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誤飲
著者 仙川環 (著)
医療ミステリー第一人者仙川環初の連作小説医療ミステリーの第一人者である仙川環氏の初となる短編連作小説が登場!『STORYBOX』誌で連載した同名作品7話と、連載では読めな...
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誤飲 (小学館文庫)
商品説明
医療ミステリー第一人者仙川環初の連作小説
医療ミステリーの第一人者である仙川環氏の初となる短編連作小説が登場!『STORYBOX』誌で連載した同名作品7話と、連載では読めなかった文庫書き下ろしの最終章を加えた新しい試みの作品。
著者の大ヒット文庫作品『感染』『繁殖』『転生』『再発』『潜伏』に続く話題騒然必至の力作。
連作のテーマは、身近にある「薬」。風邪薬、ピル、向精神薬、花粉症治療薬……。正しく使えば問題ないこれらの薬を巡り、8組の男女が織りなす黒い人間模様を活写。
登場するのは、リッチな医療カウンセラー、失業中のDV夫、美貌の女性カウンセラー、さえない精神科医……。日常に潜む悪意と偶然に翻弄され、ごく普通の家庭、人間関係が崩壊していく恐怖をスピード感溢れる筆致で描いています。仙川環ファンにはたまらない、ひりひりする読後感に快感を味わってください。
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紙の本
人間ドラマの凝縮。
2015/09/25 17:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
薬にまつわる八篇の話。人間のどろどろした感情あり、企みあり。筋もよく練られているし、各話に微妙な繋がりもあって、仕上がりとしてはなかなかいい。ただ、各話に出てくる人物の内面が暗かったり打算にまみれていたりするので、感情移入せずに読むのがポイント。あまりじっくり読むと気分が滅入りそう。距離を置いた視点で読むのがよい一冊。
紙の本
薬が紡ぐ、「なんかなぁ」な人たちの「なんかなぁ」な日常。
2012/02/06 13:59
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハジメマシテの作家さん。
名前は何度も耳にしていたのだけれど、
なんだかジメジメしたイメージがあって
長い間敬遠していた。
医療ミステリシリーズ第六弾ということだけれど、
個々のシリーズ作品は独立しているようで、
第何弾から読み始めても問題なさそうだ。
本書の構成は連作短編集。
章のタイトルが登場人物名になっており、
各話、その人物に焦点を当てて進んでいく。
そして各ストーリーに必ず登場するのが
本書の重要なモチーフ、「薬」だ。
経口避妊薬(ピル)、抗インフルエンザウィスル薬、
向精神薬、禁煙補助薬、薄毛治療薬、
抗アレルギー薬、下痢止め、精力剤。
そして医療関係者も登場する。
医師、カウンセラー、医療コンサルタント。
薬は、それを必要としているひとが
正式な経路で入手し容量、用法を守って
服用してこそ意味がある。
「きちんと」服用していたって
副作用が出るときは出る。
効果が出るとも限らない。
ならば…
非公式なルールで薬を入手したら…?
知らずに自分が摂取すべきでない薬を服用したら…?
うっかりミスが大惨事に繋がることだってある。
そこに故意が絡んだら…どうなる?
ここに登場するのは誰も、
「なんかなぁ」な人物ばかりだ。
「なんかなぁ」な人たちが
「なんかなぁ」な日常を送り、
「なんかなぁ」なちょっとした事件を起こす、
或いは巻き込まれる。
殺人事件が起こるわけではないが
じんわり嫌な気持ちになる。
科学や技術が進歩し、
コンピュータに薬にとその進歩は著しい。
しかしそれらはあくまでもツール。
使う側の人間によって、薬にも毒にもなる。
結局のところ、ただされるのは人間の質なのだ。
後味はすごく悪いわけではないけれど、
すっきりもしない。
でも他の作品にも手を伸ばそうとしている
わたしがいるから不思議だ。