アメリカの短篇小説の旗手オー・ヘンリーの短篇作品が十分に楽しめる一冊です!
2020/05/11 09:45
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、19世紀から20世紀の初頭に活躍したアメリカの小説家オー・ヘンリーの短編集です。彼は生涯において約280の短編作品を残しており、そのほとんどが市民の哀歓を描き出した作品となっています。イギリスの小説家サキと並んで短編の名手と呼ばれる人物です。表題作の一つ「賢者の贈り物」は非常に有名な物語です。貧しいジェイムズ・ディリンガム・ヤング夫妻がそれぞれ相手にクリスマスプレゼントを買うお金を工面しようとします。夫のジムは祖父と父から受け継いだ金の懐中時計を大切にしていましたが、妻のために鼈甲の櫛を買うために自慢の時計を売ってしまいます。一方、妻のデラはその金時計を吊るすプラチナの鎖を贈り物として買代わりに、夫妻が誇るデラの美しい髪を、髪の毛を買い取る商人マダム・ソフロニーの元でバッサリ切り落とし、売ってしまいます。物語の結末で、この一見愚かな行き違いは、しかし、最も賢明な行為であったと結ばれるというストーリーです。同書には、表題作2篇のほか、「多忙な株式仲買人のロマンス」や「最後の一葉」など全23篇が収録されています。心洗わるオー・ヘンリーの短編を十分に味わってください。
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投稿者:North Shin - この投稿者のレビュー一覧を見る
O.ヘンリーの賢者の贈り物は、中学校のときに、英語の教科書で初めて読んだものですが、本当に心温まる物語で、よく記憶に残っています。
この光文社古典新訳文庫で読み直して、改めていい物語だなーと思いました。
賢者の贈り物がマイベスト
2016/11/14 00:55
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投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
この話はいい。
お互いに相手を思いやるがゆえに
その贈り物が・・・。
でも、その思いやる心を確認できたから、その愛こそが
双方に最高の贈り物になったのかも。
こういう話を皮肉と片づける感性の無い人間にはなりたくない
ものだ。
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短編集ですが、ヘンリーの名前をきちんと知らなくても、聞いたことある!という作品があると思います。
なんていうか、日本語で言うところの下町人情モノというかんじの作風なので、雰囲気的には宮部みゆきに近いかも?
疲れた時に、ちょっと読んでほっとするのにぴったりです。
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古典新訳文庫読了3冊目。
さくっと読める短編にしようー!と買って読んだらがっつり読んでしまいました。なんてこったい(笑)。
油断できない話の展開、こう進んでいて……え、実はそうだったの!?みたいなどんでん返しもあり。
幸せな話だな、と思って油断すると痛い目を見ます。
逆になんて悲しい話なんだと思うと救われることも。
まるでマジックショーを見ているよう。
日本風にいうのならば、粋な話が多くて満足でした。向こうの言い方ならばウィットに富んでるというんだろうか。
今まで読んできた新訳よりは、今まで出されてきた訳し方に近い。
それでも少し古臭い……と言っては失礼かもしれないけれど、古典らしさを出しながら読みやすく、ちょうどいい感じです。
なにはともあれ満足でした。他の短編も読みたくなる!
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2010.1
よく知っている話あり、初めてみる話あり。心温かくなる話が多いです。元金庫破りの話は、どこかで何度も目にした話だけど、一番好きな話かな。
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Witはきいてるので面白くないわけではないのだが、1Q84を読んだ後のせいか、古くさい感じがして、途中放棄。
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O・ヘンリー「1ドルの価値/賢者の贈り物、他21編」
さすが短編の名手だけあって100年以上前に書かれたものでも古びてない。上手いなぁ〜って思う。でも、イマイチな話も多かったかも。p216の「二十年後」からの四つ。「最後の一葉」「警官と賛美歌」「賢者の贈り物」は読んで損無し。「最後の一葉」はこれがオリジナルなのか!って発見出来るし、「警官と賛美歌」は思わずニヤリw 「賢者の贈り物」小さい頃に誰でも読んだ事あるよね。
「多忙な株式仲買人のロマンス」
「献立表の春」
p22
・暦が白々しくも「春が来た」と嘘をつく時期になった。
・春とはなんと驚くべき魔法使いである事か。石と鉄で出来た、この冷たい大都会にも、季節の便りを届けてしまうのだから。
「犠牲打」
p40
・あれがその昔、俺が夜も眠れないほど想い詰めた娘なんだからね。
「赤い族長の身代金」
p50
