マリア様がみてる10 レイニーブルー
新入生の乃梨子(のりこ)に特別な親しみを抱く白薔薇・志摩子だったが、ロザリオの授受には踏み切れないでいた。そんな折、乃梨子が薔薇の館に呼ばれるが、紅薔薇の祥子(さちこ)と...
マリア様がみてる10 レイニーブルー
商品説明
新入生の乃梨子(のりこ)に特別な親しみを抱く白薔薇・志摩子だったが、ロザリオの授受には踏み切れないでいた。そんな折、乃梨子が薔薇の館に呼ばれるが、紅薔薇の祥子(さちこ)と口論になってしまい…!? 由乃(よしの)の剣道部入部に反対する令(れい)、半年前の“黄薔薇革命”では由乃はついカッとなってロザリオを突き返し、絶縁を言い渡したのだが…!? 「ロザリオの滴(しずく)」「黄薔薇注意報」「レイニーブルー」の3話を収録。
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憧れという感情
2005/03/20 00:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この「マリア様がみてる」シリーズを読んでいると、一番思うのは『憧れという感情』についてです。難しく書くと、憧憬とでもなるのかな?。ロサ・キネンシス・アン・ブゥトンである福沢祐巳のおねえさまへの感情って、ずっと強烈な憧れがベースにあるんですよね。それが非常に健全に、自分もふさわしくあるためにがんばろうというナチュラルに変換される彼女って、人として立派だよなー。いやまじで(笑)。それが強烈に出ているのが第一作目なんですが、あの頃の祥子お姉さまって、凄く遠い存在だったんですよね。読者の視点は、祐巳だから。でも『レイニーブル』『パラソルをさして』でどんどん等身大の小笠原祥子との心の距離が小さくなっていくのは、なんだか凄くいい恋愛を見ているようで、ドキドキする。
書評は、男性も結構多いですよねぇ。案外ファンが多いのかもしれませんねぇ。でも買うのはやっぱり勇気いりますよねぇ〜(笑)、男性ファンとしては。最初は、売れているというので何気なく手にとったのですが、全巻買って一気に読んでいるので、いまではかなりヘビーなファンですよね。ところで、ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン福沢祐巳ちゃんってかわいいですよねぇ! 天然でナチュラルところが。たぶん同性の目から見ても間違いなくかわいいと思います。僕は、カステラをもらったアライグマが、水で洗っているうちにカステラがなくなってしまって、それが理解できないで戸惑う姿が、いつも思い出されてしかたがないんです。祐巳は、他のキャラが濃い中で、とても普通。しかし、その普通の中に芯の強さや大切なものを、表現できる作者の描写力はさすがだと思う。
これは憧れの紅薔薇さまこと祥子お姉さまと妹祐巳の仲たがいから仲直りまでのお話。マンガ『めぞん一刻』で芸術的にまでなった代表的な黄金パターンである勘違いによる拗れと、思い込みによって自分を追い詰めていってしまう二人の姿は、みていてせつなかったなぁ。作者にしてやられているのは分かるんだけど(笑)。でも『レイニーブルー』で、自分の自信のなさのせいで、勘違いして、大切な人への信頼が保てなくて、自分の精神的に追い詰めてドゲトゲしくなっていく祐巳が、おじいちゃんの傘の件で立ち直りっていくさまは感情移入しているだけに感動した。本当にシンプルな話なんだけれども。こういうのを『強い』というんだと思う。単純そうな心の動きだが、大人になっても自信のない自分をふりきって外に目を向けることが出来るのは、生半可では出来ないことだと思います。とりわけ、祐巳の姿勢が変わることで、憎憎しげな松平瞳子ちゃん(縦ロール!!)が、すごくかわいくいじらしくみえてきてしまうから、自分の姿勢一つで世界が変わるんだなぁと妙に感動してしまった。
まぁ、なかなかティーンの少女が対象のライトノベルである本作品を男性が、しかもそれなりの年齢の男性が読むことはそれほどないかもしれないが。素直に、いいものを、いいと感動できる気持ちは失いたくないものだな、と思いました。個人的には、無駄に難解な文学作品を読むヒマがあれば、こういう作品を読む方が気持ちに訴える力があると思います。
「パラソルをさして」もご一緒にどうぞ
2002/12/13 11:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:浅倉卓司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「マリみて」の1巻を読んだとき、なんでもっと早く「マリみて」を知らなかったんだろうと思ったのですが、「レイニーブルー」を読んで気が変わりました。もし万が一「パラソルをさして」が発刊される前に「レイニーブルー」を読んでしまったら、その後は祥子さまのようになってしまったに違いありません(苦笑)。
もっともそれは祥子さまの祐巳への想いとは違って、「レイニーブルー」のラストの祐巳ちゃんを見てるのが本当につらかったから。いつも元気で明るい祐巳ちゃんが落ち込んでるのを見たくない、というのはもちろんあったけど、唯一無二と思っていた親友とちょっとした行き違いから喧嘩になって別れてしまった過去の自分と祐巳を重ねてしまったのです。
うかつにも読み始めたのが深夜だったため読み終わった時にはもう睡眠につかなければ翌朝に差し障る時間だったのですが、このままの気持ちでは満足に眠ることもできそうになく、すぐさま「パラソルをさして」を読み始めたのでした。
——というわけで。
こちらを買うときは「パラソルをさして」も忘れずにご購入くださいませ☆