ありのままが凄い!
2016/07/17 15:47
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投稿者:デラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
イスラムにおける女性がどのような立場にいるのか、という疑問を、彼らと同じ目線に立つ事で解き明かしてくれる。一婦多妻制は相互扶助と言葉で言っても我々の接する情報、普通の眼では理解出来ない。素直に、疑問を持つまま、人々の中に入って行く著者の行動力が凄い。
生きるということの意味
2013/07/11 10:27
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投稿者:stuart - この投稿者のレビュー一覧を見る
生きているだけでも幸せ。生きているということは何なのだろう?生きている意味とは何だろう?いろいろと考えさせられました。
これからの社会を作っていく子供たちの成長期をどう作っていってあげるのか?大人の責任を感じました。
それにしてもバングラデシュの実態に驚きました。本当にこういう世界があるのか?あるのでしょうね。これからどう発展していくのかを見守りたいと思います。
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久しぶりに熱のこもったルポルタージュに出会った。
中東や東南アジアのイスラム圏のスラムやもっとも貧しい人々が住む地域へ出向き、
例え半年とはいえその中に入って一緒に生活をし、
そこに住む人々の生の声を拾い上げてきた彼の仕事に、
我々は敬意を払わなければならないと思う。
他の誰がこんなことができるだろう。
本文に登場する人々の物語は残酷なものが多く、せつなく居たたまれない気持ちになる。
それでも、死を選ぶのではなく、懸命に与えられた生を生ききろうとする人々の姿は胸を打つ。
この本に登場する人々はどんなにつらい境遇におかれようとも人の温もりを求めてしまう。
例えそれが偽りの優しさだとしても。
生きる意味とは何なのか、なぜそこまでして生き続けなくてはならないのか?
彼女ら(彼ら)自身にもそれはわかっていないのだろう。
しかし、それが生きるということなのだろう。彼女らの何とか明るく今を生きていこうとする姿が、
読む者に生きることそれ自体の意味を強烈に突きつけてくる。
ただ、全体を通じての著者の若さが気になった。年齢的にも20代で若いのだが、
それ以上にたびたび顔を出す底の浅い通り一辺倒の正義感に圧倒的な若さを感じた。
彼自身、我々の世界の側の論理では解決できない現実に打ちのめされているはずなのに、
訪れた地域ごとに、反省虚しく、こちら側の論理からの正義感が顔を出すのだ。
それは時として、現地の人々の生活や心をかき乱し、結果的に一人の女性を死に追いやってしまった。
ただ、そんな彼だからこそ、多くの人の心に入り込むことができたのも事実だろう。
彼はまだ若い。だからこそ今後の彼の作品に期待したい。
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著者の目を通してイスラームを垣間見る事で、自分が社会に対して抱いている不満がとても小さいものだと思えた。
人が人として生きる事が難しい社会で、まさに泥水を啜っても生にしがみつく人々と、自死を選ぶ者が年間約3万にも上る日本に生きる私たち。
どちらがより幸せなのか、それを問う事すらも許されないような、圧倒的に異なる世界を知る事ができた。
より多くを知る事、知ろうとする事はとても大切なことだと思う。
だが、知らないほうが幸せなこともあるのだとも思った。
この本を読むことによって、自分の生きる社会はとても愚かしく、ちっぽけで、だがよほど恵まれているという事を思い知らされる。
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虐げられる人々の間に、日本人という異物が入る込むことによって引き起こされる、さらなるトラブル。
彼らのために何かできることはないのかと考えながらも、自分がトラブルメーカーとなり、彼らの生活を乱す結果となってしまうことへのジレンマと無力感。
でも、彼らのことを見て見ぬふりはできないし、誰かがその状況を伝えなければならないのは確か。
せめて、この書物を書きあげることによって、何らかの助けにしたいという、作者の想いは伝わってくる。
日本人には想像のつかない状況が世界にはたくさんあるということが知ることのできる貴重な本。
やはり、作者のように誰かが飛び込んで行かなければいけない。
