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数字だけではなく、実態を読み取る重要性
2019/07/26 17:33
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投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書が経営分析に必要としている2点。
それは!
事業の儲け方のメカニズム
財務の健全性
後者は馴染み深いが、前者の指摘は目から鱗。
本書は、決算書の数字から仮説を立てる観察力
を日頃から磨くことを推奨している。
売上いくらという数字の単価と客数を想像して、
実態を思い描く。
そのイマジネーションの過程についても
説明しており勉強になる。
個人的に本書の教えを大いに参考にして、
役立てたい。
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いわゆる数字をいじるだけの経営分析から、数字の裏にある現実に近づくためのリアルな経営分析のためのノウハウが書かれている。特によかったのは第3章。生き残る会社と消え去る会社ということでいろんな会社の儲けの構造・枠組み=ビジネスモデルについて書かれている。結局自分が分析しようとしている会社の儲けはどこから出ており、どういうルールの中で戦っているのかを把握しないとただ数字を見ても意味がない。また第4章ではトマトの卸を例に実際にビジネスの流れをシミュレーションし、数字を作ってみている。これでかなり分析対象のビジネスにリアリティが持てるようになる。
コンサルティングをやっていて思うのはこのリアリティについて自分で納得感がないと、なかなか仕事もうまくいかない。
そういう意味では他の経営分析の書籍とは一線を画した良書。
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冨山さんの話を聞く機会があり、色々と修羅場をくぐっているだけあってその話には大変惹きつけられた。そのときにも経営者は数字が大事、ということも言われていたこともあり、であればと手に取ってみた。
まず会計による経営分析には限界があるということ。財務諸表を読むことができることは当然必須のことではあるが、その数字の意味するところを理解するためには、その企業の成り立ちや競争環境を理解する必要があるということである。至極当然であるが、そのためにはセンスと経験がいるということなのかもしれない。
大きな危機にあるときには、細かいところではなくて、インパクトの大きなところだけに注目しないといけない、規模の経済が利くか否かは当然ながら条件に依存する、合併によるシナジー効果が自動的に出ることはめったにない、密度の経済やネットワーク効果が重要、などといった言葉が並ぶ。
結局は、人間心理であり、人間音痴では、正しい経営分析はできない、と言われると場数を踏まないとなと思うのである。
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元産業再生機構冨山さんの本は、結構何でも読んでしまいます。
今回は、冨山さんのコンサル会社が用いている
経営分析の手法をあますことなく伝えた本。
会計の本科と思いきや、PLやBSの用語は出てくるものの、
ほとんど数字は出てきません。
会社や業界の属性から読み取れる儲けの源泉や仕組みを
どう読み取り、PLやBSで検証するのかが書かれています。
ちょうどKSFの重要性を認識したところなので、
すーっと腹に落ちてきました。
やや骨は折れるかもしれませんが、
何度も読み返したいと思えるくらい勉強になる本でした。
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元産業再生機構の冨山氏の著書。いざコンサルティング、という段でどのように空いて企業を分析するかを考える。実際の企業の内実を炙り出せ。「5社もやればイマジネーションが働くようになる。は全く同感。
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面白かった。1年前ならチンプンカンプンだったかも。
つい最近まで、同じようなことを同じような考え方でやっていたもので、理解しやすかった。この本で言うところの”リアル”にもっと踏み込みたい・踏み込むべきなんだろうなぁ。
一人あたりの売上高とか、営業利益率とかで会社の優劣を測っちゃう人とか、何か産業構造とかは良くわからないけど、シリコンバレーの企業はスゴイとか思っている人は読んだほうがいいかも。
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MBAの先輩推薦の為、購入。
分かりやすく、タイトル通りリアルなノウハウが記載された一冊。
経営分析素人の私ですら、なるほどー、と思える。
