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変貌するアフリカ! 最新報告
2011/03/03 21:42
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投稿者:中島美保 - この投稿者のレビュー一覧を見る
何かと話題のアフリカ。
すさまじい経済成長で変貌するアフリカの「今」がひしひしと伝わってくる。
携帯電話をあやつるマサイ族、海外で高等教育を受けて帰国したディアスポラ、資源を求めるハングリーな中国企業まで、アフリカを動かす原動力がよく分かる。
新書サイズで読みやすい。
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多様なアフリカの地域モザイク
2012/08/16 21:32
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投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
先般NHKが「NHKスペシャル アフリカン・ドリーム」として放映した番組を、書籍にまとめたものである。NHKは時折アフリカに関する番組を制作している。アフリカはそれほど目を離せない大陸であり、変化が激しいということであろう。
今回のこの番組放映は3回に渡っている。3回でアフリカ全体は無理なので、今回はアフリカ東部から南アフリカにかけての国々の事情をまとめている。国としてはエチオピア、ウガンダ、ルワンダ、ジンバブエ、南アフリカ、ザンビアなどである。
本書もそれに伴っての国々の紹介である。この中ではルワンダに注目すべきであろう。ルワンダは言うまでもなくツチ族・フツ族の民族紛争の地であった。この紛争が終わり、それまで国外に出た人々が続々と帰国しているという。「ディアスポラ」と呼ばれる彼等は海外で高等教育を受けたエリートである。このおかげでルワンダの経済成長率は過去5年間で8%という。
エチオピアでは中国の進出が著しい。進出とは企業進出である。情報通信インフラを献身的に支えている姿が紹介されている。献身的といっても何も人間愛に目覚めて支えているわけではなかろう。当然、エチオピアおよびその他のアフリカ諸国に対する影響力を及ぼそうという国家戦略にほかならない。
中国のこのような戦略的な外交や援助を見ていると、わが国は一体何をしているのだろうという疑問が湧いてくる。国際的な規模で何かをしようとすれば、とくに国連などでの投票行為には大きな影響力を持つことは誰しもが考えることである。手元の資金が潤沢の間は資金援助だけで済ませることは容易であろう。しかし、実際に自国民を派遣して建設作業を援助することはなかなか出来ることではない。たとえ人口が10億人を超えていてもである。
最後は最も大きな問題を抱えているジンバブエである。大統領の失政によって国民が塗炭の苦しみを舐めている典型的な例を示している。国家財政が破綻したのである。一口にアフリカ諸国とはいうものの、どれにも通用する対策などはなく、独立した国家なので個別の事情を抱えている。
この国のドリームはいつ実現するのだろうか? 独立することが国民の願望であることは分かるのだが、独立してやっていけるだけの経済力をまず蓄え、さらに人材の育成に力を入れるという地味な努力が必要とされている。そんなことを考えさせるのが本書と番組の狙いであると思われる。南アフリカという大国を含む6つの章から構成されている。
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ビデオでみるほうがよいが,すでにみたひとがおもいだすにはよい
2011/10/29 10:17
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投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHK スペシャル 3 回分の内容を出版したものだ. 最近アフリカでおこっていることのスナップショットであり,話題はかぎられているが,アフリカにふるいイメージをもっているひとにはインパクトがあるだろう. 番組をみたひとはこの本を読むことによって短時間でその内容をおもいだすことができる. 写真も何枚かあるが,やはりビデオでみるのにくらべるとかぎられた情報しかつたえられない. みていないひとはビデオがみられればそのほうがよいだろう.