その役を、引き受けた作者の存在は貴重。
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知らなかったことを知るのは面白いこと。
でも時に、知ってしまって辛くなる出来事に出会う。
そんなことこそ目をそらしてはいけないこと。
人は生きている。どんな国で、どんな宗教で、そんな性別で、どんな年齢でも。
全員が幸せになることなんてありえないんじゃないかと思ってしまう。
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面白かった、というのは非常に不謹慎だが、興味深かった。
サクサク読めるし、ページの向こう側の彼らがとても魅力的に見えた。
そして同時に人間をやめたくなるくらいの不快感、どうにかならないのか…という答えのないもやもやした感情。
こんな世界が今現在もあるとは思えない、日本での当たり前な暮らし。比べたらどんなことでも幸せに違いないけれども、そこを比べるのもちょっとズレているのでおいておく。
ただどうにかしなければならない問題だ。
でもこれは短い時間ではけして無理で、1つや2つの国が頑張っても無理で、
人間が、生き物が子孫繁栄のためにけして逃れられない性欲が根本にあるため、根強く深く浸透しすぎてどうしたらいいのかわからない。
彼らはただ生きているだけ。
生まれてきた身体と精神を切りつけながら生きるしかないのがとても悲しい。
1日何人もの性的な相手を安いお金と不衛生の中でするしかない女の子。
本当なら親から愛されて友達と遊んで好きな勉強をして将来を夢見るのに、それが普通じゃない世界。
どれだけの苦痛なのか想像もできない。
子供なのに身体を売らないと生きていけない。
兄は弟にそんなことさせたくないと身体を売り、弟には遊ばせる。
弟も兄には苦労かけたくないと、見知らぬ男についていく。
こういうとにかく性欲を満たしたい男(男ばかりじゃないが)がいるからこんな世界になるんじゃと怒りを覚えるけど…
そうして簡単に人間を買って満たされるのがまったく理解できない。死んで欲しい。
本の中で紹介される人たちは、とても魅力的で強く見える。
ときどき、あちらではこれは普通なのだからある程度感覚がマヒしているのではという酷い錯覚を覚えるけど、わずかな温もりにすがったり、当たり前の兄弟愛があったり、女の子らしい一面があったり、一途な恋をみせたり、やはり同じ人間で、まったく自分たちと変わらないことに気づく。
なにこの生活の差はなんだろう…
こんな衝撃的で重い世界を覗くには相当の年月をかけたのかと思ったけど、思ったより短い期間でいろいろな地域を回っているので、1つ1つはそんなに長くないのかなと思った。
それで底のほうまで見えるんだろうか?
でもこの現実を日本にちゃんと伝えたい、という気持ちは感じられた。
それにこういう人がやはり必要なんだと思う。年齢もすごく近いのに…これも信じられないけど。
アジア地域の貧困の本はいくつか読んでいるけど、改めて1人でも1秒でもなにか安らぎを感じる瞬間がありますように、と願う。
願っても結局なにもできない私ですが…
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この記事を書くためにもう一度読み返していたんですが重すぎです。イスラム圏の人間は性というものに対してどのように向き合っているのか?という疑問に答えてはくれますが、読む場合には自己責任でお願いします。
この記事を書くためにもう一度この本を読み返していたんですけれど。ものすごいショックで正直、気分が重いです。内容は著者が自分で旅をして現地の人と侵食をともにしながら見聞きしたり経験したことを文章にしているので、おそらくは「事実」でしょうが…。イスラム圏の人間は「性」というものにどうやって向き合っているのか?衝撃的なルポルタージュです。
一般的にイスラム教の人は「性」について厳格であるというイメージ(少なくともボクはそうだった)をいい意味でも悪い意味でも裏切ってくれます。僕が一番印象に残ったのは、「掟と死」の中に出てくるアフガニスタンでソルタンという自分が生き残るために自分の妻を自殺に追いやり、実の兄を殺して生き延び、ごみをあさりながら薬漬けになっている同性愛者の話でした。
彼の言う
「オラは強い男じゃねえ。家族のためにすぬことなんて、できねえ。体を焼かれて地獄に落ちる
のも恐ろしい。だからどんなことがあっても、死ぬことなんてできなかったんだよ」
ということばが非常に胸を打ちました。
ほかにはムスリム(イスラム教徒)の男性がポルノ写真や女性が欲しくなったときに他の宗教、例えば具体的にはキリスト教信者のところに行くんだそうです。
