快楽の動詞
著者 山田詠美 (著)
大分昔の話になるが、私の部屋に女友達とその恋人が泊まったことがある。私は、ひとりでベッドに寝て、彼らは、離れたところに布団を敷いて寝た。図々しくも、彼らは、私を無視して、...
快楽の動詞
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商品説明
大分昔の話になるが、私の部屋に女友達とその恋人が泊まったことがある。私は、ひとりでベッドに寝て、彼らは、離れたところに布団を敷いて寝た。図々しくも、彼らは、私を無視して、こっそり性行為を始めたのだった(表題作より)。隠しても、もれ聞こえてくるぼそぼそ声は、ありふれた「いく」と「死ぬ」。でも、2人が文学的なロマンあふれる会話を交わしていたら、もっと薄気味悪かったはず。文学の中の性行為と実際の性行為はどう違う? 奔放で緻密な8篇の短篇小説。
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山田詠美の日本語講座
2000/12/07 23:49
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山田詠美が日本語に言及して小説風にした読み物。1992年から1993年にかけて、雑誌「海燕」に発表された8篇が収められている。
著者曰く「この本は、私のビッグミステイクである」とのことだが、私にとって「この本は、ビッグプレゼント」だった。
センス溢れる山田詠美の取り上げる言葉は、まず「快楽の動詞」。
「いく」「死ぬ」に勝る動詞が果たして存在するのだろうか?と。「ベッドの創作」の章ではこれでもか!というほどこの課題に具体的なヒントを与えて読者に示してくれる。
「お花畑で2羽の蝶々がつかず離れずヒラリヒラリ…」などと言っていては金属バットで後ろから殴られそうである。
恋愛小説を読む意味はあるのだろうか?また、なぜ我々は大喜びで恋愛小説を読むのだろうか?何がそんなに嬉しいのか?など考えさせてもらった。
「駄洒落の功罪」の章は大いに共感した。
「駄洒落」とはユーモアでも何でもない。アドリブが混じらない分、相手に笑いを強要するからたまらない。職場でもやたらに駄洒落を連発する下品な人が1人や2人必ずいるものだ。私はこの手の人と相対している時いつも思うのが、「ここで笑え!」とかいう吹き出しが出ると楽だろうな、ということ。だって、「ここで笑うべきなんだろうな」と察知してこわばった笑いをはさむのは結構疲れることだから。
全編が小説仕立てなのがいい。「がががぁ〜」と日頃の思いの丈をブチマケたいところを、手を変え品を変えの小説仕立てにしたところが流石だなと感心してしまうのです。