地底旅行
著者 ジュール・ヴェルヌ (著) , 窪田般弥 (訳)
リデンブロック教授は,アイスランドの死火山の噴火口から地球の中心部にまで達する道が通じているといい,甥を同道して地底世界への大冒険旅行に出発した!
地底旅行
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秘境探検物のマスターピース
2005/08/02 00:42
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランスのベルヌ氏はウェルズ氏やシェリー女史らと並び近世SFの中心となった作家です。
本作も秘境探検物というジャンルに分類されますが、
後代の作家たちに大きな影響を与え手本となった作品です。
SFという言葉も無い時代の作品ですから、現代のSFの展開とは少し違います。
しかし、SFが本来、持っているはずのワクワク感は現代の作家たちより持っているような気がします。
マッド・サイエンティストが中世の錬金術師の残した暗号を解いて冒険の旅に出る。
地球創成期からの謎が彼らの眼前に、、、。
バローズ氏の「時間に忘れられた国」なども秘境探検物の名作ですが同じジャンルでも
展開や構成はまったく違います。
元来「ロスト・ワールド」「秘境探検」といったジャンルの作品は物語の導入部などに
論理的な難を抱えています。
何の脈絡も無く探検に出ることは無いでしょうし、誰も帰ってこない場所を
どうやって知ることが出来るのでしょうか?
偶然や伝説に頼ることが多い導入部ですがベルヌ氏は古文書の暗号を解くことによって
作品世界へ連れて行ってくれます。
物語はリデンブロック教授の甥アクセルくんの視点で語られます。
作中で色々な謎が出てきますが、すべては解明されません。
彼が見聞し考えた範囲でしか物語は進んでいきませんから、、、。
しかし、逆に作品のリアルさを増し、ドラマチックな効果を得ています。
今も世界のどこかの古文書に続編が暗号で残してあったりして、、、(笑
持っていたはずなんですが蔵書が見付からずに新しく購入してしまいました。
これだから新刊が読めないんですよねぇ、、、。
古典はやはり面白い
2001/03/25 02:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トリフィド - この投稿者のレビュー一覧を見る
19世紀のドイツ、鉱物学の権威リデンブロック教授が古書店でふと見つけた16世紀の錬金術師が遺した古文書には、彼がアイスランド死火山より地底に入り、そして地球の中心に到達した旨が記されていた。かくして学者たちは、地球の中心を目指す旅に出る。
ヴェルヌのこの『地底旅行』は、映画にもなったし日本語翻訳も数多く存在する。古典中の古典であり、SF基本図書の一冊であろう。
わたしも映画は観たし、おそらく多くの人と同じようにジュブナイル版を読んだことがある。しかし時間の経過とともにストーリーの細部が曖昧になってきて、「結局彼らは地球の中心にたどりついたのだったか?」などという点が気になっていたりした。そこで、このほど大人向けの翻訳で読み直してみたわけである。
さすがに10あまりの翻訳が存在する名作。今読んでもその面白さは少しも損なわれてはいない。登場人物たちのいささか芝居じみた大仰な立ち振る舞いも、まるで芝居の一幕を観ているかのようなおもむきがあったりして、19世紀のクラシックな作品世界にぴったりだ。
実際に地底に潜る前の導入部、子どもの頃にはひたすらまだるっこしかった記憶があるのだが、今回はやがて来る冒険を思ってわくわくする時間として大いに楽しんだ。これが大人になるということかと、いまさら思ったみたり。
この創元文庫版は、雰囲気に良くマッチするクラシックな挿絵がついており、とても楽しく読めた。
想像力の要塞
2017/05/17 22:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいて心躍る小説だった。地底に降りていくところから一気読みでしたね。暴走気味の叔父にしぶしぶついていくアクセルが面白い。水がなくなるところとアクセルが迷子になるところはハラハラしました。探検隊一行が3人だけというのも、最初は寂しい人数と思いましたけど、ハンス一人で十人分くらいの活躍をしてくれています。海底二万里も読んでみようと思います。
昔ながらの語り口のSF
2018/08/11 08:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Otto Rosenthal - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画「センター・オブ・ジ・アース」のモチーフとなる小説ですが、良くも悪くも荒唐無稽な冒険譚ではありません。実際の地底旅行を始める準備までで本編の4割くらいが費やされます。現代の小説に慣れている方には、かなり忍耐力が必要です。語り口や挿絵(これが銅版画風で楽しい)は大仰ですが、内容は意外に堅実です。