- 販売開始日: 2012/04/01
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-115611-8
闇は知っている
著者 池波正太郎 (著)
十七歳の僧・隆心は、彼の心を踏みにじった後家お吉を絞殺し、故郷から逃げ出す。山崎小五郎と名を変え、金で殺人を請負う〈殺し屋〉となった彼は、天与の美貌と剣技にものをいわせ、...
闇は知っている
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商品説明
十七歳の僧・隆心は、彼の心を踏みにじった後家お吉を絞殺し、故郷から逃げ出す。山崎小五郎と名を変え、金で殺人を請負う〈殺し屋〉となった彼は、天与の美貌と剣技にものをいわせ、平然と女を犯し、人を殺すが、育ての親である隆浄和尚と対峙したとき……。抜き差しならぬ人間関係のしがらみと、一瞬の気の緩みが死につながる暗黒街にうごめく男たちの凄絶な世界を描く時代長編。
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江戸時代の多様な社会情勢が見えてくる
2009/05/31 21:20
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波正太郎の時代小説である。江戸時代の江戸での話である。長編であるが、それほどは長いというわけではない。一頃、テレビでもお上が裁いてくれない悪者どもを、始末してくれる仕事人の活躍を描くドラマが流行った。殺しの請負人である。
本書の主人公も、某藩の藩主筋の落胤であることが、冒頭で伏線として描かれている。伏線らしき描き方をしていても、いつまで待ってもそれが登場しない小説も見かけるのだが、今回は最後に明かしている。これがないと、読後、何となく気掛かりが晴れないのだが、今回は明快であった。
寺に預けられた子供が、そこから逃げ出して世間の冷たい風に触れるが、それにつぶされず、ついには殺しの請負人になるというのがおおまかな筋立てである。読者は子供の頃の生い立ちから描かれると、どうしても主人公の出世、大河ドラマを想像してしまう。しかし、小説が超長編ではないので、この辺りで留めなければならなかったのかも知れない。
池波は、殺しの請負人の日常生活や周囲の人々との関わりあいに重点を置いて描いている。池波の作品の中には盗賊や香具師の元締めなどを中心に描いたものが多いのだが、本編でも主人公と当時のその筋の接点や葛藤が面白く書かれている。
武士と町民との区別が曖昧になってくる平和な時代の話、つまり江戸の町民が力を貯え、武士の時代が終わろうとしている時代である。江戸時代も様々な様相があり、初期と中期以降ではかなり違うことは歴史の教科書でも学んだことだが、こうして小説として武士と町民が一体となった江戸の世界を読んでみると、そのイメージがよく理解できるのである。
最後の解説を読んでみると、池波の『闇の狩人』を読まないわけにはいかないだろうと書かれていた。こちらはさらに長編のようだが、是非読んでみたい。本書で脇を固めた登場人物が再登場しているようだ。
終わり方は賛否両論か
2018/05/28 11:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ガンダム - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波さんの本はよく読みますが、どれもなるほどと思わせるものが多いですが
これも楽しめます。ただ全体のストーリー展開の中からこの終わり方は、以外でもあり
もう少し、ひねりがあってもと思います。でもよかったです。