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電子書籍
二十年後―くらしの未来図―(新潮新書)
著者 平尾俊郎 (著)
夢コントローラー、健康診断機能付きトイレ、人間洗濯機、360度回転する一戸建て、お手伝いロボット、掃除不要のバスタブ……。暗い未来図にはもううんざり。童心に戻って未来にワ...
二十年後―くらしの未来図―(新潮新書)
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二十年後 くらしの未来図 (新潮新書)
商品説明
夢コントローラー、健康診断機能付きトイレ、人間洗濯機、360度回転する一戸建て、お手伝いロボット、掃除不要のバスタブ……。暗い未来図にはもううんざり。童心に戻って未来にワクワクしてみませんか。最新技術で暮らしはどう変わるのか? 二十年後の我が家はどうなっているのか? トイレ、バス、冷蔵庫、テレビ、洗濯機、ベッド等々、身近な商品の未来から見えてくる快適で愉快な二十年後の生活像。
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紙の本
こんなこといいな、できたらいいな
2004/04/12 16:00
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投稿者:べあとりーちぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は「未来図」と題する16の章と、本筋からはちょっとハズれた遊び心のあるアイテムについての5つのコラムから成っている。家の中のいろいろなシーンごとに20年後のスナップを切り取って見せる仕組みである。
未来図のうち「防犯」や「エネルギー」、「キャッシュ」については、たぶん20年も待たなくても実現されるのではないかと思う。バイオメトリクスを利用した家庭用防犯システムは、残る問題点は量産化とコストダウンがどのくらい早く実現できるかだけだろう。エネルギーに関しても、家庭用太陽光発電システムはゆっくり確実に普及しているようだし、天然ガスから水素を取り出して使う家庭用燃料電池ユニットも、庶民が奮発できるお値段まであとひと踏ん張りといったところらしい。電子マネーも欧州では実用段階を超え、既にかなり普及している。日本で根付くかどうかは技術的なもの以外の問題であろう。
もう少し突飛な話題が読みたい読者には「トイレ」や「ベッドルーム」の章がお勧め。便座に座ると体重測定や体脂肪測定をしてくれるトイレ、そればかりか用足しした排泄物を分析して体調チェックまでしてくれるトイレを、まじめに開発している人たちが実在するとは。個人的にちょっとそれは絶叫ものでイヤなのだが、よく考えると「おしりを洗う」便座も、出たばかりの頃は「そんなの気持ち悪い」という人も多かった。体調チェックトイレが普通になったら、その辺りの感覚も変わってくるのかもしれない。
夢をコントロールできるベッドは純粋に待ち遠しい。よくSFに出てくる「サウンドスリーパー」が体験できるとしたら、やっぱりワクワクするではないか。水に浮かんで完全にリラックスできたり、頭寒足熱の温度調節をしてくれたりするベッドもいい。冷え性の筆者は思わずチェックしてしまった。
こんな具合に、小難しく考えることなく楽しめる読み物としてはなかなか面白かったのだが、ちょっと詰めが甘いかと感じる部分がなかった訳でもない。例えばテレビや冷蔵庫の章である。
ユビキタスの延長で、ホームネットワークが普及すると予想している人たちはかなり多い。テレビが主端末になり、家中の家電製品をネットワークで繋いで好きな場所からいつでも操作できるようになるのだそうだ。だが近い将来そういうシステムや家電が出てきたとしても、筆者は当分買わないし手を出さない。何となれば、コンピュータの操作性にまだまだ信頼を置いていないからである。
筆者がPCに触り始めてから15年以上が経つ。その間、マシンはどんどん早くなったしインターフェイスもかなり洗練された。ある面使いやすくなったのは間違いない。
しかし相変わらずメンテナンスは不可欠で、それでもフリーズしたりクラッシュしたりがなくなった訳ではない。LANなど組んだ日には設定だけで大汗をかき、デバイスドライバが落ちればまたまたメンテと再設定。
家中の家電を繋いだりしようものならどれだけの手間暇がかかるだろう。たとえ留守中に多少の家事をこなせても、帰宅後寝るまでメンテとかいう羽目に陥らないとは言い切れまい。そんな本末転倒は御免である。
在庫管理やメニュー提案してくれる冷蔵庫も、推進派が言うほど魅力を感じない。晩御飯を考えるのも億劫なほど疲れている時に、献立だけ提案されても怒りが込み上げないだろうか。外食したほうがよっぽどマシである。在庫管理も自分で入力しなければいけないのなら意味がないし、食材その他は冷蔵庫だけにしまっておく訳ではない。卵があっても、油や調味料を切らしていれば作れるのはせいぜい茹で卵程度。実際の家事担当者ならばこういう発想にはならないと思うのである。
ともあれ、共感やいちゃもんをいろいろ呟きながら気軽に読むにはお勧めの一冊である。20年後に覚えていたら、もう一度読んで検証するのもいいかもしれない。