紙の本
創価学会の過去・現在・未来を客観的に明らかにした入門書
2004/08/18 16:37
8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ヴィア・ノヴァ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「いまや国家を左右する」と言われつつも「その全貌があまりにも知られていない」創価学会について「あくまでも客観的な研究者の視点から、現代日本社会における創価学会の『意味』を明快に読み解いた格好の入門書」だそうである。
なぜ創価学会はこんなにも巨大な組織になったのかという疑問に対する答えを見つけようと、私は創価学会に関係する書物や記事を読んできたが、それらは創価学会内部や身近な人物が書いたものや、創価学会について批判的な立場から書かれたものがほとんどである。批判的なものは部外者の私にとって内容は読んでいてある程度納得できるものが多いのであるが、ではなぜ、創価学会が現在のような巨大組織になったのか理解できない。対して創価学会側からのものは、批判に対する反論か、内部のもののみが共感できるような絶賛で構成されているものが多く、正直こちらの本を読んでもなぜここまで創価学会が支持されているのかは解らなかった。本書は創価学会の歴史を中心に創価学会の謎を解き明かしていく。葬儀等の儀式での創価学会と他の新興宗教の違い、公明党と創価学会の関係、選挙を利用した結束力の維持方法、池田大作というカリスマのイメージと実情、創価学会の排他性といった日ごろ疑問に思っていた点を明解にしてくれた話は解りやすく、適度に距離を置きながらも批判的になりすぎていないのは素晴らしい。そして著者は「最強にして最後の村…巨大な相互互助組織」としての役割を明らかにし、それこそが創価学会の支持の基本と位置づけている。この説自身にはそれなりの説得力があり、理解も出来るが、具体的に創価学会内部の人間に対して十分な検証がなされておらず数字的な裏付けもほとんど無い。もちろん著者自身が述べているように創価学会に対する取材は非常に難しいものであるのは理解できるとしても、もう少しきっちりと検証して欲しい。せっかく素晴らしい意見を述べているだけに残念である。
ともあれ本書は創価学会の過去・現在・未来について部外者でも解るように書かれた良書であり、著者の意図はかなりの部分まで達成できていると思う。創価学会という組織について興味を持ったとき、批判的・友好的どちらの立場の人も読むべき入門書であろう。
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それは違う
2013/06/08 08:48
5人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:snda - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を良書と言っていた人がいるが、
ここにかかれていた内容は事実無根だ。
では、義務教育の教科書代を税金で
賄うようになったのは公明党の発言からだ。
また、東日本大震災では被災された方々の避難場所として会員関係なしに会館を解放していた。
そこでは勧誘はされていない。
名誉会長という人はカリスマ性が有るわけでもなく、ただ努力した結果である。
自分は会員ではないが色々な宗教、特に日蓮系の宗教団体を調べてきたが創価だけはそういうことはなかった。
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久しぶりに定価で買った新書。新潮だけにと思ったが、それほどでもない。どころか・・・。まぁこれで折伏される事はないけど、この本を契機により興味が行く事があるかもしれない。なので、分かっている人にしかすすめない。でも、ああいう閉鎖的な組織の成り立ちや裏側はやっぱり面白い。
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この本は新潮新書のくせに新潮新書っぽく(つまり週刊新潮っぽく)ない。せっかく新潮社が学会の新書を出すんだから、もっと面白い本をつくれ。あと、このおっさん、オウムの時以降、客観の微妙な距離感がわかんなくなっちゃったんじゃないか。とりあえず、この本は学会から離れすぎ。
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今や日本国民の7人に1人が創価学会員で、都市部ではさらに多いそうです。偏見のない立場から書かれた本書を一読して、この宗教の実態がよく理解できました。幸運にも折伏などを経験したこともないのですが、漠然と創価学会の方とはなるべくお付合いしたくないナと思っていました。読後もその気持ちは変わりません。もともと現世利益を説く宗教にはご都合主義的な部分が多く、学識者には受け入れられないように思えます。巨大組織には、信者を減らさないために子弟の脱会を防ぐ巧妙な仕組みが備わっているようで、とても堪えられないです。
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創価学会は、非会員からすると、一体どんな宗教なのやら想像がつかないのだけれど、この本を読むと、「なるほど、創価学会とはこういう宗教なのか」という事がアウトライン的に分かります。
学会への賛否はともかくとして、現在の連立与党を支える公明党の大きな支持母体の内幕を知っておく事は、決して損ではないはず。
仏教を事前に勉強しておくと、より分かりやすく読めると思います。
