人間万事塞翁が丙午(新潮文庫)
著者 青島幸男
呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋〈弁菊〉。人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁いできたハナは、さまざまな事件に出会いな...
人間万事塞翁が丙午(新潮文庫)
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商品説明
呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋〈弁菊〉。人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁いできたハナは、さまざまな事件に出会いながらも、持ち前のヴァイタリティで乗り切ってゆく。――戦中から戦後へ、激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、自らの生家をモデルにいきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。直木賞受賞。
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丙午の今年、まず読んでおきたい
2026/01/06 16:49
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第85回直木賞受賞作。(1981年)
作者の青島幸男さんは昭和世代にとっては懐かしい名前で、放送作家にしてテレビタレント、さらには参議院議員でもあり、のちに東京都都知事にもなる、超有名人。
受賞した時は、48歳。
青島さんは2006年に亡くなっているから、今年(2026年)没後20年にあたる。
受賞作『人間万事塞翁が丙午』は、もちろん故事「人間万事塞翁が馬」(人生幸せも不幸せも予測ができないということ)がもとになっていて、昭和初期の東京日本橋の仕出し弁当屋の女将で、青島さんの母親がモデルといわれるハナの半生を描いた長編小説。
このハナが丙午の女性。丙午については作中にこう書かれている。
「昔から丙午の女は亭主を喰い殺すだの、火事を招くだのと碌なことは言われない。」
けれど、ハナは「何時しか、そのことを嘆いたり悲しんだりしなくなり、その分、向う気が強くなり、しぶとく開き直るように」なって、戦中そして戦後をたくましく生きていく。
直木賞を受賞するにあたって、ほとんどの選考委員が評価している。
「群をぬいて面白かった」「文句なしに面白かった」「殆どの委員が票を入れた」といったコメントが続く。
中でも山口瞳委員が評しているように「どうしてもこれが書きたかったという作者の熱気が直かに伝わってくる」のは、読んでいておそらく誰もが感じるところだろう。
丙午生まれの母親であれ、気性の激しい母親であれ、やはり青島さんはこの女性を自分の手で描きたかったに違いない。