商品説明
鯉ケ窪学園高等部探偵部副部長・霧ケ峰涼の周辺には、なぜか事件が多い。校舎から消えた泥棒、クラスメ-トと毒入り珈琲一族との関わり、校外学習のUFO騒動――解決へ意気込む涼だが、ギャグが冴えるばかりで推理は発展途上。名推理を披露するのは探偵部副部長なのかそれとも? ユーモア学園推理の結末は?
著者紹介
東川篤哉 (著)
- 略歴
- 1968年広島県生まれ。岡山大学法学部卒。「密室の鍵貸します」でデビュー。著書に「謎解きはディナーのあとで」「ここに死体を捨てないでください!」など。
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書店員レビュー
鯉ヶ窪学園高等部の探...
ジュンク堂書店那覇店さん
鯉ヶ窪学園高等部の探偵部の副部長・霧ヶ峰涼が主人公の
学園ミステリー小説です。
笑いあり、ミステリーありのなごんで読める書籍です。
著者は「謎解きはディナーの後で」の東川篤哉さんです。
どちらも甲乙つけ難い面白さですので皆さん是非ご覧下さい。
文芸担当 花城
流行に飛びついちゃう人にも、そんな輩を笑わずにはいられない人にも贈りたい
2011/11/09 01:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
にわかには信じがたいことが起きています。『謎解きはディナーの後で』がドラマ化されるほど空前絶後の東川ブーム。異変に気づいたのは元旦のこと。朝からお酒を飲んで、いい気分でお笑い番組を見ていたところ、『謎解きはディナーの後で』のTVCMが流れているではないですか。一瞬で酔いがさめました。今年はなにかとんでもないことかが起きるか、広島カープが優勝してしまうぞ、と。
かねてから大好きだった作家さん。それだけに流行に乗るようで「絶対に東川作品書評なんて書かないんだもんね」と思っていましたが、あきらめます。なぜって、この作品の評価が意外に低く、にも関わらず、東川作品が書店で平積みされ、新カバーにまでなっているというバブルっぷりに少々、腹を立てて「笑っちまうね」という心持ちだからです。実はこちらでずいぶんと以前に『殺意は必ず三度ある』をおすすめしたことがあります。その頃はまさかこのような一大ブームが巻き起こるとは思いもよらず。
今回、紹介する『放課後はミステリーとともに』は、ファン、いや、マニア待望の霧ヶ峰涼シリーズの短編集。今年こそ、今年こそ、と期待し続け待つこと数年。『謎解きはディナーの後で』がヒットするや、すぐさま書籍化。なんなんだろう、この手のひら返したような対応は、と憤り半分、笑い半分といったところでした。ところが書評などを読むと、評価が意外にも低い。このままではいかん、とキーボードをかちゃかちゃ。
『謎解きは~』よりもギャグ、小ネタ、仕掛け、トリック、ロジック、伏線、ミスリードがマニアックで濃厚(と思うのですが)。『謎解きは~』でハマったかたには、ぜひおすすめしたいです。本格ミステリ作家クラブの年刊アンソロジーにも収録されている作品があるほどの充実度。
トリックとギャグは紙一重。ともに常人が思いつかない奇想であることは疑いないでしょう。考えてみれば、ミステリの古典には、一歩間違えればギャグというものが、うじゃうじゃあります。
密室ミステリの名作『黄色い部屋の秘密』には「××かよ」と、「まだらの紐」は「××かよ」、そもそも、始祖ポオの「モルグ街の殺人」からして「××かよ」と突っ込みができます。伏字ばかりでわかりにくいですね。困ったものです。
チェスタトンにいたっては、逆説と言えば、難解そうでかっこいいですが、もうギャグの領域に到達しています。 カーなどは、もうギャグとしか思えないトリックがわんさか。物語を運ぶうえでもドタバタ劇の手法を用いています。『殺人者と恐喝者』のメイントリック、ある小道具を用いた犯行シーンにチャップリンの映画のような陽気なBGMを流せば、これはもう喜劇にしか見えません。
冒頭の注意書きにあるように、この作品は「霧ヶ峰涼の屈辱」からお楽しみください。マイベストは「霧ヶ峰涼の逆襲」。でも、必ず巻頭の「霧ヶ峰涼の屈辱」から読んでくださいね。これは、いわゆる「フリ」ではありません。リアクション芸人さんが熱湯風呂を前にして「絶対に落とすなよ」と言っているのとはわけがちがうのです。
お手軽ミステリ
2011/06/19 22:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アメミヤサトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
東川の作品なので読みやすい。
コメディセンスは好きな部類。ただし、笑えると言うよりはクスリと来る程度の笑いと思っていた方が良いとおもいます。
ミステリはスパイス程度。主人公の霧ケ峰は探偵マニアで頭もそこそこ切れる。でもどこか間が抜けて好感が持てる良いキャラをしているので、キャラに重要度を置く人にはお勧め。
ミステリのネタとしてはありがちな物が多いが、昼休みは休憩中に軽く読んで気分転換には良いと思います。
東川篤哉が熱いらしい?! 東川氏お得意のユーモアミステリ。でもちょっと小賢しすぎる?!
