会社組織として現代もてはやされている手法を中心に、その効果を検証する
2008/10/03 21:48
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
会社組織として現代もてはやされている手法を中心に、その効果を検証するのが本書。
章建ては
1.企業の寿命は30年か
2.日本的「実力主義」「成果主義」がダメな理由
3.360度評価の罪と罰
4.「フラット型組織」がダメ社長を作る
5.民主的「ボトムアップ主義」の無責任
6.組織の「ダメ」を排除するためには
2の成果主義に関しては、すでにうまくいかないことがかなりの会社で証明されているようです。原因は、評価という部分。要するに会社にとって測定可能な成果は、短期的なものに偏りがちなわけで、その部分を改善しない限り会社として成果が上がることはないということでしょう。つまり、長期的な視点がなくなってしまうということです。
3.4.5.は、すべてに共通して言えることは「社長が責任から逃れるために採用している」ということ。一見、民主的な手法に見えますが、実際は責任の所在がはっきりせず、あいまいになってしまうのです。
社長はワンマンであってもよいはず。ワンマンとは、わがままという悪い意味もありますが、最終的な責任をすべて負うということでもあるのです。(最近はわがままで無責任という人も多いようですが・・・)
本書は、単なる批判だけにとどまらず、解決策も示してくれています。
何かに偏った方法ではなく、バランスよく経営していくことがうまくいく秘訣。
http://blog.livedoor.jp/c12484000/
実力主義,成果主義などへの不当な非難
2008/05/06 09:44
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Kana - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は日本の会社に導入された「実力主義」,「成果主義」,「360 度評価」,「フラット型組織」,「ボトムアップ主義」をつぎつぎと斬っていく.これらは手本となった国の企業ではうまく作用していたのだろうが,それを国情や社風などのちがいに十分配慮せずに導入したために失敗した例が多々あるのは事実だろう.しかし,この本の論旨には飛躍しているところが多々あるようにおもう.たとえば実力主義は野心家に悪用されるからよくないということが書かれているが,それがどういう条件のもとでおこるかは分析されていない.全体を通じて感じるのは,きちんと分析しないまま,わるい面ばかりが強調されていて,うまく導入すれば機能する上記の主義たちが不当にけなされているということである.
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うちの会社のトップがだめなのは十分わかってますが、他社、お客様企業のトップがだめだったりしたとき、「どうして?」と思うことが多いため、改めて考えてみたくて購入してみた。
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今までの日本式の人事評価制度(年功序列等)と欧米式のそれを比較して、日本式の方が日本には向いてるって内容の本。
正確に言うと、欧米式の良さも認めているけれども、今の日本の風土ではそれをうまく使えず負の側面ばかりが強調されてしまってたり、日本のトップがそれを曲解して悪い方に使ってたり、といった理由が多いって話。
ただ、今までの方法にはもう戻れないとも思うから、もう一歩踏み込んだ提示があると面白くなったと思う。
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確かに、「実力(成果)主義」、「360度評価」、「フラット型組織」、「ボトムアップ」は、
将来のトップが育たないと思う。
何しろ、管理職になっても自分の意志は全くなし。全く出せないのです。
それから、言われたことしかしない管理職は、固定化されるので、
下からあがってくる人たちの進むべき場所に居座ります。
同一役割の管理職に有効期間(例えば、6年ぐらい)を持たないと、
人が流れません。そうすると、組織は必ず、膠着化します。
そうなったら、遅かれ早かれ、終わってしまいます。
2008.8.26、ト
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これまた典型的なタイトルで釣ってる系の本だと思いました。
だってトップが駄目な理由が書いてないんだもん。
トップの選び方が悪い、ってことは書いてあるけど。
内容は組織論の本です。
よくある人事システムとかを輸入してきたら
こうなりますよ、って話です。
最初っからそう思って読めば全然いい本だと思います。
特に斬新な内容ではなく、基本を抑えるものとして。
大学の講義を少し懐かしく思うような内容もありました。
実力主義、360度評価、フラット型組織等々。
どれも主に短所を的確に指摘しているかと思います。
そう、短所ばっか。ちょっと偏りがないとは言い難い気がする。
でも性悪説を基本とする自分としては全否定はしない。
人事評価、組織論、労務管理。
どれも答えなんてないね~。どうしたってうまくいかないと思うんだわ。
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2011/1/13読了。
欧米式経営を無理やり日本にあてはめようとしても合わない。日本人独特の思考や文化を考慮したうえで、昔からの制度の改革を考えていかねばならない、という話。
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企業30年説に対する論拠を著者なりに記述している。
企業のトップ全体を批判している内容ではなく、
実力主義や360度評価等欧米の人事制度をよく考えもせずに、
自社(国内)に導入してしまうトップに対して警鐘を鳴らしている本。
何故欧米の人事制度導入がよくないのか?
日本にそぐわないのか?