惜しむらくは、部分的に文章が下手なところがあり、意図が掴みづらかった。編集チェックが甘かったのか、そこだけ他の人間が書いたのか。
しかしながらまあそれは些細な事で、この人の他の本も読んでみたいと思っている。
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財務3表の構造を理解できていなくても、読み進められのではないでしょうか。もちろん、理解できていれば、なお良いのですが。
単に財務3表の分析だけではなく、分析を多面的に試みた場合はどのような分析となるのか、を分かりやすく示した本と言えます。
ステークホルダー(顧客、株主、従業員、取引先、競合相手、地域住民、等)の立場により、その企業の良し悪しの判断基準は異なると思います。
本書の分析手法も道具の一つとして見て、読者は立場に応じて、道具を使い分けて分析していく必要があるのでしょう。
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こちらも元産業再生機構COOの冨山さんの本です。
幾多の修羅場をくぐり抜けてきた冨山さんのリアルな経営分析論。
常に手元において活用したい本です。
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財務諸表の見方とともに、数値だけでは見えない部分の分析方法がよく分かる。特に最後のトマトの卸業者を例に取った分析のケーススタディはわかりやすく面白い。数値をいかに単価☓販売数に落とし込みリアルな手触り感のあるものに落としこむか、そして、一個あたり利益はいくらかを考えることの大切さをよく理解できた。実際に自分でも分析してみて力を付けたい。
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画一的な経営分析では、経営の舵取りはできないことを示唆した本。
1.隠れた病気を発見し、今後の治療と将来の予防に役立てるのがリアルな経営分析であって、過去を評価するためのものではない。目線は常に未来に向いている
2.リアルな経営分析では企業ごとの実態の違いに目を向けなければいけない。全てを一括りで扱う投資家向けの財務分析の世界とは違い、りんごとみかんを一律指標で分析・比較してはならない。
3.経営分析はナマの事業モデルをつかまえることからスタートする。みかんとオレンジは、よくよく見ないと区別がつかない。
4.細かい業界専門知識を持つことは、必ずしも経営分析力に直結しない。「結局どうなのか」を知るには、売上インパクト、コストインパクトの大きな部分に目を向ける必要がある。
5.同じビジネスでも、業界ポジション、成長ステージやスピード、経営者の資質と組織との関係性などによって、企業を見るための「ものさし」を変えなければいけない。
6.経営分析はまず数字から。数字をもとに背後にある企業実態を想像する。出てきた仮説を現場に足を運んで検証して企業の実像に迫る。その繰り返しで分析の質を高める。
7.PLを突破口に木々用実態を思い描き、BSで確認し、最後はウソのないCSでチェックする。
8.簿記は必ずやっておくべき。現場で使える経営分析の能力は、しっかりした簿記の土台の上に築かれる。
9.世の中は教科書通りには運ばない。本当の観察力、想像力は経験を積むことでしか培われない。そして、その学習スピードは、数字と人間の両方に対する「好奇心」次第。
10.戦争に勝つのはより多くの情報を持っている者。経営改革という戦争の勝者になりたかったら、経営分析力を磨け。
11.当事者意識を持たずにいくら決算書を眺めても、付け焼き刃の知識しか身につかない。経営の修羅場、ガチンコ勝負に飛び込め。
12.たかが会計、されど会計。せっかくの人類空前の発明品は都合よく使いこなすべし。
13.経営分析の目的は、まずは勝つためのルール(儲けの仕組み)を理解すること。経済原則、特にコストを支配する法則が何かは必ず押さえるべし。
14.事業の経済メカニズムについて、世の中は誤解だらけ。安易に「規模が効く」と思い込むな。まずはありのまま現実を凝視し本質を洞察せよ。
15.単純に規模を拡大しても、その効果が得られる業種は、実は驚くほど少ない。共有コストが薄い場合、むしろ規模の不経済が働き、勝敗を決めるポイントは拡散する。
16.優勝劣敗の構図が本当に変わるのは、経済構造が変わったとき。そこで当該事業が消えゆく運命なのかを見定めるのも、経営分析の大事な仕事である。
17.経済の本質のひとつは、人間心理である。人間音痴では、正しい経営分析はできない。
18.世の中の多くのビジネスを支配しているのは、実は「密度の経済性」。単純な「規模」だけでなく、「密度」の持つ意味にも着目せよ。
19.同じ事業のように見えても、購買行動、立地、業態などによって経済構造は異なり、重要な経済指標も違ってくる。「違いのわかる」分析者になれ。
20.普及するほど利用価値が高まるネット��ーク型の商品・サービスの場合、リスクをとって全速力でシェアを取りに行くことが正しい行動となる。先手必勝!
