- 販売開始日: 2012/08/01
- 出版社: 新潮社
- ISBN:978-4-10-110922-0
影の地帯
著者 松本清張 (著)
飛行機の中から富士山を写したばかりに、思いもかけぬ事件に巻込まれたカメラマンの田代は、撮影旅行先の木崎湖や青木湖で不気味な水音を聞き、不審な波紋を目撃する。行く先々に現れ...
影の地帯
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
飛行機の中から富士山を写したばかりに、思いもかけぬ事件に巻込まれたカメラマンの田代は、撮影旅行先の木崎湖や青木湖で不気味な水音を聞き、不審な波紋を目撃する。行く先々に現れる小太りの男と謎の木箱を追う田代の周辺で、次々に起る殺人事件は、保守党の有力幹部失踪事件と関連を持ち始め、偶然と必然の織りなす経過のうちに、醜悪で巨大なその全貌を現わし始める……。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
話のつかみが巧く、ぐいぐいと引きずり込まれました
2009/02/13 11:14
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:東の風 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のカメラマン・田代が、顔見知りの人間の失踪を調べていくうちに、日常の裏側で暗躍、跳梁する組織の謀略に巻き込まれていくストーリー。田代が、謎の小太りの男とあちこちで遭遇する出だしから、妙な木箱を追って信州に点在する湖(木崎湖、青木湖、野尻湖、諏訪湖)を訪ね歩く序盤の展開がとても面白く、ぐいぐいと話の中に引きずり込まれました。別件かと思われたふたつの失踪事件の線が、やがてひとつに収斂するあたりの展開も巧みで、読ませます。
前半のバツグンの面白さに比べると、後半は話の勢いがやや落ちるなと思いましたが、それでも一気読みに走ってしまった。久しぶりに手にとった清張作品でしたが、旅客機内の運命の出会いを描いた冒頭から、急流を運ばれて行くようなスリリングな読みごたえを堪能させられました。
初出・刊行年は、1961年(昭和36年)。『眼の壁』『ゼロの焦点』『黒い画集』『霧の旗』『砂の器』といった名作・力作が並ぶ、松本清張(1909-1992)初期のサスペンス長篇。作家の旺盛な創作力がひとつの頂点に達した当時の作品では、ノンフィクション『日本の黒い霧』(1960年)もおすすめ。