大修院長ジュスティーヌ
著者 藤本ひとみ (著)
「童貞を守る必要はないと思います。私は、性行為を不浄だとは思いません。それは、人間らしいことです。もっと言えば聖職者にも、人間として性を楽しむ権利があると思います」(本文...
大修院長ジュスティーヌ
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商品説明
「童貞を守る必要はないと思います。私は、性行為を不浄だとは思いません。それは、人間らしいことです。もっと言えば聖職者にも、人間として性を楽しむ権利があると思います」(本文より)。性愛を肯定する異端の女子修道院長は、聖女か淫蕩の魔女か? フランス革命下に生きた3人の豪胆な女たち…大修院長ジュスティーヌ、侯爵夫人ドニッサン、娼婦ティティーヌ。美貌を駆使し、熱狂と快楽と陶酔の波をどう切り抜けてゆくのか。エロティシズム溢れる歴史ロマン官能3篇!
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精神的支柱の瓦解がもたらす阿鼻叫喚の物語、というと大仰すぎ。
2001/09/07 02:47
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投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る
既成の概念や因習に縛られた生活と、フランス革命によってもたらされたその瓦解に性愛を絡めた悲劇というところなのだろうか。
これに収録されている3つの短編は総じれば価値観の崩壊がもたらす悲哀の物語なんだけど、主人公達は一様に幼少時の原体験における衝撃に囚われ続けていて、藤本さんの得意分野でもある精神病理的な物語でもある。
特に「公爵夫人ドニッサン」のそれまで異常なまでに娘に愛情を注いでいた公爵夫人が新しい時代を渇望し、自分の権威回復に情熱を燃やし始めたことで、娘が母親の愛情を失うことを怖れるあたりは多分に現代の親子関係にも共通する問題だなぁと思う。
でもこの3編だとやっぱり表題作が代表だなぁという印象。
キリスト教においては基本的に性悪説なので、常に自らを律して正しき道を進まねばならないという教えと、ある意味とても原始的な欲望の葛藤はとても興味深くはあるのだけど、やっぱり個人的に女を家畜と同列に扱う考え方を受けいけられないので、いくら布教活動に勤しんでくださっても無駄なのだけどな……。