2011/04/26 11:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、東川篤哉が熱いらしい。
『謎解きはディナーのあとで』が非常に売れているという。
確かに『謎解きはディナーのあとで』は多くの方に受け入れられる気がしないでもない。が、東川氏が推奨するユーモア本格ミステリとやらは、万人受けするものではないのではないか?というのが個人的な見解ではある。
帯には「世間がやっと東川篤哉に追いついた」とはあるが、それは違うと思う。世間が追いついたのでも、東川氏のほうが世間に追いついたのでもなく、両者が歩み寄ったっていうのが正確なところではないだろうか。
物語の主人公は霧ヶ峰涼という鯉ケ窪学園高等部の二年生。探偵部所属だが、野球好き(広島カープファン)が高じて弱小野球部の鬼コーチもときたま務める。それでは涼の務める探偵部とは一体なにか。まぁ、探偵部といえば探偵部だと言ってしまえば終わりなのだけれど…。探偵小説倶楽部ではない。野球部が野球を熱心に行うように、探偵部は探偵を熱心に行うのだそうだ。
というわけで涼は学校の内外を問わず日常の謎から殺人事件まで、種類を選ばず首を突っ込む。そしてぱぱぱーっと稀代の名探偵よろしく事件を解決…したりしなかったり…。そこはほら。ユーモア本格ミステリだから、ほら。そういうことなのですよ。
率直な感想を言うと、これまで読んだ東川作品の中では群を抜いて、苦手だった。物語は涼の一人称で進んでいくのだが、この涼の視点が苦手。この構成は物語上、重要な役割を果たすことになるのだけれど、それが故か、合わなかった。読みやすさでいうと読みやすい部類には入るのだけれど、それとは別の次元で、苦手に感じられた。
とはいえ、本格らしくトリックはきちんと盛り込まれているし会話やキャラにもユーモアがあって決して悪くはないとは思う。
実は本書にはある壮大なトリックが仕掛けられているのだが、そのトリックを最大限愉しむためには守らなければならないことがひとつある。
*本作品集は、ミステリーの仕掛けをご堪能いただくため、第1話「霧ヶ峰涼の屈辱」からお読みいただくようお願いいたします。(著者・編集部)
この注意書きを侮ってはいけない。何がどう転んでも、第1話を先に読むべきだ。そうでないとこの壮大な仕掛けの価値が半減してしまう。
と煽っておいてなんなのだけれど…、この仕掛け、第1話に登場させる必要があったのか甚だ疑問である。できれば最終章くらいで明かしてくれたほうが楽しさが倍増したと思うのだけれどなぁ。この点、かなり残念に感じられる。
ついでにもっと根本的なことをいうと、この壮大なトリック、わたしは好きではない。あざとすぎてとても好きになれなかった。興醒めしてしまったのだ。この点もまた、残念であった。
最後に。
蛇足だが、広島カープについて知識があると本書をまた違った形で楽しめるかもしれない。
『放課後はミステリ―とともに』収録作品
・霧ヶ峰涼の屈辱
・霧ヶ峰涼の逆襲
・霧ヶ峰涼と見えない毒
・霧ヶ峰涼とエックスの悲劇
・霧ヶ峰涼の放課後
・霧ヶ峰涼の屋上密室
・霧ヶ峰涼の絶叫
・霧ヶ峰涼の二度目の屈辱
世間が絶賛する小説?まだまだ狭くて広い評価基準
2011/04/26 15:33
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
電車の吊り革、雑誌の読者評、「TVで紹介」「各誌絶賛」などという世間の言葉に惑わされて東川氏の作品に興味を惹かれたのがことの始まり。
そしてどうせなら最新刊を読もう、と思って手に取ったのが本誌である。
世界中ブーム(「世界の中心で愛をさけぶ」ブーム)の時も思ったことなのだが、世間一般の、文学に対する評価基準はまだまだ低いと痛感した。
もちろんこれだけ「絶賛」されている作品なのだ。万人受けする、軽い読み物で、短時間で面白くその場を気楽に楽しめるという意味ではエンタメ作品として優秀なのだろう。というのも内容が、本当に善くも悪くも軽いのだ。
主人公はそしてエアコンのような名前を持ち自らを「ぼく」と呼ぶ、少々自信過剰気味な霧ヶ峰涼という女子高生。野球好きで広島カープをこよなく愛し、あるんだかないんだかよくわからない人数不明の「自称探偵部」副部長を勤めている。
日々起こるちょっとした事件や不思議な出来事を、探偵気取りの涼が解決していく、いや解決しようと駆け回るのだがこの探偵どうにも抜けているし頼りない。
行動力は有るのだが、詰めが甘くてけっきょくのところド素人である。
先輩や後輩、友人や先生に振り回されたり教えられたりしながら事件はどうにかこうにか解決していく訳だが、謎解きやミステリーというよりはナゾナゾである。
全て涼の一人称で語られているためどうしても犯人側の心情とか過去、犯行に至る様々な動機につながる諸々のことがちっとも見えてこない。
短編集なのだから当たり前といえば当たり前だが・・・もう少しどうにか掘り下げられないものかと思ってしまう。
なにしろ、涼以外の感情なんてどこにも書かれていないのだから;;
ただしこれは逆にエンタメ小説としては、(主人公に惚れ込むことさえ出来れば)かなり魅力的な作品なのだろう。
涼という単純明快、ボーイッシュでちょっと抜けてる女の子、が振り回されたり活躍したりする学園モノとしてはきっと面白いのだろうと思うのだ。
本格ミステリを期待せず、軽くパラッと気軽に楽しめるエンタメ小説。
文壇に置ける「世間が絶賛」する作品への道のりは、まだまだ狭くて広いようである。
分かりにくいミステリと埋め込まれたユーモア
2011/05/10 21:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
えー、正直『謎解きはディナーのあとで』の後に読みました
あのレベルを期待して読むとガッカリ感がありますね
名前ネタやキャラ立てなどで「ちょっとしたユーモア」を演出しようとしていて、なんとなく不自然さを感じます
ミステリと関係なく強引な小笑いの埋め込みという感じ
ミステリ部分の描写も分かりにくい
主人公がワトソン役で話ごとにホームズ役が入れ替わるのは良いのですが、もうちょっとうまくやれればもっと面白くなったかもしれません