- カテゴリ:一般
- 販売開始日: 2010/12/06
- 販売終了日:2011/04/22
- 出版社: 辰巳出版Holly NOVELS
- レーベル: 辰巳出版Holly NOVELS
- ISBN:978-4-88386-292-4
読割 50
電子書籍
箱の中
著者 木原音瀬 (著)
堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。入れられた雑居房は、喜多川圭や芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した癖の...
箱の中
箱の中 (Holly NOVELS)
商品説明
堂野崇文は痴漢と間違われて逮捕されるが、冤罪を訴え最高裁まで争ったため、実刑判決を受けてしまう。入れられた雑居房は、喜多川圭や芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した癖のある男たちと一緒で馴染めなかった。だが、「自分も冤罪だ」という三橋に堂野は心を開くようになるが、三橋が出所してすぐに堂野の両親が詐欺にあってしまい夜中に悔しくて涙が止まらない。そんな時、隣の布団で眠る喜多川は…。心に響く刑務所BL登場!
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紙の本
まっすぐな愛情には応えなくてはいけないのか?
2006/11/28 01:33
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃい - この投稿者のレビュー一覧を見る
堂野に褒めてもらいたいためだけに絵を描き、ありがとうを言って欲しいために世話をやく。堂野のことを同じ部屋の芝は普通の男だという。喜多川は普通がどういうものか分からない。でも堂野は見返りなしに、頭をなでてくれる。何かをすればありがとうと言ってくれる。堂野は特別だ。
堂野は痴漢の冤罪で逮捕され、最高裁まで争ったため、実刑判決をうける。入れられた雑居房には喜多川、芝、柿崎、三橋といった殺人や詐欺を犯した男たちと一緒で、堂野は馴染むことができない。寒くても毛布一枚自由にすることができない、規則に固められた日々。慣れない生活に戸惑う堂野にたいして、19歳から9年間を刑務所で過ごしている喜多川は堂野を構いはいじめる。
恵まれていない少年時代を送り、そのまま刑務所へ入ってしまった喜多川は刑務所で初めて特別を見つけてしまう。一方、堂野はいままでごく普通の人生を送ってきた筈だった、なぜこんなことになってしまったのか。だがこれからは平穏に暮らして生きたい。喜多川を受け入れることはそこから、はみでてしまうのだ。
この著者の本をこの本ではじめて読んだが、暗い部分も明るい部分も全て、目の前に差し出される様な感じを受ける。
良くも悪くも人と人とが関わり合っていく上で、何もなかったことにはできないんだよと。物語はきれいな部分だけではないんだ。そして気がつくと、その隠しておきたい部分に引き込まれていた。
題名になっている『箱の中』は、刑務所の中での堂野と喜多川の話である。そして出所後の喜多川の話『脆弱な詐欺師』が書き下ろされている。またこの本の後編となる『檻の外』では、刑務所を出てからの堂野と喜多川の話が書かれている。
人生の中で特別を見つけてしまった喜多川は幸せなのだろうか。
電子書籍
感動作品です。
2015/08/31 00:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Sota - この投稿者のレビュー一覧を見る
喜多川の境遇は、涙なしでは、読めません。
そんな境遇で育ったにも関わらず、純粋な喜多川が、また、涙を誘います。
そして、堂野と出会うことにより、喜多川が、人間らしくなっていく過程が、微笑ましいです。
何と言っても、一途な喜多川の愛に、感動です!
紙の本
この一冊だけで読み終えてはいけない
2009/09/25 20:20
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
獄中のBLもの、などとかいたらなんだか凄まじいもののように聞こえるけれど、実に淡白で、現実に根ざした作品だった。
現実、すなわち現実の社会に生きるための常識・ルールは同性愛ほか禁断の愛(死語)においては不可欠なメタファーであると同時に最大の試練でもある。
たいていこの手の作品にはそっちのケがある男がノーマルな男に熱を上げてすったもんだの押し問答を繰り返した挙句、落とす、というのが定番。
期待を裏切らず、本書もそれに近い。そういう意味では新しさもなく、お決まりパターンではある。
完全にノーマルでまっとうな真面目な人生歩んできた堂野が痴漢の冤罪で獄中生活を強いられた・・・まともな人間にとって獄中生活は苦悩そのもの・・・というのはわかるけれど。
正直だからどうしたって言う域を超えない。その苦悩っぷりも生ヌルい。
けれど、中盤から後半にかけて喜多川という人間として「欠けた」同獄者がかかわり、彼の欠陥性が現れてくることで興味が出てくる。
彼が「普通の人間」である堂野に触れ、心を開き、子供のように吸収していく姿は痛々しくも感じるし、結局それがこの物語の主題になるのだと、ようやくわかる。
ノーマルな堂野が、いきなり同性の喜多川から告白されコトに及ぶ、そのことに対してこんな程度の感想なのか?普通もっと衝撃を受けるんじゃないか?などと感じてしまうわけだけれども。
それは獄中生活ゆえの麻痺なのかとも思える。
正直、深い感慨や感動を呼ぶ物語ではなかった。しかしそれでもこの作品を推したいのは続刊『檻の外』に感動したからだ。
是非、続編を読んでほしい。この『箱の中』一冊そのものが『檻の外』という続編(後半)のための含みだったと分かるはずだ。
紙の本
喜多川の物語
2017/11/30 14:26
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
喜多川の物語だったな~と読み終えての感想。
喜多川に逢えなくなるのが嫌で、残りの厚さを確めてはページをめくるのが躊躇われました。