魔法使いなら味噌を喰え!
「魔法」の存在が明らかになってから、約100年。人類は科学に匹敵する「力」として、魔法の研究にまい進した。しかし、魔法抑止物質「MISO」が発見されたことで、「魔法」は、...
魔法使いなら味噌を喰え!
商品説明
「魔法」の存在が明らかになってから、約100年。人類は科学に匹敵する「力」として、魔法の研究にまい進した。しかし、魔法抑止物質「MISO」が発見されたことで、「魔法」は、特別なものではなくなり、ただの一技術として扱われることになった――。それはそれとして、魔法学校に通う高校生・八丁屋将太が朝、味噌汁を味わっているところに乱入してきたのは、魔法発祥の地・マジエールのお姫様で――。
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味噌汁の飲めない世界
2015/08/27 10:34
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
中央ヨーロッパの小国、マジエール公国がこの世界にもたらした魔法は、その絶大な効果により、瞬く間に世界中へ伝播した。かくして魔法は、国家戦略上、欠くべからざる要素となったのだが、それも、日本が魔法抑止物質「MISO」を開発したことで一変する。
大豆の発酵食品から抽出されたMISOは、それが散布された範囲では魔法が使えなくなる。ゆえに、世界を席巻するかに思えたマジエール公国は、今も魔法分野で世界トップでありながら、小国のまま存在している。
そんな世界の魔法高校に通う八丁屋将太のもとに、マジエール公国の第二王女、アルテミシア・ジュブヴィエーヴ・デ・マジエールが降ってくる。将太の母親が彼をアルテミシアの教育係として推薦したらしい。しかし、将太の魔法の実力はかなり低い。それなのになぜ…そう、将太には、他の魔法使いには使えない魔法がひとつだけ使えたのです。
アルテミシアを連れ戻すためやって来た護衛のマヌエラ・ベシェントリに殺気を向けられたり、アルテミシアの姉のセレスティーヌ・エディト・デ・マジエールには恋人役をさせられたり、セレスの婚約者のタパニ・ピエール=オーギュスト=ルイ・デ・マジエールが引き起こす陰謀に巻き込まれたり、彼の日常はグチャグチャ。それでも今日も、一緒に暮らす担任の田中麗羅や、友人の諸岡武一と共に、この世界から失われて久しい味噌を食う。
魔法とそれを阻害する物質、そしてその効果を打ち消す力という、いかにも中二的な設定を用いつつも、無難に着地させている。魔法の設定的には「オワ・ランデ!」にかなり近い。あんなエロさはないけど。
この世界に味噌がない理由と、その効果についてきちんと説明したことには好感が持てるが、クライマックスの後出し設定にはちょっと不満。魔法のインフレーションを起こして解決に持っていくのも中二的な気がする。
次巻以降は、アルテミシアやセレスを煙に巻く公王が登場して圧倒的な存在感を示すのか、あるいはあくまでも影の存在として物語を締めるのか、そのあたりに注目してみたい。