折に触れて読み返したい
2016/02/19 16:12
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なりす - この投稿者のレビュー一覧を見る
先の大戦にまつわる本をいろいろ読んできましたが、東京裁判とフィリピンでの無謀な戦いについては、かなり克明に学ぶことができます。
日系アメリカ人が米国にどのように扱われてきたか。米国人性、日本人性についても知ることができます。人はだれかをターゲットにして差別しないでは生きておられない存在なんだと。
最終巻で、主人公が拳銃自殺するシーン、心理描写はわたしにも手に取るようにわかり、読後はものすごいしんどかったです。深夜に読むべき小説ではありません。この小説を読むと「アメリカ人のおかげで日本が復興できたんだ」などという論にはたどり着かないです。
来月のテレ東での放送に向けて、予習しています。
2019/02/19 19:46
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投稿者:御室 みやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
山崎豊子さんの作品、これまでもたくさん読んできました。
戦争三部作と言われている『不毛地帯』の後、次に読んだのが、『二つの祖国』です。
日系移民として、アメリカで生活しているにもかかわらず、ジャップと呼ばれ続け、差別される、そして、収容所に収容されるなど、読むたびに、ページをめくる手が止まってしまうことも何度かありました。
特に第二巻の後半では、広島と長崎の原爆の悲惨さを目の当たりにした描写、第三巻の東京裁判の通訳のモニターとして活躍する主人公の天羽賢治から見た戦後日本そのものを写しています。
賢治の妻エミー(恵美子)は、そんな彼の姿を理解し、支えようとしない、そんな印象すら感じてしまいます。もし、賢治が新聞社時代の同僚 井本 椥子と一緒になっていたら、ストーリー展開は違ってくるのかな?
第一次世界大戦はもちろん、その後の第二次世界大戦、太平洋戦争など、半世紀以上前の戦争は、どんどん過去のものと化し、風化していますよね?また、1990年代の湾岸戦争はもちろん、アフリカの一部地域で紛争が起きていることなど、今後私たちがこの現実から目をそむけないよう、この本を通して学んでいきたいと思います。
来月、テレビ東京で2夜連続で放送されるに当たり、今、読み返しています。放送当日までにきちんと、戦前、戦後の日本史や社会情勢をきちんと把握しておかないと・・・
日米開戦と日系2世たち
2024/05/31 16:53
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
「二つの祖国」は、NHKの大河ドラマ「山河燃ゆ」の原作でもあり、最近ではテレビ東京でドラマ化された作品がすごく良かった。
日米開戦時にアメリカにいた日系2世については、それなりに書籍や映画の題材にもなり、知られるようになってきたが、その実情について知るには、やはりこの小説だと思う。
フィクションであり事実でない部分も少なくないだろうが、全体としての真実性はあり、想像力で、当時の状況を学ぶことができる。
一巻は、アメリカへの忠誠が問われる、忠誠テストの場面まで。
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またまた山崎豊子。
すきやわ~。
二つの祖国は、太平洋戦争時代のアメリカでの日系2世のお話し。
敵国アメリカでの日本人の扱い・・・。
戦地でなくとも、戦争の非人道的な側面が浮き彫りになっています。
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新版になったので、こちらも登録。今度は4分冊です。
ロサンゼルスの邦字新聞『加州新報』の記者天羽賢治、ケーン。
彼とその家族の運命を通し、真珠湾攻撃、ヒロシマ、東京裁判と
太平洋戦争の荒波の中で身も心も切り裂かれながらも、
愛と祖国を求め続けた日系人の悲劇を描いた感動巨編。
山崎豊子を読むのは沈まぬ太陽以来2作目。
例によって、本屋で平積みになっていたので、
何気なく買っただけでしたが、またしても
山崎豊子の世界に引き込まれました。
父祖の国日本に対する誇り、そしてアメリカで生まれた
ものとして、自由の国アメリカに対する誇り。
二つの祖国に対する誇りの中で葛藤していく賢治。
そして、正義を貫けば貫くほど回りには理解されない
このジレンマ。
先の戦争の中で、多くの人々が苦しみを味わいましたが、
彼らほど数奇な運命をたどった人もいないでしょう。
今まであまり詳しく知ることのなかった、フィリピンでの
激戦の様子や東京裁判のことについても、彼女ならではの
記述で詳細に知ることが出来ました。
日経新聞で東京裁判の検証が特集記事になっていましたが、
こっちのほうがその裏の人々の心情まで描かれていて、
その場の雰囲気を感じることが出来ます。
ちょうどこの本を読み終えたとき、靖国神社の
すぐ近くで結婚式でした。翌日、なぜだか靖国参拝
したいという気持ちになりました。
それは二つの祖国の間に挟まれながらその人生を
送った賢治の忠魂の気持ちなのか、激戦の中で
日本の勝利のために命を捧げて逝った日本兵のことを
思ってなのか、はたまた、勝者の裁きによって、
死刑となったA級戦犯のことを思ってなのかは
自分でもよく分かっていません。
ただ一つ確かなのは、人々をこうやって引き裂いてしまった
戦争を繰り返してはいけないんだというその祈りを
捧げたい。そんな気持ちが芽生えたということだと思います。
今また戦争歴史観が話題となっていますが、
結果的には、アジア諸国に対して日本が侵略行為と
取られる行為を行ったというのは覆しようのない事実です。
しかしながら、その時々を生きた人たちにとって、
自分の立場でそれぞれが正義だと信じる路を歩んだんだと
思っています。
国家のレベルと個人のレベルでは分けて論じるべきかと。
http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2008-11-02
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何度も読み返す本。山崎豊子作品の中でマイベスト。
ケーーーーーン!!
