いとこ同士（２）

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投稿者：あかり　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

「百鬼夜行抄」でご存知の今市子さんの過去の作品集。
「いとこ同士」というタイトルと、扉絵のきれいな色あいに引かれた。
そこなかとない色香がただようすてきな絵だ。

血がつながっているからこそ起こる様々な「思い」がこの作品のテーマになっている。いとこ同士は結婚できるし男女ならここまで悩むことはないが、男同士というだけでとたんに複雑になる。

主人公はもちろんいとこ同士。幼いときはよく遊んでいた年下のいとこが、大人になって再会すると、自分より目線が高くなっている。その成長を、さなぎが蝶になるように、まのあたりにする。小さいころを知っているゆえに生まれる感動がある。

血のつながりは、２人を離すことはない絶対的なものだ。
糸のようにつながっている特別な絆に守られている安心感。何があっても、他人ならそれきりになってしまうことでも、いとこなら死ぬまで切れることはない。
その一方で、家族への後ろめたさや知られることへの恐怖にうなされる。
会うときは常に人目を気にしなければならない。先のことも見えない。いつまで
続けられるのか。悩みは２人につきまとう。この２人に答えは出るのだろうか？

思いきりお互いを抱きしめられない、一歩身を引いているようなつつましさが
画風にあらわれている。やわらかく控えめな線は、２人の危うさが出ている。
人物の表情がやや硬く、感情があまり読めない。全体に淡白な空気が流れている。
少し前の作品ということはわかるけれど、これはこれで味があるんではないかと
思う。

物足りないくらいのラブシーンも好きだ。続きが読みたいという気持ちになった。

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投稿者：ポーリィーン　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

最近の素晴らしく面白かった作品と比べてしまうと、本書は完成度が高いとは言えませんが、同人誌で発表された過去の作品と絶版本からの再収録を読むことができるのでファンには嬉しい短編集となっています。いとこ同士（で男同士）の切ない恋愛を描いた表題作シリーズ４編と読切りの３編が同時収録され、その他にも著者による照れながらの作品コメントや今回の収録にあたって書き足されたページが推理出来るなど、とても面白く読むことができました。ボーイズ系のみなので、ファンタジー物で今市子が好きな方にはあまりオススメできませんが、ファンなら買いの一冊です（ＨＰ作りました）。

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投稿者：沢田　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

いとこという、微妙な血縁関係+男同士という二重の背徳感というか、生きにくさに悩む二人がやけにリアルでした。
今さんのシリアスなストーリーは、カラーイラストの色づかいのせいもあり、やたらと薄暗い感じがありますが、そこが好き。

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投稿者：ｂｋ１　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

血のつながりがあるからこそ、この想いに心は揺れて…。今市子が過去に描いてきた、表題の「いとこ同士」シリーズ3作他、数々の切ない単行本未収録BOY'S LOVE STORYがついにコミックに！ ＜ムービック＞