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電子書籍
女の螺旋階段(下)
著者 梶山季之 (著)
義兄との中を疑われ、家を出ることになった道子は、自活のために女性誌の取材記者として一人暮らしの女性との同居体験記を書くことになった。ところがルームメートはレズビアンやコー...
女の螺旋階段(下)
女の螺旋階段(上)
女の螺旋階段 上 (ノン・ポシェット)
商品説明
義兄との中を疑われ、家を出ることになった道子は、自活のために女性誌の取材記者として一人暮らしの女性との同居体験記を書くことになった。ところがルームメートはレズビアンやコールガール、やがて道子も世の暗部に足を踏み入れることに…。梶山作品の中でも、女の生き方を赤裸々に描き、異彩を放つ傑作長編。
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紙の本
男は狼なのよ
2019/11/16 18:43
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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
地方から上京してきて、小さなPR雑誌の編集部に就職した女性が経験する都会の生活。何か夢を追いかけるとか、運命的な出会いといったことはないのだが、現代において若い女性が遭遇する様々な危機をくぐり抜けていかなくてはならない。もうとにかく、男は若いのも中年も老人も若い女を手篭めにしようとし、人妻はそろって浮気したがっていて、中には変わった性癖の持ち主がいたりもする。
とにかく普通に生きていくだけで危険な誘惑満載なのがこの世の中である。純粋なだけでは生きてはいけない。一つ間違えば転落の人生が待っている。
そんな中で、仕事でも日常生活でも様々な出会いがあり、淡い恋があったり、処女喪失があったりで、人生経験を積み重ねていく。相当に理不尽な仕打ちもあるが、さほど絶望するでもなく、のんしゃらんとしているのは面白い。つまり世の中を無事に生き延びるための世間知を授けようというのがこの小説なわけで、いちいち立ち止まって深く考えたりはしないのだ。
だから人間的成長といったことも顧みられたりしない。たしかに型どおりの経験を積めば、おたおたしつつも生きていける。それで人生まっとうできる。別に成長なんてみんな望んでもいないのだし、明るくあっけらかんとしているのはいいんじゃないでしょうか。
さらに、当時の流行や社会情勢の雑学的知識を盛り込んで、なんか色々分かって得したような気になれる。美術界のゴシップから、性病、ワイン、自家菜園、麻薬、あたるをさいわいの勢いである。
確かに1970年代頃までは、「昔の人が言うことみたい」とか言われつつも、悪い誘惑への注意が口うるさかったわけで、しかし時代が変わったとしても、そこには一面の真理があったんじゃないんでしょうか。