端々にかなり極端とも思える意見もあり、
全部が全部納得感が高い訳ではない。
しかし、なるほどと思えることも多い。
自社に置き換えて読むと、さらに理解・納得できる本だと思う。
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[ 内容 ]
「人事が適当すぎて話にならない」「組織のシステムがコロコロ変るだけで、何も好転しない」―。
会社員ならば誰もが一度は感じたことがある理不尽。
諸悪の根源は、思いつきで新しい制度に飛びついたトップたちだった。
成果主義、三六〇度評価、フラット型組織、ボトムアップ主義は、企業を蝕む「新型ウィルス」なのである。
真に日本に適合したシステムとは何か。
『御社の営業がダメな理由』に続く全企業人必読の一冊。
[ 目次 ]
第1章 企業の寿命は三〇年か?
第2章 日本的「実力主義」「成果主義」がダメな理由
第3章 三六〇度評価の罪と罰
第4章 「フラット型組織」がダメ社長を作る
第5章 民主的「ボトムアップ主義」の無責任
第6章 組織の「ダメ」を排除するために
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「百人のうち九十九人に誉めらるるは、善き者にあらず」
----武田信玄
個人的殿堂入り本でした。
会社傾く原因として「多数決」が挙げられ、その欠点を様々な事例で説明してあり、大変説得力がありました。また、これまで是と思っていた「実力主義」や「上位構造無組織」システムには実は多大な欠点があることも述べており非常に痛感。勿論一面性の意見かもしれませんが、ものごとには様々な面を見る必要もあり十分参考になる本と考えております。
残したい箇所を日記に書こうと思ったら、大量になり結局2回読むことにw
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常に自分がトップだと思って仕事をする以外に、解決の糸口はないと感じた。
誰が駄目だ、彼が駄目だという後ろ向きの発想では、新たな道は広がらない。
制度をころころ変えるのは、辛抱のない人達を辞めさせるための機会だと前向きに捉えるのはどうだろう。
そうでなければ、自分が会社を辞めるためのよい機会なのかもしれない。
書かれていることは参考にさせていただきます。
なにはともあれ、自分とその身の回りは、毎日、前向きに行こう。
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組織はどうあるべきか?
→安易な仕組みの導入はうまくいかない。企業風土とのマッチングを考える必要がある。
その上でトップは適切な意思決定を行う
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この著者の本もこれで3冊目。この人の考えていることがなんとなく分かるようになってきた。
この本での主張は、海外から入ってきた色々な人事システムが日本企業で取り入れられているけど、そのシステムが思わぬ弊害を生み出しているというもの。また、本の趣旨からは少しズレている気がするけど、「私語」の弊害についてもけっこう詳しく書いている。日本企業の生産性の低さの背景には私語の多さがあるという指摘にはビックリしたけど、あり得る話かも知れない。
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・人間関係 会社⇒ストロングタイズ 学生時代の友人等⇒ウィークタイズ ストロングタイズばかりに頼った生き方は多角的な生き方ができず、結果痛烈な判断ミスをする。ストロングタイズはローカルルールな人間関係。
・「実力主義」「成果主義」は給与制度改訂の大義名分。
・「年功序列人事」は人事を牛耳ろうとする者にとってのブレーキとなっている。
・舶来の「実力主義」を導入しなくても、日本は過去から本当の「実力主義」を持っていた。
・中途半端な「360度評価」は百害あって一利なし。
パレート「優秀2・普通8・不良6」の法則。
・「フラット型組織」は中間マネージャーが育たない。※かつての中内功氏のダイエーは「フラット型組織」の良い面と悪い面があった。
・「フラット型組織」は知力・体力とも優れたトップが40年も50年も、組織全体を目を行き届かせて、各所に方向性を決めて細かい部分まで指揮をする最も効率的な組織⇒不可能
・次の世代が育たない組織に明日はない。
・多数決は果たして良いのか?
・多数決は多数が賛成⇒個人に責任が伴わない。
・「サイバーカスケード」⇒インターネット上の小さな情報が発端となり、数段階経た後、ついに多数が雪崩を打ってその情報を信じるに至るプロセス。
・「100人のうち99人に褒めらるるは、善きものにあらず。」
・「実力主義」⇒手元に優秀な部下を囲い込む。
・幹部候補生はやはり、異動によって企業の持つ幾つかのフェイズを経験させること。
・所属長が被るであろう不利益を一切無視し、教育的な観点から積極的な異動を行うためには、どうしても横から口を挟まれない程度に独立し、権限をもった人事部が必要である。
・この人事部の仕事は社内の優秀な人材を定期的に異動させて経験値を積ませ、少しずつレベルアップさせて、ピラミッド組織の頂点に向かってお仕上げていく作業である。
・ピラミッドの一面だけを駆け上った人材と、それぞれの面を経験した人材は、中間管理職をやっている時代は大きな差はない。しかし、もう少し上に上り役員以上となったときは柔軟な発送や視野の広さで圧倒的に開きが出る。
・異動は肥やし、リーダー資質養成に深みを与える。
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う~ん、成果主義や360度評価がダメダメなのは同意だが、その理由がこじつけすぎないか?そんなに社内の派閥抗争ってどこにでもあることなのか?よくわからん。
ただしフラット型組織で後継が育たない、ボトムアップで無責任経営、ホワイトカラーの生産性はオフィスデザインで決まる、というのはその通り。また社長たるもの’明日’を考えることが仕事であり、いちいち今日の現場に首を突っ込むな、というのも同意。うちの社長にも聞かせてやりたい。