キミはラブホテルに行ったことがあるか
2008/08/01 21:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「現役女子大学院生による(ラブホテルの)本格研究」(カッコ内は書評子)という帯の惹区が目立つ、話題の一冊である。帯には若くて綺麗な著者の写真もついている。これを言い換えれば「現役(まだ若いということ)女子(ラブホテルというかなりHなものを能動態の男子ではなく受動態の女子がということ)大学院生(しかもインテリといわれる種族がということ)による(ラブホテルと、多分多くの人がHでいかがわしいと思われている空間及び産業のことを)本格研究(まじめに勉強しましたということ)」ということになるのだと思う。それに証明として著者の写真までつける念の入れようである。男性週刊誌によくある<現役○大生のヌード>にさりげなく添えられた学生証みたいなものかもしれない。
でも、それって著者にとって幸せなことなのだろうか。売上げ的にはそうやって販促企画を練った方がいいだろうし、期待通り話題にもなって売れたことだろうけど、書き手としてはいささか悩むところだろう。あるいは、本書はあくまでもきっかけであり売れることがまず大事と思うものかしら。しかし、著者のために少し書いておくと、決してまったく薄っぺらな論理が展開されているというわけではなく、やはり現役の(そう若い人の)視点が散見されるし、女の子なりの感性もあることはある。でも、いくつかの章でやっぱり腰のすわりがよくない。本書で紹介されている「スケベ椅子」(本書95頁には写真口絵がある)に座っているような感触だ。
著者は「はじめに」で、ラブホテルをこう定義している。「ラブホテルとは、宿泊もできる貸間産業の一つであり、おもにカップルが利用するための密室空間を提供している施設」(17頁)である、と。しかし、その進化が「堂々たる日本の文化」と呼ぶに至る考察が弱い。もし、そう呼ぶとすれば、日本のモータリゼションの進化と土地の価値変遷をもっと追求すべきではないか。そのあたりが当事者からの聞き書きだけでは不十分すぎる。その一方で情報誌が果たした役割という観点では及第点がつくだろう。あの切り口はなかなか新しい。97年に創刊された情報誌『TOKYO・一週間』のラブホ特集には、当時書評子も驚いた記憶がある。そういうことから考えれば、ラブホテルと雑誌の歴史というのはさらに考察されていい、テーマのような気がする。
さらにいえば、何故ラブホテルが日陰的な扱いをうけてしまうかという点を見逃してはいけない。それこそ、日本文化に関することかもしれないが、日本における性の有り様、つまり性そのものがタブー視されているということ、がもっと議論されるべきだ。そうした場合、他人と接することが最小限ですむラブホテルという施設がなぜ多くのカップルに使われていたかが見えてくるような気がする。性は他人から隠すものであるという日本の文化が。今日もだれかが人けのないホテルのロビーで、明かりのついたタッチパネルから部屋を選んでいるに違いない。
セックス専用から脱皮したラブホテルのすがた
2008/07/31 23:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラブホテルを卒論のテーマにえらんでしまった女子大生が,指導教官のすすめもあって博士課程でまでラブホテルの研究をすることになった.この本がその集大成というわけである.研究なので地の文は基本的にまじめである.ラブホテルやその経営者に取材した情報が中心である.しかし 1970 年代にはやった回転ベッドなどの派手なしかけはいまはなく,当時の週刊誌・月刊誌からの引用にたよっている.それに影響されている部分は地の文もおもしろい.
ラブホテルは衰退しつつあるというが,女子大生が研究テーマにとりあげるのも秋葉原文化にちかいところがあるからではないのだろうか.写真集も日本でもアメリカでも出版されている.この本でも欧米のわかい旅行者がこのんでラブホテルにとまっていることが紹介されている.チャンスはあるのではないだろうか.
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2008/2
ストレートなタイトルと現役女子大学院生という肩書きで売ろうという魂胆がはっきりと見える。
ただ内容は、今までタブーに近い存在として誰も触れようとしなかったラブホテルというものについて、その歴史と文化を丁寧にまとめている。多くの関係者への取材を中心としており、新進のルポタージュとしては悪くは無い。
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新書なのに帯がいい紙。売ろうとしたのだろう。内容的にも売れると思う。学術書でもあるし。私とはちょっと方向性が違うけど、これから先どうなるか楽しみな研究者。
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読了。女子学生がラブホテルについて書くというところで助平心をくすぐられ読み進むモチベーションは上がるが、内容は表面的ではないかとの印象を持った。むしろ参考文献としてあげられている『愛の空間』に興味がわく。
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著者のことはどこかの新聞社のwebサイトで見て知っていた。そのときふと頭をよぎったのは、彼女にとって井上章一は大きな壁になるに違いない、という予感であった。一読してみたところ、その予感は半分正解で、半分不正解と言った感じ。何と言っても彼女が自分の足で稼いだインタビューの存在が大きく、「愛の空間」のような歴史的叙述性はないが、70年代以降のラブホテルの変遷は、むしろ本書の方が詳しい。「愛の空間」とあわせて読みたい本である。
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数年前から話題になっていた女子大生によるラブホテル論です。足で歩いて調べるタイプのもののようですが、丁寧に書かれていて読みやすいですし、何よりこの分野の本は少ないと思われるので、興味を持ちました。もう少し統計などがあれば分析もできるのでしょうが、こういう世界にはないんでしょうね、きっと。
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現代文化の象徴の1つとして、ラブホテルが日の当たる存在になってきたことがあげられる。これを大学院の研究テーマに採り上げる学生が現れてもおかしくあるまい。特に「美人」の女性ということが、新書で人気が出ている理由の1つでもあろうが、著者のまじめさぶりが自然に描かれていて、読んでいても爽快感が伝わる本だ。この業界、まちがいなく成長産業だと思うが、家族経営が多いという実態とのギャップは新鮮に感じた。大手企業が乗り出すには、企業イメージに問題があるのだろうか?
