浅田次郎の良さが出た作品
2018/11/22 14:14
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
浅田次郎の良さがよく出た作品。
最近の作品の中にありがちな あくどさ けれんみ が表に出ず、ほのぼの しんみりした作品が多い。
8人の孤独を描く本
2018/05/01 04:42
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
可愛がっていた飼い猫を失ってしまった、OLの話が心に残りました。過去の哀しみに捉われていた登場人物に訪れる、ささやかな救いには心温まるものがありました。
不思議な感覚の寄せ集め
2022/07/23 21:21
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1話目の『シエ』が良かったです。善者か悪者かを見分ける動物なんて凄い、と素直に感じてしまいました。
本書は短篇集ですが、内容がバラバラなジャンルとなっており、その点も良かったです。一方で本書全体としてはちょっと重めの内容で占められていました。自身のテンションがそのレベルになっていた時は本書がピッタリくると思います。
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これぁ、いい!小粋小粋。何気ないけれども、ホロリな感じですよ。
でも男性って、うーじうーじ何年も何年も別れた女性を想ってるですねぇ。
気持ちわかるけれども、こういうお話しでどんどん男性不信になるあたくしです。
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ふとした出会いから、自分にとって本当に大切なものとは何かを考えさせる、浅田次郎作品の逸品。ファンタジーとユーモアをたくみに織り交ぜた短編交響曲。
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短編集で読みやすく、ファンタジーな感じもする悲しかった心が温まる作品だなぁと思いました。
私もシエに会ってみたいなぁ。
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淺田次郎の短篇集。
ああ、またやられてしまつた、と云ふのが讀後の感想。
心を動かされることをいくぶん警戒しながら讀んでゐるつもりなのだが、讀んでゐるうちにそんなことは見事に忘れて、淺田次郎ワールドに引込まれてしまふ。
冒頭の「シエ」など、一歩踏み外せば、薄つぺらいキワ物になつてしまふところなのだが、作者の手にかかると見事な大人の童話になつてしまふ。
表題作「姫椿」の錢湯「椿湯」、これもファンタスティックだ。
幻想と現實の境目があやふい。
「再會」の次のセリフもまた良い。
「女の戀ひは流れ去るけれど、男の戀ひは積み重なるものさ。水と、雪の違ひだね」
こんなセリフを臆面もなく語らせる作者の面の皮の厚さには敬服してしまふ。
「オリンポスの聖女」はラストの2〜3ページが見事。
「何も言つてはならないと、片膝からもたげた典子の目が言つてゐた。言葉は穢れてゐる、と。」
このやうな女性がこの世の中に存在する筈はないのだが、もしかしたら、と淡い希望を抱かされてしまつた。
卷末に置かれた「永遠の緑」。
筋立ては馬鹿馬鹿しい程のものなのだが、この作者の技術で感動の一編に仕立上げられてゐる。
主人公の妻が亡くなるシーンは作者ならではの味がある。
と云ふ譯で、「おいおい、そんな馬鹿な話があるか」と云ふやうな物語たちであるにも拘らず、私は不覺にもまた感動させられてしまつたのであつた。
くやしいので一つだけ難癖をつけるとしたら「トラブル・メーカー」。
これはさすがに無理がある、と思ふ。
ラストは豫想できたが、まさかいくらなんでもそんなラストの筈ないよな、と思ひながら讀んだら、その通りであつたので少々がつかりした。
2003年10月2日讀了
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短編集。
どの話も「死」が見え隠れしている。
その「死」は自分であったり、また愛するものであったり。
「シエ」「姫椿」「マダムの喉仏」がよかった。
私の場合、最後にオチで「なるほどぉ」と思うよりは、読み終わってから余韻に浸れるような話が好きなようだ。
上述の3つの話は、読み終わった後も、登場人物の気持ちやこれからの生き方を思いめぐらせてしまう作品だ。