・こういう田舎に片足を突っ込んだような街では〜。
・ウェルター級の熊並みに暴れやがった。
「千ドル」
・おしゃれな話。
「伯爵と婚礼の客」
「しみったれな恋人」
p109
・それがショップガールの笑みというやつだ。心によほど固い鎧を着込んでいるか、キャラメルでもなめているか、あるいは気まぐれな愛のキューピッドの悪戯を軽く受け流すぐらいの気持ちの余裕があるか、いずれかの防衛手段を講じておられないようなら、この手の笑みは避けた方が無難だとここに強くご忠告もうしあげておきたい。
「1ドルの価値」
「臆病な幽霊」
「蘇った改心」
p173
・胸を焦がした想いも成就した。
「十月と六月」
「幻のブレンド」
「楽園の短期滞在客」
「サボテン」
p227
・おいおい、トライズデイル、一体どうしたんだ? 全世界の不幸をひとりで背負い込んじまったみたいな顔をして。それじゃ、君が結婚したのかと思うぞ。
「意中の人」
「靴」
「心と手」
「水車のある教会」
「ミス・マーサのパン」
「二十年後」
「最後の一葉」
p325
・あの窓の向こうの木の葉が落ちたら私は死ぬの、っていうドラマのオリジナルなのね。
「警官と賛美歌」
p340
・「枯れ葉が一枚ソーピーの膝の上に落ちて来た。それは冬将軍からの名刺だった」
枯れ葉が落ちて来た事を「冬将軍」からの名刺と表現していた。冬将軍が毎年名刺を配るから冬支度が出来るってもんだって。
・「裏切り者のズボンとおしゃべりな靴」←貧乏だとすぐわかってしまうという意味。
・ソーピーは自分が落ち込んでいた深い穴を振り返った。今の自分を造り上げている自堕落な日々を、下劣な欲望を、枯れ果てた希望を、無駄にしてしまった能力を、さもしい目的振り返り、空恐ろしくなって慌てて目を背けた。
「賢者の贈り物」
p356
・神様お願いです。私の事を「やっぱりきれいだって」あの人に思わせて!
解説
p376
・ペンネームの由来は、生涯に一度だけ受けたインタビューで、新聞の社交欄にあった平凡なヘンリー名を選び、とびきり簡単で呼びやすいOをファーストネームしたと語っている。
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やっぱり、ゆうめいどこの『賢者の贈り物』・『最後の一葉』
がよかった。
あとは、『甦った改心』がすごく好き!
人生のなかの一場面がすごく特別なものに思える。
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賢者の贈り物をちゃんと読みたいなと思い短篇集を買ったわけですが、いくつか知ってる内容がありびっくりしました。最後の一葉もO・ヘンリーだったんですね。都会派といわれてるみたいだけど、ところどころ牧歌的な物語もあるし、粗暴なものもあって幅広く楽しめます。最後に物語をぐるんっとひっくり返してしまう手法も好きです。短編だけど、ひとつひとつに教訓を探してしまう、その物語の深さに惹きつけられますね。
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40年振りのO.ヘンリー。天まで届けとばかり背伸びしていた大学時代は異端こそ正統であり、よく言えばハートウォーミング、悪く言えばお涙頂戴のO.ヘンリーなど文学の範疇外だった。どうせ読むならサキ、ビアス。ところが此の度読み返してみるとなかなか面白い。O.ヘンリーと言えば都会が舞台の小粋な人情話が定番だが、米国南/西部、南米を舞台にした話が何編か入っている。遠くに住んでいて偶に故郷に帰って来る伯父さんの法螺話みたいな雰囲気が実に良い。私も甥っ子にとって、そんなちょっと不思議な外国住まいの伯父さんにならなきゃ。
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2012.8.4読了。
「最後の一葉」「賢者の贈り物」なんて名作も良いけど、それ以外もかなり素敵!ちょっとした幸福感、ちょっとしたおかしみ、ちょっとした救済。
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アメリカ、ニューヨークを舞台とした短編小説群
最後の一葉、賢者の贈り物で有名なO.ヘンリー
読みやすいが、所々落ちが意味不明なところがある。原作での言葉遊びの類いだろうか?それとも時代や地域性の問題だろうか?または宗教的な基礎知識だろうか?
いずれにしろどの作品も市井に生きる人々の心暖まる話が多く、癒される。たまに皮肉めいた作品もあるが
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「最後の一葉」が読みたくて購入。
ほかに、「献立表の春」「警官と賛美歌」「賢者の贈り物」がいい。
400ページ弱で23編なので、ごく短い小噺のような感じ。
オチだけで勝負してる感じが潔いが、冴えないオチもいくつか。。
「最後の一葉」は、ベタなんだけど、傑作という言葉の用法として辞書に丸々載せたらいいと思うくらい好き。
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代表作「最後の一葉」「賢者の贈り物」は別格の出来だが、他はちょい温くて捻った恋愛話が続く。その中でもパン屋の女主人の片思いの話が一番スパイスが効いて印象に残った。