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新聞で見たときから気になっていたので購入。マジメな論文なのかと思いきや、文庫版にあたってかなりフランクな文体で読みやすかったです。一時間かからなかった。というわけで、内容はあんまり濃くないです。文章も軽いです。
小さいときからラブホは結構目にしていたので、そういう意味だったのか!という発見があってなかなかのオモシロさでした。ただ、帯のアオリが明らかに女子大学院生というなんか論点とずれているトコロをアピールしているのがオイオイという感じです。まあインパクトがあるので狙い通りなんでしょうけど。著者が可愛いから余計に目立ちますね^^
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書名や中味はともかく、帯についた著者の写真をみて買った人(好色なおじさん?)も少なくないだろう。関西のとても魅力的な女性の顔がそこに出ているのである。こんな美人がラブホテルに調査に行ったら、変な心を起こすお店の人もいるかもしれない。実際、取材のたび必死の覚悟ででかけたようだ(新聞記事があった)。ラブホテルの本は、古いところからだと井上章一『愛の空間』があるし、ラブホテルに特化したものだと、鈴木由加里『ラブホテルの力』(廣済堂出版)がある。本書は、現役女子大学院生が徹底的に足で調べたところに特徴がある。ただ、鈴木さんの本について言及していないしのも気になるが、今一迫ってこないのは、本書がラブホテルの進化を調べて書いたという点では評価できても、ラブホテルの楽しさを知って書いた本ではないということだろう。それではもちろん修士論文にならないのだけれど。
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正直なところ、タイトルだけに惹かれて購入してしまいました。
内容は極めて真面目な学術研究でしたが、いかに私達が「ラブホテル」というものに対して偏見を抱いているか、がよくわかりました。
ホテルの経営、サービス、広告戦略など多様な視点から言及しており、「へぇ〜」と思うことが多かったです。
定量分析が少なかったのが(テーマ上厳しいですが)、やや残念。
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友人が貸してくれました。
「現役女子大学院生がラブホテルについて研究してるんですよ!ほら写真見て、美人でしょ?こんなカワイイ子がラブホテルについて研究してるの、ちょっと興味あるでしょ?」
という出版社の声が聞こえてきそうですね。
レビューなんかを見る限り、出版社のその戦略はある程度成功しているようですね。
とはいえ、内容は著者が20代を捧げて取材を重ねた成果が十分出ていると思いました。きちんと足で取材しているのがよくわかって好印象。
少なくとも私は知らないことだらけだったので、なるほどと興味深く読みました。ラブホテル産業は社会の変化と密接にかかわりながら発展してきたのだ!
ただ、文章の書き方がややシロートっぽく、挿入される自作のイラストなどもあいまって、せっかくイイ研究してるのだろうに、全体的になんともいえないオママゴト感を醸し出しているように思えた。のは私だけなのか?ちゃんとした研究をしているんだから、もったいなくないですか?
でも、そのオママゴト感のおかげで、この本はセックスを清く明るくかわいらしく扱うことに成功しているとも感じました。なんかキュート。
新書という形式の性質も考えると、本書は研究者の最初の第一歩としては十分合格点だし、大成功ですよね。
著者も言うように、研究対象が研究対象だけにいろいろ苦労もあえるでしょうが、ラブホテルが「金塊のようなテーマ」であることは間違いないらしいので、この行動力でこれからもがんばってほしいです。
「ラブホテルは堂々たる日本の文化!」
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非常に読みやすく、戦後におけるラブホテルの変遷史や現代のシティホテルとの関係性など、多方面に目配せしている。ラブホテルや性に関して「恥」と感じる筆者と、それを「恥」と感じない少し年下の大学生とのギャップに関心を持った筆者のフィールドワークの記録でもあるが、「恥」という感覚をぬぐい切れていないために、記述に現実味や臨場感に欠けているような気がする。観察者だから客観的に物事を見なくては・・・、という意識ではホンマモンのフィールドワークにならないのでは?
でも、指導する先生(テレビに出てました)や同輩の男子学生たちは、一歩間違えるとセクハラになってしまうこういうテーマについて議論するのは大変だろうなぁ、と思う。
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なぜ郊外のインターチェンジにラブホテルが多いのか?
なぜ外観を派手にする必要があったのか?
ラブホの昔といま、陰と陽の二極化、最先端設備が求められる心理的理由。
いや、電動ベッドの凄さには笑った。
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タイトルそのまんま。
直接何かの役に立つような本ではないが、社会学ってこういうもんだよね〜という風に何となくなっとくしてしまうような本でもあった。
性に関する話は最近だいぶ一般的(?)に語ろうとする風潮を作っているが、その際にこの本は考えを進める上で何かの役に立つかもしれない。
個人的にはエイズに関する活動をやっている人は、この本を読んで、こういうホテルと一緒になってやればいいんじゃないのだろうかと思った。