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縮尻鏡三郎(下)
著者 佐藤雅美
大番屋元締の鏡三郎の許には、町方の怪事件から老中の心配事、さらには大家の息子の縁談にいたるまで、さまざまな相談事が持ち込まれる。快刀乱麻という訳ではないのに、どういうわけ...
縮尻鏡三郎(下)
縮尻鏡三郎 下 (文春文庫 縮尻鏡三郎)
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商品説明
大番屋元締の鏡三郎の許には、町方の怪事件から老中の心配事、さらには大家の息子の縁談にいたるまで、さまざまな相談事が持ち込まれる。快刀乱麻という訳ではないのに、どういうわけか鮮かに解決する鏡三郎の評判はうなぎ登り、遂には将軍から難問を持ち込まれた。最近、長崎での交易が不振となり、赤字が続いている。どうやら、陰に薩摩藩の存在があるようだ。原因究明を命じられ、これもお役目としぶしぶ長崎へ向う鏡三郎だが、運命の出会いが待っていた……!
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紙の本
またも縮尻……でも楽しい?
2011/07/29 13:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る
縮尻御家人拝郷鏡三郎の隣人で大家の「世間知らずで、ぐうたらで、ものぐさ」な旗本津田織部は、織田信長の一族一門の末裔だという。天保三年(1832年)に織田の一族一門が集まって総見寺で信長の二百五十回忌の法要を営んだという史実に、津田織部の長男鴻之介の結婚の話をうまくつなげている。
一族一門の総意により、織田信長の生前から二百数十年間、反逆者として仲間外れにされてきた子孫と津田鴻之介とが結婚して怨念を解消することになる。
同じ頃、引合茶屋矢車屋のおりんの妹にして縮尻鏡三郎の娘知穂の友達のさよもお見合いをする。
でもほんとうは、津田鴻之介とおさよとは相思相愛なのだ。それぞれの結婚が切ない恋の終わりになる……かと思ったら!?
織田一族一門の二百七十数年間の怨念は想像を絶してすさまじかった。それにおさよのお見合いの相手も最低だった。この二つには何の関係もないが。
おさよと鴻之介、おりんと鏡三郎、それに、津田家の次男三九郎とお知穂も?この三組のカップルがめでたくゴールインするかどうかが気になるところ。
津田家の用人の渡辺卓蔵がくわせもので鏡三郎一家を借地から追い出そうとし、やがて津田の一族あげての騒動を起こす。
大名も旗本も貧乏な家が多くて、結婚も養子縁組も持参金は幾らとあからさまに口にし、その意地汚さ情けなさ、はしたなさ。そんなだから、遣手の家老や用人を取り立てて、家政家計を改善する家もあるのだが、辣腕の家老が他の家臣に恨まれて騒動が起こったり、悪徳用人に財産をむしりとられたりすることもある。
幕府もそれは同じだ。縮尻鏡三郎が、ようよう、津田家との騒動などを解決したら、長崎会所の多額の損金の調査出張を命じられてしまった。長崎会所の問題には、将軍家斉の妻の実家の薩摩藩島津家や、遣手の老中だった水野出羽守などもからんでいて、これまで、調査が先延ばしされていたのだ。
そして長崎で、拝郷鏡三郎は、ああ……!
ちょ、ちょっと、縮尻鏡三郎さん!美しく魅力的な女性にうつつを抜かしていていいんですか!おりんさんのことは!?またしくじりますよ!