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2003/12/028篇の短編集。表題作の「姫椿」にやられた。浅田次郎はバブル崩壊を経た後の人間の魂の救済を描かせれば天下一品であることを再確認させられた。アイデアとしては、著者自身の作「地下鉄に乗って」や遡れば山田太一「異人たちの夏」と同工異曲なのが惜しい。「シェ」と「永遠の緑」が同格で並んで★★★★★。他は★★★。
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短編集なのだが、「獬(シエ)」という話を読むたびに救われたような気持ちになる。
文章の優しさ、柔らかさと春の生温い空気のにおいを感じて泣きそうになってしまう。
今まで読んだ物語の中で、多分五指には入ると思う。
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飼い猫が死んでしまったOL、経営に行き詰まり、死に場所を探す社長、三十年前に別れた恋人への絶ち難い思い出を心に秘めた男、思い出の競馬場に通う大学教授……。凍てついた心を抱えながら日々を暮らす人々に、冬の日溜りにも似た微かなぬくもりが、舞い降りる。魂を揺さぶる全八篇の短編集。 解説・金子成人
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2006/04/26 wed
「獬(シエ xie)」と「永遠の緑」が良かったです。8本の短編で、知人が「シエ」の話をしていたので、この本を購入してみました。シエはなかなか面白くて、最後は少しホロリとしました。表題作の「姫椿」は、不思議な感じになりましたが、椿湯でなんだか自分の心もほっこりしました。「再会」もオカルトチックというかファンタジーというのか…、やっぱり不思議な感じでした。「マダムの咽仏」はオカマが苦手だった私に、少し苦手意識をなくしてくれました。「トラブル・メーカー」は、世間知らずというかあまりにのほほんとしすぎている浜中がむかつきました。「オリンポスの聖女」は最後に少しホロリときましたが、男性ほどその切なさはわかりません。「零下の災厄」はいまいち、いまにな感じ。で、最後にまた「永遠の緑」がウルッときました。大学教授が最後に言った「ママを愛しているんです」という言葉にやられました。ということで、だいぶおまけの4★です。
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浅田さんの、話の閉じ方っていうのかな?読んだ後に残る余韻がとても好き。クセがあってしびれます…!一番印象に残ってるのは『xie』。
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浅田次郎の本を読むのはこれで二冊目。あまり触手が働かない分野だから自分では余り買わなかったのです。最初に読んだのが「壬生義士伝」だったけかな。読み終わった後に、救われない話だなと思った記憶があります。果たしてそれで幸せだったのか、と。
「壬生義士伝」は上下巻の長編でしたが、この本は短編集です。合計8篇、幸せとも不幸ともつかない話、幸せな話、不幸な話、それらが織り交ざっています。それぞれ物語自体はとても面白いのですが、救われない哀しい話より、幸せな話の方が好きなので、良いなと思ったのは以下の2篇。
◇シエ
◇永遠の緑
シエは、30を幾らか過ぎた独りの女性が主人公。たった一人の家族だったリンが死んでしまった。その後、彼女が不思議な動物シエとペットショップで出会い、少しの間生活を共にする物語。
幸せは寂しくないことだって言ったよね、、って。本当にそうだね。
永遠の緑は、それまでの話が不思議なものであったから油断していた。それに「永遠の緑」自体も特に感動させるような話であるような予感はさせなかった。だから物語の最後、博士が言った言葉を読んだとき、思わず上を向いて涙をこらえた。なんて、暖かいんだろう。
たった一言。一言だけなんだけれど、それが作品の印象を変え、物語を変えた。これが一番好きです。
どちらも感動するような話。そんなに深く考えるのは苦手だから、こういうに弱いのだな。
あぁ、思えば最初と最後をとても良い話で迎えていたんだ。
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帰省時に持ってた本を全部読み終えてしまったので実家から浅田次郎の本を4冊も持って帰ってきました。浅田ワールド全開の短編集。個人的には「永遠の縁」がお気に入り。