藤原医師の淫らな接待
著者 著者:ふゆの仁子
命を救ってくれた天才外科医・藤原和哉と製薬会社営業として再会した奥村渉。しかし、挨拶に向かった先で奥村は、藤原の男との情事を目撃してしまう。藤原は不敵な笑みを浮かべながら...
藤原医師の淫らな接待
商品説明
命を救ってくれた天才外科医・藤原和哉と製薬会社営業として再会した奥村渉。しかし、挨拶に向かった先で奥村は、藤原の男との情事を目撃してしまう。藤原は不敵な笑みを浮かべながら「取引したいなら体を差し出し、俺を満足させろ」と非情な要求を突きつけてきた! 羞恥に震えながら自ら脚を開き奥村は奉仕を繰り返すが、藤原は快楽を煽るばかりで交接を与えない。何故? しかし胸の傷に触れる藤原の瞳の奥に秘めた「疵」を知った奥村は――。官能と純情が錯綜するセクシャルラブ! ※こちらの電子書籍については、口絵や挿絵は収録しておりません。ご了承ください
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「神の手」ゴールは反則ですが
2007/01/19 16:11
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hamushi - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かの専門分野で天才的と称されるほどの能力を持つ人が、精神面での発達に恐ろしくバランスを欠いている「ダメ人間」だというのは、よく聞く話ですが、この「藤原医師」という人も、まさにそのタイプでした。
最初のうちは、外道SM外科医としか思えない、ろくでもない言動ばかりで、主人公の奥村渉(あゆむ)より先に、すっかりこの先生に愛想が尽きそうになるのですが、蓋を開けてみたら、単に人の気持ちの分からない”にぶちん”が、うちに秘めた不器用な真ごころを伝えるすべも知らずに持てあまし、年甲斐もなくグレていたという、それだけの話なのでした。
人の命を救う仕事を真摯に続けて、多少なりとも人生経験を積んだ大人なら、切ない恋心を無体な仕打ちで傷つけられて苦しむ奥村や、打算に見せかけてでも関係をつなぎ止めようとする高見の本心に、少しぐらい気づいてやってもよさそうなものなのに、これっぽっちも気づかないまま、全然ハズした方向に暴走していく勘違いぶりには、薬のつけようもありません。
天才といわれる外科医だからこそ、身近な人間のこともあくまで徹底的にフィジカルに認識するのだと言われれば、まあそういうものかもしれませんが、感情だって人間の身のうちにあるものなわけで、しかもこの藤原医師、かつて奥村との心の触れあいによって人の命を守る仕事の大切さに気づいたという経緯もあるくせに、せっかく授かった「神の手」を外科手術としょーもないエロだけに発揮して、相手の心は踏みにじり、自分はすねてやさぐれる……それでいいのか天才外科医と、頭をはたいてやりたくなります。
こんな医者に、心が真っ直ぐで愛情深くて勇気もあって、しかも健気という、いいとこずくめの渉がつかまるのは、もったいないの一言で、誰か止めてやらないのかと言いたくなりますが、本人が、あの医者がいいというのだから、まあ仕方ありません。
それにしても、最終的には暑苦しいほどの藤原医師の愛着を向けられる奥村はともかく、打算の関係はもはや不要とばかりに、あっさり切り捨てられた上、気にもかけられない高見は、彼自身の性格の悪さを差し引いたとしても、かなり気の毒で、なにかもうちょっとフォローはないのかと思わずにはいられませんでした。でもこのお話は、今後、医療関係のシリーズとして続くようですので、もしかしたら高見の出番もあるのかもと、ちょっと期待しています。
でも同じ作者の弁護士シリーズのように、また鬼畜な医師ばかりぞろぞろ出てくるのかと想像すると……それはそれで楽しみのような気もします。