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南アフリカに出稼ぎにきた人の話のところは、実際にテレビで見ていた。
アフリカの希望の国、だってさ。
不法移民でも、国力をつけるために受け入れている国。そのせいで格差がすごい。
ケータイが日常に浸透したマサイ族。
ライオンが牛を食おうとしているのを見つけた人が、近所の人に電話しまくって、みんなでライオンを撃退した話はよかった。
西部劇みたいな世界と、現代のハイテクの融合。
ケータイのプリカを使って送金ができ、ケータイショップがプチ銀行のようになっている話には驚いた。家族を大事にする文化があり、それまでは出稼ぎをしていなかったけど、ケータイで話ができるから、男たちが出稼ぎに行くようになったということも。
アフリカには、中国人の進出が激しいと知っていたけれど、大卒で職にあぶれた人が必死になっているというのを知って、納得した。確かに大卒者は多すぎるから。しかし、彼らの住環境は、中国国内の出稼ぎ労働者と同じレベル、プレハブ小屋にバケツ。だけど、給料はばつぐんにいい。3~5年働いて中国に戻って、家が建つレベルだとか。アフリカの現地の人からは、大卒のインテリが田舎の第一線で働いてくれていると感謝されてもいるという。すごいわ。
ルワンダの内戦の話もすごい。いまや、出戻り族が政治を動かし、ものすごい経済復興をしているとか。だからこそ、二つの民族が未だにいがみあってる。けど、それでは国が発展しないから、協力しあおうという動きもあるけど、なかなかうまくいかないらしい。それってアメリカの白人と黒人がたどってきた道と同じじゃないか。歴史は各地で繰り返すのだな。
アフリカのどこだかの国で漁業が盛んだとか。けど、魚をとりすぎて、ピンチという話や、アイスランドの噴火の影響で出荷できないとかもすごい。グローバル、ボーダレスな世の中なんだなあ、と。
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リーマンショック以降も独自の経済発展を続けるアフリカ諸国。その現状を追ったNHK取材班によるレポート。
日本からは遠く、その実態が知られていないアフリカの今がわかる。
ひとつは情報革命。
携帯とインターネットの活用で天然資源や農産物の国際価格などの情報を得ることで、先進国の搾取による貧困から抜け出しそうという動き。中でも携帯電話を使いこなすマサイ族のエピソードには驚いた。
次に政治的な安定への動き。
中でも内戦による傷跡が残るウガンダで、ツチ族とフツ族との融和を目指す農園主のエピソードは涙なしには読めなかった。
そして経済発展の影に潜む問題点。
経済破綻した国からの難民を安価な労働力として発展を続ける「持続可能」でない経済。これは資本主義全体が抱える問題でもある。
アフリカはまだまだ何が起こるかわからない危うさを秘めている。
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中国人は大学を卒業してもアフリカに来なければ仕事がないから、勇んでくる。
アフリカの人々はとにかくたくましい。
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ひとくちにアフリカと言っても
その情勢は多様であった。
アフリカの国々は開発途上であるだけで
未開の地ではない。
もっとアフリカのことを知りたいと思ったが
自国のことをよくわからないのに
他国の問題を考えるのも本末転倒かなぁと思いながら
いつかかなえたい目標のことを考えた。
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アフリカは着々と動いている。アフリカの現況がわかりやすく書かれており、読みやすい。これからのアフリカに注目だ。
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NHKスペシャルのアフリカ特集の新書。
TV放送は見ていないけど、成毛眞氏(@makoto_naruke)のブログで紹介されていたので購入。
『ホテル・ルワンダ』や『インビクタス』といった民族解放の歴史がテーマになった映画はこれまで見てきたが、
本書では経済成長あるいは経済破綻、IT化、グローバリゼーションといった、極度の変化の渦中・フロンティアにいるアフリカ諸国に焦点を当て、東アフリカ諸国から南アフリカまで9ヶ国それぞれの変化の様子・変化のキープレーヤー・キーワードが解説・紹介されており、新たなアフリカに対する理解が深まり、勉強になった。
中国がビッグブラザーとして乗り込むアフリカは、もはや『沈まぬ太陽』の主人公・恩地が左遷された未開の地ではなく、フロンティアとして捉えなくてはいけないと思った。
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まえがき
第一章 携帯電話を駆使するマサイ族 —ケニア、ウガンダ
第二章 「悲劇の国」が「奇跡の国」に —ルワンダ
第三章 中国企業アフリカ進出最前線 —エチオピア、ザンビア
第四章 地下資源はアフリカを幸福にするのか —タンザニア、ボツワナ
第五章 経済が破綻した国の日常 —ジンバブエ
第六章 「格差」を経済成長のドライブにする国 —南アフリカ
あとがき 〜 1万キロの旅を終えて〜
