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電子書籍
リアル・シンデレラ
著者 姫野カオルコ (著)
童話「シンデレラ」について調べていたのを機にライターの〈私〉は、長野県諏訪市に生れ育った倉島泉(くらしません)について、親族や友人に取材をしてゆくことになる。両親に溺愛(...
リアル・シンデレラ
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リアル・シンデレラ (光文社文庫)
商品説明
童話「シンデレラ」について調べていたのを機にライターの〈私〉は、長野県諏訪市に生れ育った倉島泉(くらしません)について、親族や友人に取材をしてゆくことになる。両親に溺愛(できあい)される妹の陰で理不尽なほどの扱いを受けていた少女時代、地元名家の御曹司(おんぞうし)との縁談、等々。取材するうち、リッチで幸せとは何かを、〈私〉が問われるようになるドキュメンタリータッチのファンタジー。
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紙の本
泉がみつけた幸せ
2017/03/31 18:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
個人が何を持って幸せと感じるか。他人には計り知れない。読者は騙される。泉は自分以外が幸せならそれでいい健気な子だと。けれど終盤、そう貂のような人と会う直前の泉、段ボール部屋でこっそり泣いてた泉、やっぱり悔しくて切なくてという「当たり前」の感情をひとりむき出しにしていた泣いている泉を目の当たりしてやっと分かるのだ。普通の子が虐げられてきた故感情を偽っていたのだと。この話は寓話だという。けれど私は泉みたいな子がいて、一生懸命生きていることを感じている。泉のように幸せを見つけられるといい。自分で決めた幸せを。
紙の本
人生における幸せについて再考させられる作品
2016/01/16 20:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、他の姫野作品と同様、一人の女性の一生を克明に描いたものです。主人公島倉泉は、小さいころから容姿も性格も目立ったものはなく、いつも彼女とは正反対の妹の陰に隠れるように生きてきました。成長して、地元の有力者の家へ嫁いでからも、決して目立った行動をとることなく、どちらかといえば、日の当たらない毎日を過ごしていました。でも、彼女自身、その生き方をむしろ積極的に行っていたといってもよいでしょう。さまざまな物質的欲望や権力欲に充満されている現代社会において、本当の幸せとは何かを改めて考えさせられる作品ではないでしょうか。
紙の本
大人のためのファンタジー
2021/06/01 05:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kobugi - この投稿者のレビュー一覧を見る
関係者からの聴き取りという形式の中で、一人ひとりが「泉ちゃん」を語る。エピソードから各自の「泉ちゃん」への思いが浮き彫りにされる。人は自分の価値観でしか判断できない。価値観に基づいて、相手の行動からその人の心情を慮る。「泉ちゃん」の思いは直接にはわからないが、関係者の話を繋いでいくと、こういう思いだったのだろう、と推測できる。あとがきにあった、一般的なシンデレラのイメージと異なるという読者の感想に、否をとなえたい。泉ちゃんだからこそ、リアル。シンデレラなのだ、と確信している。読んでいるうちに、脳裏にハーブの香りが漂い、バターの効いたポテトサラダを作りたくなった。わらじも編んでみたい。泉ちゃんに思い馳せながら。
紙の本
好きな本です。
2015/12/03 11:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すずかけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は人を恨んだり、劣等感を持ったり、自分の生まれ育った環境を嘆いたりしてしまう時があります。
そんな、心がドロドロになってしまったときに、主人公の泉ちゃんのことを思い出すようにしています。
すると、泉ちゃんの美しさがすっと心に沁みてきて、ひねた私の心は、デトックスされたように、澄んでいく感じがします。
泉ちゃんの潤沢は、私に、幸せって、充足って何なのか、考えさせます。