紙の本
もう一人のヒロイン。
2007/12/11 10:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
松岡氏が産み出した、希代のスーパーヒロイン「岬美由紀」。
その人気度合いは今更述懐する必要はさらさら無いが、
その美由紀とは対照的、と言っても良いキャラクタに「絵里香」がいる。
ニュアージュシリーズに登場する彼女は、やはり美由紀のように
人の思考を読み取る能力に長けるが、それ以外にも超人的な能力を
発揮する美由紀とは似ても似つかない。
ギャル系ファッションに身を包んでめちゃくちゃしながらも世を憂い儚み、
とあるトラウマに苦しみ、精神的にも問題を抱えている。
僕は美由紀はもちろんであるが、この絵里香というキャラクタも、
非常に気に入っている。なんだかすごく今風の、「人間」な感じがするのだ。
以前の作品「千里眼とニューアジュ」で絵里香と美由紀は出会っているが、
今回の作品は、そのちょっと前の話しになる。
関東近辺のベンツが一斉に盗難に合い、とある山中で燃やされてしまう。
それも、ベンツのエンブレムである、
円に星の入ったスリーポインテッドスターの形に並べられた上で、
焼かれた。この奇妙な事件を物語の筆頭に持ってくる事で、
非常にうまく読む側の心を掴んでいる。これは愉快犯の犯行なのか、
それとも何らかの宗教的儀式やサインのような物になっているのか・・・。
盗難されたベンツの中に、4歳の男の子が乗っていると知った絵里香は、
子供の救出に向かうのだが。燃え上がる火炎に、
過去のトラウマから精神を病んでしまう。
さらには現場から誘拐された挙句、
目の前で人が殴り殺されるのを見て完全に精神が崩壊していってしまう。
犯人が絵里香に求める「ぼろ雑巾」とは何の事なのか。
それは、美由紀と絵里香が奇妙な関係を持つ事になった、
あの悲劇に端を発していたのであった。「ドリトル症候群」を発祥し、
廻りのあらゆるものが絵里香に話しかけてくる。
気が触れそうになりながらも、
誘拐され拉致された絵里香の患者の救出に向か絵里香。
そして・・・。
これまでいつも孤独だった絵里香。それが今回、
自分の下意識だとはいえ仲間を得たと言うのも、面白い設定だった。
それもベンツや猫が彼女に話しかけ、励ましてヒントを与え。
読んでる側としてはいつも孤独な彼女に、
愉快な仲間が加わったような感があり、楽しく読めた。
またいつか、美由紀とのコラボ作品が生まれることを、節に願う次第である。
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お姉系ファッションに身を包む臨床心理士、一ノ瀬恵梨香シリーズの第2弾。
DV(家庭内暴力)から始まって、半側空間無視、ベンツばかりを狙う盗難事件、、、と、一見かけ離れた出来事が、最後にはみんな繋がる大団円、までの息をつく間もない展開は、相変わらずの松岡エンターテインメント。
ただ、犯人役のキャラクター設定が、あんまり現実離れしすぎているのがちょっと残念。
(2007/12/23)
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<内容>
神奈川全域で発生したベンツ盗難事件の調査に乗り出した一ノ瀬恵梨香。数百台の盗難車で描かれたスリーポインテッドスター・マークの謎とは…? 壮大な異常犯罪に立ち向かう恵梨香の過去の秘密がいま明かされる!
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千里眼に通じる臨床心理学士(今は相談員)一ノ瀬恵梨香シリーズ第二弾。千里眼同様にリアリティのなさは目立つが、筆者の力か、スピード感でおもしろさを演出して最後まで一気に読ませるのはさすが。
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この本で新たに美由紀との接点も伺え、クラシックシリーズとして続々刊行されている千里眼シリーズとどう絡めてくるのかが今から楽しみです。
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くぅうう!
やった!
きた〜!
「ブラッドタイプ」を読んだときに、すでに岬美由紀と、一ノ瀬恵里香は、
つながりがあって。
いったい、どこで繋がっていたの〜!!?と
知りたくてたまらなかったのだ。
恵里香は、両親を事故で亡くしているんだけど、
この事故に関わっていたのが、美由紀の両親。
そこが、詳しく、この2冊目には描かれているのだ。
1作目で、みごとにベンツを大破させてしまった恵里香は
それでもベンツにこだわり、
中古で入手。
ところが盗難されてしまって、
追いかけていくうちに、とんでもない事故に巻き込まれ
PTSDとともに、恵里香の精神状態は極限まで追い込まれ
助けたネコが喋るように見え始め、
これ、「ドリトル症候群」っていうらしいんだけど、かなり重症な状態らしい。
ってことは、ドリトル先生は、かなり精神的に病んでたのかな?と
余計なことも考えさせてくれたりして。
それでも臨床心理士だった恵里香は、なんとか自分の精神状態を把握し
コントロールし、
死を目の前にして、
がんばる。
なるほど、深田恭子を主演にしたミステリーを探していたときに
この物語がピンときたというホリプロの方。
まだ映画版は、見てないけど、フカキョンなら、この恵里香を
みごとに演じきるだろうな〜と
途中から、恵里香の声が、フカキョンの声で聞こえてくるような錯覚さえ
おきてきましたから。
で、この2作目では、まだ岬美由紀との対面は、果たされてないんだけど。
これはクラシックシリーズへいかないとダメかなぁ。
どこで繋がるんだ????
