥臭い思いと、不器用な憎めない人々。
それぞれに理由があり、それぞれに思いがある。
それを本当にちゃんと描いているから、本当に作品が面白いんでしょうが。
この作品もそんな人々が沢山出てきます。
朋希も一功も三佳も恵理ももちろん、並河なんて本当にそこら辺にいそうなおっさんだし。
場所は新潟。
波の花が舞う岸壁から物語は始まります。
静かなその場面からは想像も出来ないほど、物語は段々緊張の色を帯びていくわけですが、
作者の福井さんも言われていた様に、
映画化は不可能だと思えるぐらい、ありえない事件や光景ばかりがこれでもかと言わんばかりに起こります。
いやー、うん映画化は本当に無理だわ、あれは(笑)
CGでも何でも出来ない事ないだろうけれど、あの世界観はちょっとベタなCGで表されたら、・・・・福井ファンから暴動起きかねないかな・・・(を)
この物語の主人公は、福井晴敏の作品に出てくる、DAISシリーズといってもいいかな、その一員である、丹原朋希が公安の脂身、並河警部補とテロリストに立ち向かって行く・・・とこう書いちゃ身も蓋も無いんだけど、大筋じゃ間違ってはいないかな。
この主人公の、朋希は、本当に不器用で、暗くて、ナーバスで、
オマエは渡哲也かっ!
と突っ込みたくなるぐらいの不器用さ加減なんですが、
これが福井さんの手に掛かるとこれでもかというぐらい可愛い。
ぶきっちょで不器用な男もここまでくるとダメ男の典型なんだけど、
それを補って余りある魅力は、本当に書き方が上手いんだろうなと思います。
武器の説明や、組織の説明や、建物の説明が多く、状況の説明がともすれば長くなりがちな小説で、
ちょっとした仕草でその人となりを表す手腕は福井さん、さすが!と思うほど。
この上巻はまだまだ触りの巻ですが、十分面白いです。
映画に出来ない情景や、その話の展開も面白いけれど、
それを抜きにしても、キャラクターの一人一人が凄く魅力的なこの作品。
本屋で、ふと見かけたら是非読んで見てください。
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■腐女子心をくすぐられます。■本当にありそうで恐ろしいです。ここで言いたいのはテロのことじゃなくて、国の不実が。悲しいくらいリアルな気がしました。これはフィクションだと笑っていられない何かを感じます。■真に迫っています。物語自体は、既視感があるのに、そうは思わない新鮮さ。観点が違うのでしょうか?文章もグイグイ引きこまれます。
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面白いけど長い・・・それに重厚・・・。敵対し合う若者たちの運命は・・・? アクションの描写はさすがです。
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ディテール満載のハリウッド・ポリティカル=ミリタリー・サスペンスアクションに,人情味あふれるキャラクターという組み合わせが大和心をくすぐる福井ワールド。映画化してほしいような,してほしくないような。
★泣いたセリフ(ネタばれ有り):
テロによって破局を迎えた首都・東京。長年の‘取引相手’であるCIAの女エージェントから,自分と家族の身柄だけ安全を確保してやるというオファーを受けつつも死地に赴く並河警部補:
「…それではよろしくお願いしますって言うような男,あんた嫌いだろ」
終盤,当局に完全包囲され,ダイスの特殊部隊と死闘を演じる4人。密かに思いを寄せるリーダーの元へ行くようにという,同志の最期の言葉に心を動かされながらも,文字通り孤軍奮闘を続けることを選択した真野留美:
「でも,ね…,柄じゃないんだよね…」(直後に爆死)
ベタですみません…。
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元々週刊誌に連載していた小説のようだが、とてもそうだとは感じられないほど、これほど長大な物語でありながら最初から結末まですべてデザインしてから書き出したとしか思えない。
この著者の作品は設定、プロット、ディテール、何をとってもいかにも映像化したくなるようなものばかりだが、しかし、「亡国のイージス」や「ローレライ」を観ても分かるように、とても2時間やそこらの尺に収まるようなスケールのお話ではない。
政治情勢の描写などもかなりのウェイトを占め、舞台そのものはどちらかというと男性読者向けに作られており、それを含め若干難解であったり非現実感を伴う展開もあるにはあるが、それにも拘らず極めて優れた筆運びと巧みな書き込み、リアルなキャラクターづけの力により、グイグイと読者を引っ張っていく。
一体どこまでリサーチしているんだろう? と驚愕するほどのディテールもものすごい。
ただ、最後の臨海副都心での戦闘シーンの細かい描写はちょっとくどくて読み進むのが辛い部分もあったけど…。
いずれにせよ、福井晴敏作品が好きな向きであれば充足できることが確実な、大作。
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会社の先輩から借りた本
銃と公的組織(警察、自衛隊やら)の描写が非常に細かいです。
細かい描写は眠くなりますが、あとは面白いです。
まだ上なので評価は未定です。
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福井晴敏はその昔「BSアニメ夜話」ガンダム回に参加していて、非常にまじめで落ち着いた口調でシャアについてあつくあつくあつくあつく語っていた
「シャアの台詞って基本全部独り言なんですよ」に、すごく笑った
東京を舞台にしたある思想を持ったテロ
ってことで、理解してOK?
パト2みたいなのだったら読みたい