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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日:2011/03/01
  • 出版社: 文藝春秋
  • レーベル: 文春文庫
  • ISBN:978-4-16-767205-8
一般書

電子書籍

対岸の彼女

著者 角田光代 (著)

いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。立場が...

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対岸の彼女

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商品説明

いじめで群馬に転校してきた女子高生のアオちんは、ナナコと親友になった。専業主婦の小夜子はベンチャー企業の女社長・葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始める。立場が違ってもわかりあえる、どこかにいける、と思っていたのに……結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、たったそれだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。女性の友情と亀裂、そしてその先を、切なくリアルに描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。

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みんなのレビュー746件

みんなの評価3.9

評価内訳

紙の本

岸を渡る女たちの物語、角田光代「対岸の彼女」

2010/07/12 18:14

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る

 05年の第132回直木賞受賞作品。専業主婦の小夜子の物語と高校生の
葵の物語が交互に描かれる。このスタイルがとても効果的だ。小夜子の
物語は現代、葵の物語は過去。そして、小夜子の物語には35歳になった
葵が登場する。

 「対岸の彼女」とはなんともうまいタイトルだ。現代の2人はまさに
「対岸」にある。小夜子は子育てと姑のいやみに疲れ、周りともうまく
やっていけない主婦。一方の葵は旅行事務所を切り回す明るくパワフル
なビジネスウーマン。小夜子が再就職を決意し面接に行ったのが葵の会
社だったのだ。しかし、タイトルの意味はそれだけではない。対岸にい
るような葵は、実は高校時代は小夜子と同じ岸にいたのだ。その葵がど
うして今の葵になったのか。そのプロセスを一方で描きながら、もう一
方では現代の2人の友情と亀裂を描いていく。現代と過去が交互に語ら
れるスタイルだからこそ、物語はよりリアルでスリリングになった。過
去の葵の物語が確実に現代の物語を支えているのだ。

 物語の後半で小夜子は何度も自分に問いかける。「なんのために私た
ちは歳を重ねるんだろう」と。その答えがこの小説のラストにある。向
こう岸へと、力強くオールを漕いで渡る勇気をこの物語は与えてくれる。

ブログ「声が聞こえたら、きっと探しに行くから」より

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紙の本

角田さんの光

2016/10/11 07:04

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第132回直木賞受賞作。(2004年)
 今や女性作家としての人気もその重厚な作品造りも抜きん出ている感のある角田光代がこの作品で直木賞を受賞した際、「角田さんの嗅覚」と題して選評を書いた林真理子選考委員は「少女の頃からどこかに属していないと、女たちは非常に生きにくいという現実を踏まえながらもこの小説には救いがある」と絶賛した。
 同様の評価もほかにもあって、積極的な評価ではなかったものの田辺聖子委員の「読者も生きる力を与えられ、読後感は爽やかだった」というのは、なるほど、確かに長い作品の最後の最後で前に進もうとする勇気を与えられた作品だと思う。

 物語は35歳で専業主婦の小夜子が育児や家事だけでなく生きる糧のようなものを求めて働き始めようとして出会う、同年の葵とのシンクロしていく感情を、小夜子を中心とした「現在」と高校生の葵を中心とした「過去」を、相互に描くことで、女性たちの心理に踏み込んでいく。
 男性の目からすれば十分に理解できていないかもしれないが、女性の側からすればこの小説はどれほど琴線に触れたことだろうと思える。

 小夜子は子供を育てながら、何故自分たちは年齢を重ねるのかと自問するが、最後一旦葵から離れながらもまた葵と向かい合うことを決めた小夜子は、その問いにこう答えを出す。
 「出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」。
 まさに角田光代の光がここにはある。
 その光はこのあともすっと伸びて、今に続いている。

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紙の本

そうなんだよなと何度も頷いてしまった

2019/08/17 22:51

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

中学時代、高校時代、いろんなことを語り合ってきた「こいつとは一生の友になるんだろうな」と思っていた友達も生活環境が変わって、大学生になり社会人になってしまうと疎遠になって日ごろ思いだすこともなくってしまう。それって寂しいことだけど仕方がないことかもしれない。いつも私が思っていることを小説にしてくれたのがこの作品のような気がする。同じ方向を向いていると思っていた友達が実は全然違う方向を向いていたということは今では当たり前に思えることをあの頃は全く考えもしなかった。この作品を読んでそんな友人の何人かに連絡を取ってみようかと一瞬思ったが、すぐにやめた。私たちは全然違う世界に生きているのだから。今は。