映画化したらケインコスギにケーンをやってほしい。
perfect!
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「大地の子」をNHKで見て原作を読み、中国残留孤児という第二次世界大戦の犠牲者の存在を知った。またそのあまりにも苛酷な人生について涙せずにはいられない。同様に戦時中のアメリカでの日系二世の物語。戦争という異常事態に翻弄される人生に心が痛くなる。
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第2次世界大戦における、日系2世のお話。
そういった時代背景に興味のないかたには
かなり読み進めるのがキツいと思われマスが
興味のあるかたには読み応え充分、デス。
両者ともにそれが顕著だろうと推測されるのが「東京裁判」の部分デス。
かなり長く、詳しく書かれてまシタ。
ワタクシ的にはラストが重すぎて読後が辛かったデス(泣。
私自身が原爆被爆2世なもんで、
その本当の怖さを知っていただくためにも
ヒロイン・梛子さんに是非ご注目いただきたいデス。
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アメリカに10年住んでいた私。
しかも、住んでいた家の近くに、
太平洋戦争中に収監された日本人収容所があったそうです。
そのせいか、日系のご老人の方々を見かける機会が多く、
私たち世代が、平和にアメリカで暮らせるのも、
この人達の苦労のおかげなんだなぁ〜と
いつも感謝を気持ちを持っていました。
でも、そういう気持ちになったのは、
この本を読んでから。
戦争中、同じ日本人で苦労された方々がいた、
ということを知らずに、
アメリカで日本人として暮らしていた時があったかと思うと、
恥ずかしくなりました。
民族の時代を知る、歴史を知る、というのは
とても大切なことで、
自分たちの人生も、
先代の苦労の上にある、ということを
忘れてはいけない、と強く思いました。
そして、何より、
今、自分の子供達はアメリカ生まれの日本人。
2つの国を、どう教えて、
どんな風にアイデンティティを築きあげていくか、
この本を読んで考えるようになりました。
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テレビの「99年の愛」の話をしながら、母が勧めてくれた本です
いつの世も カタチは違えど 戦争だ...と思いました
二者択一は難しいし...
私的には 生みの親vs育ての親...みたいな...
またいつか読んでも、きっと 新しい何かを感じられそうです
あのコカ・コーラ 私にも飲めるだろぅか...
ファイト‼
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1980年~ 山崎豊子
相変わらず山崎豊子の小説は長い、重い。
日系二世の苦悩を描いています。第二次世界大戦勃発後、収容所に入れられ、アメリカ人として戦争に行き、たまたま日本に帰ってた弟は日本軍として参加し。
終戦後の東京裁判までアメリカ人なのか日本人なのか苦悩、どちらからも差別され、苦しめられ。
想像を絶する苦労をしたことでしょう。
主人公の天羽賢治、忠の兄弟は実在の兄弟がモデルになっているようです。
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戦争に巻き込まれる日系二世の事実を題材にした小説。
こういう事実があったことを、私たちは知っておくべきだと思いました。
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山崎作品の中で一番好き。素晴らしい骨太歴史ドラマ。在米日系人の話、むしろ太平洋戦争事体、とても大切なことなのに学校では詳しく習わないので、誰もが学生時代にぜひ一読するべきと思う。それにしても賢治さんは優秀すぎる。
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日本人・日系人たちが差別され迫害を受けた事実を知る一冊。
太平洋戦争を日系人の目線で描いた大作。
TBSドラマ「99年の愛」も合わせて見るといいかも。
http://www.tbs.co.jp/japanese-americans/
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20111026読了。
アメリカに生まれアメリカ人として育った日系二世たちが巻き込まれる第二次大戦の物語、の初編。第二巻の展開が気になる。。。
一夜にして母国から敵性外国人のレッテルを貼られ、強制収容所に入れられる、父祖の国への愛情とアメリカ市民としての義務の狭間に悩み自分のアイデンティティで苦悶する、というのはなんと哀しい現実だろう。作中のアメリカがそうであったように、当時のドイツイタリアや日本にも、侵略されたアジア諸国にもそれぞれの苦悩があったと思うとやるせない。
被害者であり加害者であることの表裏一体、同じ人間同士が差別と迫害をし合う愚かさ、ネトウヨが蔓延する現在の日本の風潮や、単一眼的な思考やアジテーションの恐怖。などなどニンゲンの嫌な面をたっぷり見せられ、いろんなことを考えさせられた。
改めて小説というのは、人生を何通りにも膨らませる。他人の人生の追体験体験だと思う。彼らの濃密な人生と平和で安穏たる自分の半生は比べものにならないが、せめて胸に刻んで忘れずに生きていきたいと願う。