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社会情勢の変化(生活スタイルの変化)とあわせて、創価学会の躍進の背景を探る。
要点は、以下。
高度経済成長のなかで、人々が田舎から都市に出てくる。
これによって、地縁で繋がっていた「寺」というシステムがうまく機能しなくなる。
しかし同時に、寺のような、宗教的な機能を求める人は都市にも大勢存在する。
創価学会はこうした時代背景とうまくマッチした都市型の新興宗教であり、
寺院は持たないが、ある種の寄り合いのような機能を備えることで、
人々の血縁に代わるような仕組みを作り出した、とされる。
こういうクールな解説は良いですね。
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★なぜ「学会」か★創価学会の会員となったのは高度経済成長期に農村から都市に出てきた人。そのため、社会党や共産党系の労働組合運動の支持者になる可能性もあり、「教義」の内容とは別に、この左派と「信者」獲得で対立した。そのため、保守陣営からは積極的な批判はなかった。ただ、日本の労組は企業別で、大企業に所属しない労働者は労組にも入れず、創価学会へと流れた。
池田大作が3代会長に就いたのは1960年5月。32歳のとき。すでに半世紀も前のこととは改めて驚く。池田はカリスマ的なリーダーではあるが、奇跡を起こす人ではない。日蓮の遺文の解釈者で、仏法の解説者。あくまで師として信奉される。そのため池田がいなくなっても組織活動は致命的には停滞しないだろうと著者は指摘する。
学会は相互扶助組織であり、高度成長が終わり、1969年の言論弾圧事件(公明党の伸長と、それにあわせた創価学会批判本に対する圧力)で強力な布教活動ができなくなり、新たな信者の獲得が難しくなった。ここで信仰を若い世代に次がせることを目指した。生活と友人とが学会で固められ、大きな村となり、出て行けなくなる。内向きの宗教の次の展開はどこへ。
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創価学会研究では定評のある島田氏による創価学会基礎知識本。その歴史から、やや不透明な未来が概観されてる、相変わらず教義には深入りしておらず、創価学会という組織は見えても、信者の行動原理までは見えないのが残念といえば残念だけど、、、批判一辺倒でも礼賛でもない、いいバランスの本。
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創価学会と公明党の成立、歴史、現状が中立・客観的に描かれている。
なぜ、”学会”なのか、など知らなかったことが良く分かった。
近代、都市化によって流入した貧しい底辺層のコミュニティーとして広がったようである。
いわゆる新興宗教にありがちな病気を治す教祖が居るわけではないが、排他的な土壌を持つ。
巨大な体育会系クラブ組織のようなものか。
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実はこれまで名前程度しか知らなかった創価学会。一体何がここまで多くの人を巻き込む力を持っているのだろうと、気になって手に取った1冊。
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創価学会の歴史を知ることができる。しかし想像するような創価学会を批判するための本ではない。だが、筆者は批判的な目でみているのであろう。それゆえ見えてくることも多い。
なぜ創価学会があれほど大きな宗教組織足り得たのか、そしてそれを維持していられるのか。これがわかっただけでも私にとっては大きい。
これが全てを語っているとは全く思わないが、間違いなく創価学会理解の大きな一歩にはなるだろう。
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一宗教団体であるにもかかわらず、いまや国家を左右する創価学会。国民の7人に1人が会員ともいわれる巨大勢力だが、その全容はあまりにも知られていない。発足の経緯、高度成長期の急拡大の背景、組織防衛のしくみ、公明党の役割、そしてポスト池田の展開―。あくまでも客観的な研究者の視点から、現代日本社会における創価学会の「意味」を明快に読み解いた格好の入門書。
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7人に1人が信者の可能性ってとてつもないですね。しかも田中角栄の時代から自公の繋がりがあったんですね。
この本は客観的に創価学会について読み解いたもの。もうちょっとつっこんだ内容を期待したけれど、概略を知るにはうってつけ、わかりやすいです。高度経済成長下で農村から都市に流れてきた下層の人たちは、下層であるが故に労組(日本では企業単位)にも入れなかった。創価学会は彼らの相互扶助組織として発展した。学会員たちが選挙活動に熱心であるのも、公明党が社会福祉(対象は下層)=現世利益を掲げる政党だからだとか。
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今や日本の最大の宗教団体と言える創価学会。
何でも7人に1人の割合でいるらしい。
しかも活動的に動いている宗教団体です。公明党も創価学会の党ですね。
あまり大きな声では言えないが、僕自身はあまり創価学会というのが好きではない。
ただ、よく知らずに嫌いというのは偏見でしかないので、その実態を知るために読みました。
しかし、なぜここまで創価学会が大きくなったのか、またその歴史的な背景は何かなどは非常に面白いと思いました。
それでもやはり好きにはなれませんでした。