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紙の本

素晴らしい作品

2021/02/16 11:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:sosen - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校生のアオちんとナナコに胸を締めつけられる。危うくて、混ざりけがなくて、美しい。
そして、時が経っても、立場が違っても、理解し合える。共感でき力強くて素晴らしい本。
森絵都の解説もいいです!

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紙の本

自分と重ね合わせてしまう

2020/05/12 20:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

あるあるこうゆう事、いるいるこうゆう人、いたいたこうゆう人、あったあったこうゆう事。実は色々な事抱えてるんだよね、でも隣の芝生は…。芝生でなく対岸なんですよね。時にいらつき時に共鳴しながらぐいぐい読めた一冊でした。

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紙の本

自分を解き放て!

2017/06/08 14:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る

解放の物語だと思う。二人の主人公がそれぞれ、対岸の彼女であるところの、自分とは違う世界にいる女性と出逢う。そして、見るからに自由な彼女と行動し、別れを体験することで、自分を苦しめているもの、自分を苦しめる世界に押し留めているものは自分自身であることに気づく。対岸の彼女も自分と同じものに囲まれていることに気づく。違いは向き合い方なんだ、と気づく。そんな物語だ。
この作品を読んで、私がかつて実際に出逢った私にとっての対岸の彼女を思い出した。

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電子書籍

おすすめです!

2017/03/30 21:45

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:マミ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

第132回(2004年下半期)直木賞受賞作品。当初、単行本を購入したものの、仕事が忙しく、全く読まずに処分してしまった。再購入して今回は読了。10年以上前の作品なので時代背景には古さを感じたが、内容は今もこれからも通づるテーマ。さすが受賞作品!

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紙の本

本屋大賞を見て読みました。

2014/10/20 23:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る

本屋大賞を見て読みました。
仕事をする女性と仕事をはじめる主婦の話。感情表現が抜群にうまいです。

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紙の本

友情と孤独のどろどろした心理描写。どうにも忘れることができない。

2018/11/05 23:55

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

これはまいった。現実的。嫌悪感が先にたって,
読了直後は書棚の古本屋行きコーナーに整理した。
でも,まだ売らずにいる。最初は書評もパスするつもりだった。
時間が経って少しずつ毒が抜けてきて,やっと記録に残す
気が起きてきた。
理由は,この本を必要としている人がいる気がしたからだ。
それは自分も含むかもしれないし。

直木賞受賞作だがエンターテインメントという感じではない。
最後に少しだけ読後感の回復が図られるが,
途中で受ける鉛の弾は強烈だ。

主人公の小夜子が同年代で社長の葵とともに現在を働く物語。
もう一つは過去の話。
高校時代の葵と友人の物語が,現在の話と交互に
織り成しながら進行する。
最後に二つの話がつながるが,実質的に二本の物語だ。

小夜子が働き始めた理由は,家庭での孤独だ。
高校時代,ふとした事から孤立し深く傷付いた経験を持つ。
大学,社会人と進んでも同じ。傍から見ている分には
考えすぎのところもあるが,孤立ということに異常に執着している。

もう一方の葵も,現在ではきっぷのいい女社長役だが,
高校の頃に孤立を極度に恐れた経験を持つ。
さらに高校時代,ある事件を起こしてしまう。
さすがに私はそんな経験はないが,逃避する気持ちは
痛いほどよく分かる。
事件後,葵は事件を一緒に起こした友人と一度だけ会うが,
すれ違いを始めた溝は永久に埋まる事はない。

決して綺麗な思い出にはならず,心に空洞ができるということが
克明に描かれている。悲しいとか寂しいとか,感情の言葉では
カバーできない現実感が漂っている。

心の空洞を持つ葵が,現在につながっていく様子と,
同じ気持ちを感じる小夜子との新たな友情にフィードバックさせる
という話なんだろうけれど。
孤独を持つ二人が,手を取り合って再生していく話には
なっているけれど。「けれど,けれど」である。

