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電子書籍
戦国秘譚 神々に告ぐ(上)
著者 安部龍太郎
応仁の乱以降、室町幕府は力を失い、群雄が割拠し、世は乱れた。古来、神々に礼を尽くして地上の平安を守ることを務めとしてきた京都朝廷は、衰微を極めた。弘治三年(一五五七)、後...
戦国秘譚 神々に告ぐ(上)
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神々に告ぐ 戦国秘譚 上 (角川文庫)
商品説明
応仁の乱以降、室町幕府は力を失い、群雄が割拠し、世は乱れた。古来、神々に礼を尽くして地上の平安を守ることを務めとしてきた京都朝廷は、衰微を極めた。弘治三年(一五五七)、後奈良天皇は後事を若き関白・近衛前嗣に託し、崩御。前嗣の奔走が始まる。幕府再建による朝権回復を目論む前嗣は、都を逐われた将軍・足利義輝と結び、都を支配する三好長慶を除こうと計画。これを阻もうとする長慶の権臣・松永久秀の秘められた思惑とは?
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紙の本
対照をなす二人
2023/05/02 08:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
織田信長の伝奇などにしばしば姿を表す「関白・近衛前嗣」とはこのような人物だったのだな、と認識を新たにした。構成の我々の視点から見ると、天皇中心の王政へ復古しようとする努力が痛々しくも的外れであることがわかっているだけに、なんとも情けない。対象としての実力本位 下剋上の松永久秀の存在 振る舞いが際立っている。
紙の本
朝廷と武家の駆け引き
2016/11/28 10:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半(上巻)はまだ問題点・対立点が明確でないためまったりしているが、後半になると、武家の武力と富に依存せざるを得ないため官位をエサに様々な策略を練る朝廷と武家の駆け引き、朝廷内部においても権威を巡る争いや人間的な欲に基づく桎梏、武家においては当然ながら天下を狙う覇権争いがあり、それらが混然一体となった政治的駆け引きが推理小説的な面白味で展開される。一般的にはあまり時代活劇の主役とはなりにくい朝廷が主役になっている点が珍しい。権威はあるが力・富を持たない「朝廷」対、権力=武力・富を持つが“権威”のない「武家」との対立関係の中で、朝廷側としては最も力が有り御し易い武士と組むために策謀を巡らし、武士側では他の覇者より優位に立つために朝廷を如何に利用するかを巡って策謀を巡らすのだから、朝廷対武家、朝廷内部、武家内部と相手の裏の裏をかく陰謀だらけで、熾烈な謀略戦とならざるを得ない。本書では、関白・近衛前嗣が京を追われた足利将軍を再興することで体制を確保しようとするのに対して、三好家を武家の中心に据えて権力を握ろうとする左大臣との対立を軸に、非業の死を遂げた皇后の呪いと、双子の姫たちが絡んで複雑な展開をする。読みごたえは十分であるが、朝廷内のしきたり・慣習などの用語や概念が馴染めず少々読みにくいのが 難点である。
さて、面白いと思ったのは、呪術などとも関連するのだろうが「和歌にこめられた霊力」という視点である。如何にも殿上人らしく各所で和歌が引用されるのである。上巻ではあまり気にしなかったが、下巻ではかなりの数が出てくるので徐々に気になってきた。