一番顕著な例は女性を買うときで、イスラム教徒の男性はキリスト教徒の娼婦と例えば2時間だけ「結婚する」という形をとって、コトを済ませた後に「離婚」する際の「慰謝料」として対価を置いていくんだそうです。
厳格な戒律に生きているはずの彼らでも、こういう抜け道はあるんだな、と。
ほかにも、少女売春婦やヒジュラと暮らしたときのことなど、目を背けたくなる話がてんこ盛りですが、それと同時に人間って、たくましいなぁ、と思わざるを得ませんでした。
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イスラム文化圏の性のフィールドワークというか、ここまで深く入り込んで聞き取り調査とかしている本をこれまで読んだことがなかったため、衝撃的な内容も多く、一気に読め終えることができた。
ただし、著者自信記載しているように、実情をしったからといって自分たちにはほとんど何もできる手立てがないという現実を思い知らされるというのが辛い。
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東南・南アジア、中東などでの、特に娼婦・男娼などで営む人々との関わりがつづられている。主にイスラム文化圏で暮らす人々や他の地域で暮らすイスラム圏出身者の生活、生きるという活動が描かれている。
改めて自分の知っている世界が狭いことと自分の想像力が甘いことを思い知った。
この手の問題は答えが出ないな。そもそも自分が問題だと感じていることは問題なのかどうか。わかることは知らないということは損であり恐怖であり時に罪であるなと感じた。この本に書いてあること以上の悲劇的な出来事ももちろんあるだろうし、逆にこの本の内容が全部真実だとただ受け入れるのも甘いよな。
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イスラム圏内におけるスラム地域や浮浪者、乞食と言われる、信仰、生活基盤と言われる神々から捨てられたとしかいいようのない人々の話。
一歩間違えたら、ただのスキャンダルな話になりそうだし、正直ちょっとやりすぎなんじゃ?と思わないとこもない事はないが、これが事実なのだから仕方ない。そう意識しながらも、今の私にはやはり遠く感じてしまうくらいのヘビーすぎる世界を垣間見させてくれた。
気持ちだけではできる事には限界あるのがよくわかる。だって世界は広すぎるから。変えるには時間がかかるのだから、まずは種を植えるところから。そうしみじみ考えさせられる本。
イスラムだけでなく、宗教のあり方にますます興味湧いてきた。
勉学として、だけど。
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イスラム圏に住むストレートチルドレンの生活を描いたノンフィクション。想像を超える厳しい環境で生きており、自分達の住む世界との格差、距離に驚かざるを得ない。
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イスラームがどうこうというより、第三世界の性(産業、慣習その他)に纏わるルポ(エッセイ?)として読んだ方がいいのかなと。イスラームの価値観のもとではセックスワーカーはどう捉えられているのか、等々の話はあまり載っていない。ただし日本で普通に暮らしていたらなかなか知り得ない話題が多いので、その点読む価値はあるかと。
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この著者は随分と残酷な人だなぁ、というのが第一の感想だった。
興味本位でつつき回している印象が拭えないし、日本で暮らしてると想像もつかないことを書いていながら、実際それを目の当たりにしてきたのだとしたら能天気としか言いようのないことを後書きで書いていたりする。
乖離がありすぎて、これを本当にルポルタージュとして受け止めていいのかどうか戸惑う。
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イスラームの性の世界に光を当てる、その試みは勇気のいるもので、十分賞賛に値すると思う。でも、書き方がちょっとお涙頂戴風になってるというか、劇台本風というか。せっかくのよい体験が変に脚色されてるような…。どの話もできすぎてるように思えちゃう。それは多分、この人が体験した数え切れない物語のうち本当にドラマチックなものだけを抜き出したからなんだろうけど。あと、この人ちょっと正義感が強すぎかな…軽率なところもあるし。もっと傍観できないのかな