21.イノベーションなどによって、市場の創造〜成長〜成熟は繰り返される。分岐点における競争ポジションによって個別企業のとるべき戦略も変わる。経営分析でもそのダイナミズムを見極めないとならない。
22.顧客が他社製品に乗り換えるスイッチングコストを高めることは、提供「価値」を「適正価格」として実現する基本中の基本戦略。顧客サイドの経済性を分析せよ。
23.見た目は同じ工場でも、系列取引の割合を見極めないと、経営の実態に近づくことはできない。B to Bビジネスでは、このような産業構造的な視点からの経営分析を忘れるな。
24.インダストリー・バリューチェーン全体の成熟度合いとイノベーション、その中での位置付け(より多くの価値配分を勝ち取れるポジションにいるか)の両方に目を配らないと、企業の将来の競争優位性は掴めない
25.大競争時代の勝ち抜きの決定版は、スモール・バット・グローバルナンバーワン・モデルで、価値(価格実現力)とコスト(規模の経済)の両取りを狙うこと。スモールセグメントでのシェアとコスト、そしてスイッチングコストに着目せよ。
26.儲かっているビジネスこそ要注意。運と実力を冷徹に見極めよ。
27.経済メカニズムの視点を各種分析枠組み(3C分析や5Forces分析)にしっかりと入れることで、個別企業のあるべき姿と、その裏返すでその企業が直面する問題点や課題がよりクリアに見えて来る。事業経済性で本質に迫れ。
28.単価と数量を掛け合わせれば売り上げがわかる。売り上げを1日、1店舗、一人あたりに細分化すれば具体的な姿が見えて来る。
29.PL全体でのストーリーをつかみ、BSでそれを確認する。どんなヒト、モノ、カネ、業務プロセスが絡んでいるかを、PLとBSからイメージ化できると「勘」が働き出す。
30.ある数字を見て異常に気づくためには、相場観が欠かせない。特に値段のリアル感に敏感になることは、あらゆるビジネスの基本である。あなたは今日のトマトの値段を知っているか?
31.単品管理を徹底すれば、どんぶり勘定の余地がなくなる。大抵の問題はそれで解決できるはず。
32.お約束通りにやる財務会計は出発点。分析者の経営センス、オリジナリティーが問われる管理会計こそがゴール。
33.売り上げを増やすのに、どのようなコストがかかっていくのか、どのような売り上げの伸ばし方が、コスト効率が高いのか、という「コストドライバー」の視点で勝ちパターンを見極めていくことが重要。
34.数字の分析を徹底的に突き詰め、壁にぶち当たり、悩み、苦しむことで、その会社の組織サイド、人間サイドの本質的な問題も浮かび上がってくる。
35.月次、四半期、年度決算がその事業のサイクルと一致しているとは限らない。当てる定規の長さによって、業績の評価や予測は大きく変わることは少なくない。
36.取引先や競合他社を見るときも、財務データ、経営データを分析することで、従来とは違った見方を手に入れることができる。プロが本気で分析するのは、その会社と事業の経済性(儲けを決めるメカニズムとその堅固性)と、財務の健全性(いざというときの生存能力)。この2点について、数字と業務実態がコインの表裏のように整合的に納得できるまで、徹底的に分析せよ!
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当たり前に思える部分もなくはないが、本質的な分析およびリアルな勘所を押さえた話は参考になる。
<メモ>
規模の経済が働く世界、働かない世界。
範囲の経済性、資源の有効活用。相乗り。
密度の経済 ドミナント戦略
ネットワーク外部性
スイッチングコスト
相場観を身につける。いろんな商品・サービスの価格が浮かぶようにしておく。スーパーなどでも価格をみて、原価・商流を意識する。
事業が本来持つ事業サイクルを意識して判断をくだすこと。
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1 リアルな経営分析とは何か
2 リアル経営分析の進め方
3 生き残る会社と消え去る会社
4 生き残る会社の数字の作り方
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これは監査前にやろうとしてる経営分析を数段意味あるものにしてくれる良書。単なる指標分析から脱却するヒント満載ですね。当たり前なんだけど、読んでてわくわくしました。続編希望!
担当と一緒にこの本気さを実践していくのが、今期の目標。
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この本は面白い。
企業の経営再建や経営分析のプロセスが面白いほどよく分かります。
また、実際に現場にて行なっている経営分析を、架空の卸売業を用いて
ケーススタディのような感覚で紐解いていく場面はかなり勉強になりますね。
さらに、経営の勝ちパターンをPL等の財務諸表から探り出しロジックを組み立ていく過程は、
ビジネスパーソンにとってかなり有益なノウハウだと感じます。
リアルな経営分析の現場をあたかも身近で見学してるかのようなそんな感覚で読み進めることができるこの著作。
社会人から学生まで、「経営」 を学ぶ全ての方にお薦めします。