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一万石の賭け
著者 沖田正午
かの水戸の黄門様の曾孫で隠居の梅白は供侍二人を従え江戸の町で“事件”を探していて、大道いかさま将棋を懲らしめる娘将棋指し「お香」と出会う。一方、とある藩と藩の賭け将棋に巻...
一万石の賭け
一万石の賭け 書き下ろし長編時代小説 (二見時代小説文庫 将棋士お香事件帖)
商品説明
かの水戸の黄門様の曾孫で隠居の梅白は供侍二人を従え江戸の町で“事件”を探していて、大道いかさま将棋を懲らしめる娘将棋指し「お香」と出会う。一方、とある藩と藩の賭け将棋に巻き込まれた骨董商の主は、お香の強さに店の窮地を救ってくれと頼む。梅白とお香が考えた、愚かな藩主らを諌める、必勝の一手とは?
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紙の本
天才少女棋士物語
2020/10/31 08:05
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投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸時代に将棋の天才少女がいて、それが何か事件を解決したりする人情溢れるおはなし。江戸時代に実際に将棋の女流棋士はいなかったかもしれないが、囲碁の女流棋士はいたので、まったくの荒唐無稽とは言えない。そこに至るまでの刻苦努力も興味深いが、くどくどしい説明は抜きでなんか天才だったという一言で片付けてしまうのがすがすがしい。その彼女が水戸藩の藩公の血筋のご隠居さんと知り合うが、それが暇のあまり先祖の黄門様を真似して世直しだか悪者退治がしたいとか言い出す、フィクションにフィクションを重ねる軽快なスタイル。
そもそも賭け将棋で一万石を賭けるとか、誰であってもそんなことできるわけがない。お家断絶コース。そんなハードルも軽々と飛び越えてしまう。賭け将棋を指す、いわゆる今で言う真剣師だが、なんのツテもなくホイホイ見つかるわけもないし、負けたら切腹モノの勝負ってどうなのよ。
天才棋士モノといえば、やっぱり竹本健治の牧場智久シリーズが印象的だが、そんなにディープな話ばっかりでもしょうがないし、カラッと明るく、もう、天才だけどなにか?と言うノリでさっさか行くのがいい。問題の解決はそこそこでも、美少女のわがままでおっさんが振り回されるのは楽しいだろう。そもそも賭け将棋の問題とか大した問題ではないし、それで黄門様風の世直し気分とは、もうほんとにおっさん天国、愉快この上ない。
将棋がブーム風にメディアで取り上げられることがあるが、べつにみんな将棋なんて好きじゃないし、興味もなくて、天才という言葉に群がっているだけというのが、この作品にも共通して感じられる。そういう消費のされ方であっても、大事なのはまず質より量であって、なんとかがんばってもらいたいものです。