私の心は葵の高校時代の話で止まったままになってしまった。
私の中では,二つの話は混じり合わなかった。

友情って何だろう。心の孤独ってなんだろう。
答えのない堂々巡りにはまり込んだ。とても考えさせられる作品だ。
こんなに動揺するなんて,自分は大丈夫なんだろうか。
変な話だが,そんな余計な心配までしてしまった。

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紙の本

作者の能力がほとばしる。

2009/09/10 22:47

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

対岸の彼女 角田光代 文春文庫

 川は栃木県から群馬県へと流れていく渡良瀬川(わたらせがわ)であり、岸のこちらにいるのは、女社長楢橋葵(ならはしあおいさん)、向こう側にいるのは、専業主婦から兼業主婦になった田村小夜子さんです。対岸とはいうけれど、お互いに女性であるという本質には変わりがありません。
 葵さんが作者自身の化身なのでしょう。小夜子さんの3歳の娘あかりちゃんに関する保育園をはじめとした夫、義母との事柄では、その下地となった情報収集能力に驚かされました。「予定日はジミー・ペイジ」という同作者の作品をまだ読んでいないのですが、予定日というのは出産予定日だと聞いています。作者にはこどもさんはいないとも聞いています。
 掃除チームのボス中里典子さんのセリフには感服させられます。作者の小説家としての力量を認めます。173ページにあるナナコの言葉、他人の荷物をかかえてまで自分は悩めないとか、自分は平気、学校には自分にとって大事なものはない、というようなセリフは、なかなかつくれません。 葵さんもナナコさんも魅力的です。
 196ページ付近にある小夜子さんと夫との共働きは是か非かのやりとりは、男性側の勝手な思考となげやりな態度、無理解と無知が象徴されています。こどもは小さい頃から人にもまれたほうがいい。あとで楽ができます。
 物語は過去と現在を交錯させながら進行していきます。これから先、作者はどう筋立てしていくのだろうかと考えながら読み続けました。
 今ある体制(自分と自分の周囲にいる人とか環境)は、10年後の未来にはない。その善悪を問うのではなく、人の人生はそういうものと静かに肯定してあります。

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紙の本

女ともだち

2013/04/26 17:22

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

家庭環境の違う葵とナナコと小夜子の人生が、どこか不器用でいてどこか共感できる。自分をとりまく人間たちに対して疑心暗鬼である彼女たちの心の声をよく表した作品である。

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紙の本

爽やかなラスト

2019/04/14 11:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:骨なしチキン - この投稿者のレビュー一覧を見る

立場の違う女性2人の話。葵とナナコの話は重かったけれど、続きが気になって一気に読んでしまいました。未来に向かうエネルギーに溢れたラストに、読んだ後は爽やかな気分になりました。

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紙の本

わかるようなわからないような

2019/02/26 18:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公葵たちと自分と同年代・・・よりちょっと?一回り?下のような感じだが自分の学生時代・就職・・・色々悩みながら今に至って、そうそう!わかるわかると程よく読めた話だった。角田さんの本は初めて読んだがもう少し読んでみたくなった。

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電子書籍

10年ごとに読み返したい一冊。

2017/06/03 17:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:aya - この投稿者のレビュー一覧を見る

現在の角田さんの小説の方が好きだなぁと思いつつ、この直木賞作品がなかったら、角田さんのお名前を知るのももっと遅かったかもしれない・・・なんて思うと、間違いなく私の大切な一冊。
「直木賞作品だから」というミーハー心で手に取った10代の頃は「女って大変なんだな。シューカツって人生の岐路なのかもな」くらいの感想でしたが、いま、30代の主婦になって読んだら、昔と全く違うワードに引っかかり、胸がぞくぞくし、全く違う読み心地、全く違う感想を持てました。
10年ごとに読み返したい一冊。

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電子書籍

直木賞作品

2016/06/21 02:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コルダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

角田光代さんの直木賞、本屋大賞の作品です。30代の女性二人の物語。引っ込み思案な主婦が再就職の面接で訪れた会社の対照的な性格の女社長と出会い変わっていきます

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