宝島
著者 スティーヴンスン (著) , 村上博基 (訳)
港の宿屋「ベンボウ提督亭」を手助けしていたジム少年は、泊まり客の老水夫から宝の地図を手に入れる。大地主のトリローニ、医者のリヴジーたちとともに、宝の眠る島への航海へジムは...
宝島
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商品説明
港の宿屋「ベンボウ提督亭」を手助けしていたジム少年は、泊まり客の老水夫から宝の地図を手に入れる。大地主のトリローニ、医者のリヴジーたちとともに、宝の眠る島への航海へジムは出発する。だが、船のコックとして乗り込んだジョン・シルヴァーは、悪名高き海賊だった……。胸躍る展開と個性的な敵役、臨場感あふれる描写。新訳では少年の成長に光をあて、大人の読み物として甦る。
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イギリス冒険小説作家ロバート・スティーヴンソンによって書かれたハラハラドキドキの子供向け小説です!
2020/05/10 09:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、イギリスのスコットランド出身の小説家ロバート・ルイス・スティーヴンソンによって著された子供向け海洋冒険小説です。この物語は、ある海辺のさびれた宿屋に、ビリー・ボーンズという顔に刀傷があり大きな箱を抱えた謎の大男が現れるところから始まります。宿屋の息子のジム・ホーキンズ少年が本作の主人公であり、語り手です。ビリー・ボーンズは「片足の男」にひどく脅えており、ホーキンズ少年に「片足の男に気をつけろ。4ペンス銀貨やるから、片足の男が現れたら、すぐ俺に知らせろ」と言いつけます。さて、この後、本当にこの片足の男は現れるのでしょうか?また、彼は何者なのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読み下さい。
大人の鑑賞に耐えうる作品として紹介した新訳。
2008/04/14 20:57
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:求羅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『宝島』を知らない人っているんだろうか。
子どものための世界文学全集の中に必ずといっていいほど入っていた上に、「男の子におすすめの児童書」の筆頭に挙げられていた覚えがある。たくさんの翻訳が出されているのも、人気の高さを物語っているといえるだろう。
ただ、子どもの頃『宝島』で繰り広げられる冒険に胸躍らせた読者でも、この作品の小説としての素晴らしさを知っている人は、案外少ないのではないだろうか。かくいう私がそうだった。これまでの『宝島』が、児童文学として紹介されていたのに対し、大人の鑑賞に耐えうる作品として提示してみせたのが本書の新訳である。
読み始めてみると、宿屋の息子のジム少年が泊り客から宝の地図を手に入れる場面や、知りあいの医師らとともに宝を求めて出航するくだり、島での大冒険など、子どもの頃読んだきりのストーリーをはっきり覚えていることに驚いた。記憶に残るぐらい、楽しい物語なのだ。
反対にこの作品が、のちにジムが宝島での一部始終を書き記す形式で描かれていたこと(途中で医師と語り手を交替する場面もある)は、まったく記憶になかった。一人称で語ることによって、一癖も二癖もある海賊たちの姿や航海の様子が、じつに生き生きと、リアリティーをもって迫ってくる。
また、物語を縦横無尽に飛び回るジムだけでなく、律儀なのかのんびりしているのか分からない母親の可笑しさや、人はいいのに少し抜けたところのある地主の憎めなさ、陽気な顔とぞっとするような冷酷な顔を併せもった海賊シルヴァーの怖さといった他の登場人物に至るまで、個性豊かに描き分けられている。
すべての翻訳を読んだわけではないが、『宝島』は、ストーリーのおもしろさを重視してくだけた表現になるか、航海(海賊)用語に気を取られるあまり硬い(説明的な)文章になるかのどちらかだったように思う。
本書は、イメージしにくい箇所があるとはいえ、語りの躍動感と人物造形の巧さ、多くの資料に裏打ちされた真実味ある18世紀の航海事情といった、小説・『宝島』のもつ魅力をバランスよく訳したといえるのではないだろうか。
訳者あとがきで翻訳の苦労話が書かれているが、航海に馴染みのない者には読みこなすのが難しい作品なのかもしれない。
未来への道しるべ
2020/04/20 22:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
宝の地図に導かれて、冒険へと繰り出していく主人公・ジムが勇ましいです。凶悪な海賊たちや、無気味なオウムも心に残ります。
怪しい地図に、肩にオウムを乗せた片足の海賊、
2008/08/03 15:59
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃読んだ「宝島」の記憶はこんなものである。大人になって読み直すのにはとてもいいこの文庫シリーズでこの物語が翻訳された。さて、どんなお話だったのか。
宝島の地図を持っていた男が死に、地図が主人公の少年の手に入るまでの秘密めいたおどろおどろしさはやっぱり面白い。それに比べると、「ちゃんとしたドクターや、船一隻をすぐに買えるほどの地主さんがなんて簡単に地図を信じてしまうんだろう」と大人になった今は変に思ってしまったりする。宝島に着いてからの海賊たちとの戦い、船を奪い返したりする主人公の冒険は今でも手に汗握った。子供向けの翻訳で読んだからなのだろう、昔はこんなに殺戮場面の描写が多いとは思わなかった気がする。地図の解読の謎、というのはたいしてなかったのだな、という拍子抜けもあった。子供の頃には謎解きの面白さがあったように記憶していたのだが、子供にはそう思えただけなのかもしれない。
これまでこの文庫のシリーズで扱われた「子供向け」と言われた物語の新訳には、思いのほか言葉使いが高尚であったり、大人にしかわからない表現があったことなどに気づかされるものもあった。この作品は、一つ一つの文がとても短いせいもあるのかもしれないが、ああ、やはり子供向けの本だった、という感じである。それにしては流血場面が多いが、昔の話は子供向けでもそんなものだったのか。
この古典新訳シリーズ、どの翻訳者も思いいれ、気迫のあるあとがきを書いている。本書でもそれがなかなか面白かった。初めて外国語で読んだ本、独力で読み通した小説というのは確かに思い出深く、何かを残すものなのであろう。翻訳するにあたって、原著がどうもいい加減な時にどうするか、の話も興味深かった。「宝島」は航海や地図の話であるから方位はとても重要なのであるが案外矛盾する箇所があるとのこと。翻訳する人が結構直していたりする、ということもあるから話はややこしい。子供はあんまり気にしないで読んだのかもしれないが。
大人向けに(それと大人になってから主人公が書いた、という設定もあるのだろう)船の用語などに難しい言葉が随分使われている。でも、「突兀(とっこつ)とそびえていた。」とか「腕を磔刑像のように左右にのばし」などは、いまでは大人もこんな単語は使わないだろうと思う。そのあたり、「いま生きている言葉で」書いていただけたらもっと楽しめたと惜しまれる。