年齢が近い主人公も多く、共感と言うよりも、胸の奥底を見透かされている感じ。
2023/09/23 12:15
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宮本輝の短編集。年齢が近い主人公も多く、共感と言うよりも、胸の奥底を見透かされている感じ。
それもそのはず。著者にとって短編小説は「血の一滴を無理矢理絞り出すかのような労苦を強いる」のだそうだ。
しかも、それを表さないようにしているというのだから、尚更だ。
共感と言うよりも、胸の奥底を見透かされている感じ。
2022/06/13 10:23
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宮本輝の短編集。
年齢が近い主人公も多く、共感と言うよりも、胸の奥底を見透かされている感じ。
それもそのはず。著者にとって短編小説は「血の一滴を無理矢理絞り出すかのような労苦を強いる」のだそうだ。
しかも、それを表さないようにしているというのだから、尚更だ。
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新しい短編集です。月に浮かぶ 舟を焼く さざなみ 胸の香り しぐれ屋の歴史 深海魚を釣る 道に舞う編の7短編が収められています。それぞれの作品の言葉に深い意味が込められてます。道理とか理由で物事を片付けようとしますが、人生はそれだけで割りきれないのだというメッセージがあるように思えました。
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後輩に宮本輝が好きな人が居て、気になっていたところ、図書館で見つけたので、読んでみた。短編集だった。短編集というのはたいてい、異色というか、そういうのが好きでわざと先に読んだりする。
私はミステリィとか推理が好きなので、なんていうか、人間の日常生活について書いているジャンルはそんなに進んで読まない。
そんな私が読んだので、初めは男女間の情事の話かぁと思っていた。
だけど、タイトル作品の『胸の香り』では、久久に本を読んだ、という感じがした。本を読んだあとに残るせつなさみたいなのを感じた。
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宮本輝さんの短編集。7篇の短編小説を収録。
「月に浮かぶ」が好きです。
海に浮かぶ月を見る。
静かな海に船を出し、杯をかわしながら月見をする。まるで手に届くほどの距離で、水面に月が浮かぶ。この情景描写がとても美しいと感じました。
どの小説にも、宮本輝さん独特の、妖しげな雰囲気、暗い陰が漂っていました。特にこの「月に浮かぶ」には。
巻末のあとがき、「一つの短編小説を書くことが、私にとっては血の一滴を無理矢理絞り出すような苦労を強いる」との宮本さんの言葉が印象的でした。
もう少し歳を重ねてから、もう一度読みたい一冊です。
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久々に宮本さん読みました。
3時間くらいあれば、がーっと一気に読めちゃう短編集ですが、この方の独特の余韻と言うか、雰囲気というか、短編なのに、じわじわと心に響くかんじで、さらっと読めるのに奥が深いです。読後感も悪くないし、けっこう好きです。
色んなパターンの人と人とのつながりを魅せてくれる1冊です。
個人的には、宮本さんが描く少年像は本当に素晴らしいと思っています。すぐ入り込んでしまうのは、少年の素朴な人柄と巧みな関西弁のセリフかしら。
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短編集は物足りない感があって苦手。
だけど、この作品は短編ながら中身が濃い。 印象的で良い余韻を残す作品ばかり。たまに読み返したいそんな作品。
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哀愁漂う大人たちの短篇集。それぞれの過去や、誰かを不幸にしている状況すべてひっくるめて郷愁をさそう話ばかり。
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これはすごい、というような作品はない。どれもが静かに頭の中で響き続けるような滋味深い短編集。本自体とは関係ないが、解説の「小説家は修羅」という言葉が気に入った。
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短編集。
文体とか、話の持って行き方とか、そこから作られる雰囲気とか…、とてもいいと思う。ただ、微妙にすっきりとはしない話ばかりで、一つ読み終えるごとに、胸の中に何か嫌なものが沈殿していく感じがする。不倫云々って読むだけでも何だか疲れるなあ。
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人々の胸に秘められた人生の喜怒哀楽を綴った7編からなる短篇集。
作者があとがきで書いているように、作者自身の身に起こった“母の死”が作品に強い影響を与えている。表題作の「胸の香り」は、静かな物語でありながら主人公の母の緊迫した胸のうちが語られていて、印象的な作品だ。「しぐれ屋の歴史」は、突然舞い込んだ〈しぐれ屋の歴史〉という小冊子についての問合せに端を発して、母の過去を知るという謎めいた物語。母に対する主人公の複雑な思いが描かれている。しかし幾分説明的になってしまっていて、人間関係もちょっとややこしい。
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「舟を焼く」「さざなみ」「胸の香り」いずれも不倫がストーリーの発端となっているようで、残るものは十色。「さざなみ」の真須美の強さが好きだなぁ。
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短編集。
「月に浮かぶ」と「舟を焼く」がいい。
特に「舟を焼く」のどうしようもなさがたまらなく切ない。
「深海魚を釣る」は伊坂さんの「オー!ファーザー」を彷彿させた。
「道に舞う」娘の姿にはっとした。
嘆かわしい状況も心の持ちようによって180度変わる。
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月に浮かぶ
80歳近くの母親が、お腹がいっぱいとなって
それが 自分が妊娠したと思い込む。
それを看病する 妻。
そして、愛人が妊娠したと聞いて、何らかの覚悟を決めざるを得ない。
海に映る 満月が 母親のお腹に見える。
いろんなものを 失うことで、人は生きている。
船を焼く
海岸沿いの静かな宿。
夫婦が経営しているが、若くもあり、年上に見えたり。
そこに、泊まった 二人は 出口が見えないことで、
別れようと思っていた。そしたら、その宿も 閉めるという。
経営する二人は 22歳で、別れることにしたという。
珠恵の霧のような汗がすてきなんですね。どんな感じなのか?
さざなみ
リスボンで偶然似合った女は いぜん 酔っぱらった時に
つきあったことがある女だった。その偶然に、驚くが
その女は 年老いた 夫婦の家に暮らしていた。
そして、ある決断をしたのである。
胸の香り
イースト菌の香りがする。香りはつねに思い出をつむぐ。
郵便局の女、パン屋、そして 夫の匂い。
それが つながっていくことで、不思議な歴史がひもとかれる。
しぐれ屋の歴史
流転の海に つながる アル中の母。
転げ落ちていく 父親。なぜ 私が編集者に。
深海魚を釣る
カバちゃんには 二人の父親がいた。
魚釣りに行って、オコゼを釣り上げた。
道に舞う
春子という日本人。
私は 叔母の家に預けられた。
その街の雰囲気は好きではなかった。
在日と北とのあつれき。
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短編集なのですが、どれも読みやすかったです。「真夏の犬」よりスッキリしてる感じがします。内容は結構かぶってしまってますが、全く別の話として割り切れるのが凄いなぁと。