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アフリカの過去、今、これからについて凝縮されている一冊。
とても読み応えあるし、アフリカ入門には最適。
アフリカ=貧しい イメージなんて突破らって今のアフリカを見つめたい。
アフリカのビジネスに何らかの形で関わりたい、小さな野心だけど、いつか実現させたい。
NHK取材班による作品ということで、
バランスのとれた見解で非常に読みやすかった。
ただ、もっと最後のまとめが欲しい気がします。
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「先進国の食い物にされる大陸」
アフリカのイメージはこうだったし、本書を読んでも変わらなかった。
そしてアフリカが自立するにはまだまだ時間がかかるとも感じた。
仕方ないことかも知れないが、他国の資本や知識を流入させ基礎を築いてからでなければ、「アフリカ独自の発展」は望めない。
そんな伸び盛りな国故にビジネスチャンスは多い。
しかし、「今の日本」はイメージ先行で大きく進出できず仕舞いなことがもったいない(不毛地帯のような時代の日本なら絶対進出していたはず)。
逆に中国は政府の意向も汲みつつ私企業がどんどん進出している。
そんな中で中国のアフリカでの強さは資金力ではなく、私企業であっても「国益とは?」という当事者意識を持って、ある意味で政府と連携して(チームワークを持って)事業展開している点にあると思った。
どんな分野でも一人でできることよりチームプレイの方ができることは増えることの実例。
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不幸な歴史に苦しめられてきた、豊かなる大地で何が起きているのか?このシリーズは変貌を続ける『アフリカの現在』が描かれています。アフリカの抱える光と影が色濃く映し出されています。
この本の元になったのはNHKスペシャルの番組でした。これは番組で放映された内容を書籍化したものです。僕個人に限って言えば、このシリーズを見てはいましたけれど、諸般の事情で何回か見落としていたので、今回この本を読む機会がああって、リアルタイムでは見ることができなかった回を補完することができて、非常にうれしかったです。
ここで描かれているアフリカは、僕個人がイメージしていたものとは大きく変貌を遂げていて、マサイ族の人間が中国から提供された携帯電話で出稼ぎに行っている男たちと会話をしたり、ルワンダではツチ族のディアスポラの一人で経済的に成功した人間がかつて対立していたフツ族の村で事業としてコーヒー農園を彼らとともに作り上げていこうとする姿には、読んでいて感銘を受けました。
しかし、ジンバブエのように経済的に破綻した国が、一体どういうことになったりするか、ということにも鋭く迫っていて、国全体が崩壊に向かってくる中にもそれに逆行して、とてつもない大金持ちが生まれて、その日常が写っていたりと、ロシアでもそうでしたが、こういう時期には、桁外れの大金持ちが生まれる、という事実は万国共通だな、ということを痛感しました。
そして、アフリカの豊富な地下資源を『新・帝国主義』を掲げる国たち、特に中国が国を挙げてのプロジェクトで現地に乗り込んでいく姿に、あの国が持つ、底知れないバイタリティーを感じます。アフリカの『今』を知りたいという方には必須の文献だと思います。
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久々にアフリカ関連本。
一方が何かを得れば
一方がその行為に不満を得る。
どのような仕組みが
彼らに、そして私たちに
win-winをもたらすのであろうか。
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9億人の大市場。資本主義最後の大陸アフリカ。とかく経済的観点から語られることの多いアフリカについて、NHK取材班が1年をかけて現地を取材した内容をまとめた一冊。
ケニアなどで普及する携帯電話、大虐殺の歴史から一転、急成長を遂げつつあるルワンダ、中国が国家、企業一体となって資源開発に挑むエチアオピア、ザンビア、そして経済破綻したザンビアと、そこからの移民を活用して経済発展を続ける南アフリカ。まさに更なる激動の時代を迎えようとする国々における人々の姿が生々しく紹介されている。
もしかしていつの日かアフリカでのビジネスに関わることになる可能性もあるだろう。中国、インドは既に発展途上国ではなく、しっかりと成長エンジンが回転している。一方でアフリカはまだこれから成長エンジンに点火されるかどうかという段階の国が多い。既にして中国、インドの進出に遅れをとっている日本企業だが、こういう地域こそ、官民一体となった先行的取り組みが必要なのではないか。ようやくインドとのビジネスに目覚め始め、アジアとの自由貿易協定が議論になってきた状態は、いかにも内向きで歩みが遅いと感じる。
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天然資源に頼る国
一部の富裕層が殆どのマネーを握る国
周辺国との格差にあえぐ国
政治腐敗が進む国
中国という「巨龍」に開拓され、携帯を持つマサイ族
その他、知らなかった国々が沢山。
非常に興味深いルポ。象牙海岸地域の本も読みたい。
ビジネスチャンスは多分にある地域、アフリカですが、全ての人々が平和に発展させるには、多くの問題があるな、と考えさせられました。