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前作に引き続き「一ノ瀬恵梨香」の第2弾。。。
主人公がドリトル現象を自覚しながらうまく付き合っていくとは想像できない展開でした。
一ノ瀬恵梨香もより魅力的に人間的になってきて、これからの展開が楽しみです☆
松岡圭祐さんのシリーズがこんなに連続して出るのはとても楽しみで、こんなにも書いているのに筆の力も衰えずますます絶好調なのでそれにもびっくりです☆
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千里眼シリーズと繋がっていく重要なストーリー。精神病を発症しながらも、悪と戦う恵梨香がカッコいい!千里眼とニュアージュで恵梨香のその後が描かれています。
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以前精神障害を発症したため臨床心理士の資格を返上し心理相談員として働く一ノ瀬恵梨香。ベンツばかり狙う盗難事件が発生し、内閣情報調査官の宇崎俊一と再会する。車両部品の違法改良による事故をめぐる岬美由紀との意外な接点。
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ギャルな臨床心理士の一ノ瀬恵梨香が主人公編。娯楽本。松岡圭介は私にとって、赤川次郎、椎名誠・林真理子・さくらももこのエッセイにならぶ(ほぼ)ハズレ無しで読ませてくれる人なので、長距離電車、新幹線、飛行機など緊張を強いられる場面に携行する作家。でも最近の…かつての小室哲也のごとく量産タイプで出版される本書などより『水の通う回路』など、初期の作品の方が、本としては面白かったと思う。
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臨床心理士の資格は返上したものの、心理相談員として人の悩みを聞く仕事は続けていた恵梨香。しかしある日、相談を解決するために現場へ行った帰り、愛車のベンツを盗まれてしまう。聞けば今、都内では同じようにベンツがあちこちで盗まれているという。盗まれたベンツがある場所に集められているという情報を内閣情報調査室の宇崎俊一から仕入れた恵梨香は、いてもたってもいられずその現場にも同行するが、なんとベンツは大爆発、そして怪我を負った恵梨香は救急車で搬送される。そして搬送先の医師は怪しげに微笑みながら言った――「お目にかかれて光栄だよ、千里眼」。
千里眼=岬美由紀と間違えて拉致されたということで、岬美由紀の名前は何回か出てくるものの、本人が登場したり、恵梨香と接触したりすることはない。どうやらこの出来事は岬がアル=ベベイルの事件がらみでイラクへ飛んでいる間の出来事らしいので、時系列的には「千里眼 トランス・オブ・ウォー」と同時期ということになるらしい。恵梨香が岬美由紀をある程度模写しているという事実はあるようだが、やはり岬とは違い、かなり危なっかしい彼女。今回は彼女自身がPTSDやかなり重篤な精神状態におかれてしまう。”ドリトル現象”なるもので動物や物と会話する中で事件を解決していくのだが、やはりその突飛な症状ゆえ、リアリティがあまり感じられない。「半側空間無視」という病気も、なかなか理解するのは難しいよねぇ。おまけに、恵梨香の精神病自己治癒って・・・。そんなこと可能なの!?
今まで一貫して小学館文庫版を読んできたのだが、今作に関しては小学館文庫版が存在しないので、角川文庫版を読んだ。小学館文庫版では岬美由紀の両親の乗った車が恵梨香宅に突っ込んで恵梨香の両親が死亡したことになっていたが、角川文庫版では恵梨香の両親は一家心中を図り死亡。そのあと一人暮らしをしていた恵梨香のアパートに岬の両親の車が突っ込んだことになっている。
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「蒼い瞳とニュアージュ」と「千里眼とニュアージュ」の間の作品になります。
私は先に千里眼を読んでいましたが、違和感なく読めました。
観ていないのですが、映像化されていたらしく、写真が数枚載っています。
さりげなくネタバレのあの子。。。
ま、可愛いから許しちゃいます!
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恵梨香の視点で書かれているが、美由紀の両親の事故の真相がわかる。臨床心理士を辞めて心理相談員になった恵梨香。事件に巻き込まれ、パニックから動物の声が聞こえるドリトル症候群となってしまう。事件を解決した後、療養のために萩原県に住むことになる。そして千里眼の10巻に続く・・・
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ベンツがことごとく盗まれて山でまとめて燃やされる事件が発生。それによってエリカが精神的に大きくダメージを受け、そんな中燃やしたひとたちに拉致、脅迫を受けさらに症状が重くなり、動物やものが喋るように。スピード感がありぽんぽん進んでいくのでさらっと読み終わりました。しゃべりだしたときは正直病気というよりメフィストがかかわってるのかと思うほどでした。宇崎くんとくっついてくれたらと思うところがちらほら。幸せになってほしいです。
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医大定期診察に持っていき読了。元臨床心理士の一ノ瀬恵梨香が巻き込まれたメルセデス・ベンツばかりを狙う盗難事件。恵梨香を苛む千里眼の記憶。。。『千里眼シリーズ』で気になっていた、一ノ瀬恵梨香と岬美由紀の絡みがわかる。深田恭子が表紙になっているが恵梨香のイメージが違った。女優ではないがギャル曽根をイメージしていた。と岬美由紀の絡みがわかる。